事業承継税制1

平成30年税制改正の大きな目玉は何といっても「事業承継税制」です。今日本の中小企業の経営者は、高齢化が進み何らかの形で自分の会社を誰かに引き継ぎたいと考えていますが、子供の問題だったり税制の問題だったりしてうまく引き継ぎができなくなっています。2017年に団塊の世代が70歳代になったことにより「2017年問題」として話題になりました。中小企業のほとんどが70歳過ぎても社長を続けていて、20年前には経営者年齢の山は47歳でしたが、今は66歳になっています。2020年までに新たに70歳に達する経営者は約31万人います。最大の問題は後継者不在です。50歳代で後継者が決まっていないのは約75%ですが、60歳代でも54%、70代でも44%、80歳以上でも3分の1が後継者不在になっています。このままでは日本の多くの中小企業が潰れます。会社が無くなるということは税収も少なくなり雇用もなくなりGNPも減少します。これは国家のためにも国民のためにも大惨事なのです。

そこで今回、事業承継税制の抜本的改革が行われました。昨年10月に医療法人の事業承継税制である認定医療法人制度もびっくりするくらい画期的でしたたが、中小企業を対象にした今回の事業承継税制はそれ以上に画期的で大盤振る舞いの制度です。自社株を後継者に譲る場合通常何らかの税金がかかってきますが、事業が上手く引き継げて雇用を維持してくれたら無税にするよ!(実際には要件を満たしてくれたら無税にするので納税猶予といいます)という制度です。これは期限が決まっていて平成30年4月1日から平成35年3月31日までに事業承継計画を都道府県知事に提出して認定を受ける必要があります。今までも事業承継税制はありましたが、全株式対象ではなく総株式数の3分の2までで税金の猶予はその80%でした。ですから100%全て経営者が持っていたとしても100%×2/3×80%の53.3%しか納税猶予されなかったのが100%納税猶予となります。また後継者は1人でしたが今回の改正で最大3人の後継者が選べるようになりました。雇用確保維持要件などもゆるくなりかなり使いやすくなりました。中小企業の経営者様には是非活用していただきたい税制です。次回の税務のカテゴリーで内容を詳しく説明します。