簿記論・財務諸表論

税理士試験は、会計科目2科目と税法科目3科目に合格すれば、実務経験を積んで税理士になることができます。その会計科目2科目が簿記論と財務諸表論です。

簿記論は全問計算問題で、財務諸表論は半分が計算、半分が理論です。財務諸表論の理論は税法科目より厳密ではありません。この2科目は簿記2級・1級受験を経て受験する人には比較的なじみやすいです。

私は簿記論も財務諸表論も嫌いではなかったのですが、周りの受験生を見ていると、ある傾向が見られます。一定の確率で簿記論にはまる(何年も受からない)人が出てくるのです。それも、いわゆる良い高校、良い大学を出た人達にその傾向が強いような気がします。確かに簿記論は1年間、勉強してきたことに全くかすってもいない問題が出たりします。ある意味怖い科目です。そういう意味では財務諸表論の方が受かりやすい感じです。理論が半分、計算が半分(しかも総合問題)であることが多いです。傾向と対策を練りやすいのも財務諸表論かもしれません。理論も核となる部分は暗記が必要ですが、それ以外の部分は文章作成能力でカバーできる部分があります。そういう意味でも楽しい科目です。

簿記論にはまってしまったら、どうするか?簿記論はある意味つかみどころがなく、実務では使わないくらい難解な問題が出ますので、何年も受からないと精神的に病んできます。そうした場合、まず、簿記論と違う科目を1科目受験するようにしたらどうでしょう。簿記論以外の科目は理論がありますが、簿記論は唯一理論がないので、暗記の負担がない分それが可能だと思います。実際、私の友人で非常に優秀な人が簿記論にはまりましたが、彼は自分は簿記論が苦手だけれど、10年も受ければ1回位、自分に合った問題が出ると思うんだ。と言い、簿記論と理論科目を2科目を受験し必ず理論科目に合格し、最後には簿記論にも合格していました。

小さな頃から勉強の習慣があり、パターン化学習が得意な優秀な人ほど、簿記論地獄にはまりやすい感じです。あまり精神的に追い込まず、10年受ければ1回位、自分に合った問題が出ると思うんだ。という位の方が、良い結果になると思います。