不動産取引が非居住者である場合の注意点

「居住者」とは、国内に「住所」を有し、又は、現在まで引き続き1年以上「居所」を有する個人をいい、「居住者」以外の個人を「非居住者」と規定しています(国税庁のHPより)例えば、A株式会社がBさん(非居住者)から1億円で土地を購入した場合、A株式会社はBさんに1億円を支払う義務を負うわけですが、Bさんが非居住者なら20,420千円(1億円の20.42%)は税務署に源泉徴収として納税し、残りの79,580千円をBさんに支払います。ところがA株式会社がBさんに1億円支払ってしまうと、税務署はA株式会社に源泉徴収の義務を怠ったとして、20,420千円の支払いを命じます。

ここまでなら、そうか外国人と土地取引をしている場合に注意すれば良いのかと思います。ところがこういう事例があります。Bさんが以前は日本に住んでいましたが、渡米して米国籍を取得して日本には米国発給の旅券で入国して、たまに日本に来るものの日本の滞在期間は数か月というものです。契約書には日本の旧住所などを記載している場合などがありますので、注意が必要です。例えば、売買取引口座が外国口座だった場合などは、まず非居住者であると考えて良いでしょう。なお、これはA株式会社が会社だったから源泉徴収義務者になるのであって、Aさんというサラリーマンの個人でしたら、源泉徴収の義務はありません。