自己を見つめる

今日は朝4時から起きて、オリンピック体操男子総合を観戦しました。内村航平選手は予選では、オレグ・ベル二ヤエフ選手に次ぐ2位で終わっています。いよいよ決勝戦で、内村選手の演技は勿論凄かったのですが、ライバルのオレグ選手もそれはそれは素晴らしくて、5種目終わった時点で0.901の差をつけられて、内村選手は負けていたのです。0.901といえば、相手がミスしないと追いつけないくらいの得点差です。オレグ選手より先に内村選手の最後の競技である鉄棒が始まります。最初から見ていて思ったのですが、内村選手の演技はしなやかでそれでいて隙がない。そんな演技をします。外国人選手などは男らしさや力強さなどがあるのですが、内村選手はそうではなく、とても繊細で絵になる演技をするのです。

最後の種目の鉄棒もとにかく高い!そんなに高く飛んで大丈夫?という位・・・結果は、15.8なかなかの高得点です。そしてオレグ選手。予選では鉄棒で15点以上取っています。予選以上いや予選くらいの出来を取れば金メダルです。他の種目ではすべて15点以上取っています。失敗しない限りオレグ選手が金メダルと誰もが思ったことでしょう。そして、オレグ選手もそう思ったはず。守りに入り失敗しない演技を終えました。

その結果、なんと0.099差で内村選手が金メダルを取りました。一瞬でも銀メダルになっちゃったと思ってしまった自分に深く反省しました。内村選手ごめんなさい。ごめんなさい。と何度も言いました。オレグ選手は実力では負けていなかったのに守りに入ってしまいました。それに比べ、内村選手はインタビューで「今まで練習を何回もして失敗したことがなかったので自分の実力を出し切ろう。それでダメなら仕方がない」という気持ちで臨んだのです。内村選手からしても0.901の差というのは大きい差だったと思います。これは厳しいということも分かっていたでしょう。そこで負け戦になるのではなく、自己と向き合い自分が後悔しない演技をしようと思ったのだと思います。いわゆる覚悟をしたのです。ダメだったとしてもそれは自分の責任。それもすべて受け止めて、今ベストを尽くそう!と・・・その表情は凛としていました。

オレグ選手もそれはそれは凄いプレッシャーだったと思います。この余裕の得点差が逆にオレグ選手を守りに走らせたような気もします。失敗さえしなければ・・・予選程度の演技をしていれば・・・と・・・他の種目ではあんなに伸び伸びと挑戦していたのに完全に守りの演技でした。

この試合を最初から見れて本当に良かったです。この試合を最初から見た人は内村選手から元気をもらえること間違いなし。あぁ良いもの観させてもらいました。
金メダルおめでとうございます。