配偶者居住権

2018年5月17日のカテゴリーFPのブログで民法改正(配偶者居住権)について触れました。詳細については5月のブログをご覧ください。配偶者短期居住権は漏れなくもらえる権利ですが、配偶者居住権は設定することができる権利です。ですから相続税の評価対象となります。こちらは2020年4月1日から施行されます。

例えば夫が亡くなって妻が遺贈により配偶者居住権を取得したとします。夫婦には子供が居て、子供が夫婦が住んでいた住宅を相続により取得した場合を例に取ります。
妻の配偶者居住権の建物部分の評価(配偶者居住権といいます)は
建物の時価-建物の時価×(残存耐用年数-存続年数)/残存耐用年数×存続年数に応じた民法の法定利率による複利現価率
となります。

取得した子供の建物部分の評価は、
建物の時価-配偶者居住権の価額
となります。これを見てわかるように一つの建物を分解して相続したような感じになっています。両方足すと1つの建物を評価するのと同じ価額になりますね。

では、土地はどうでしょうか?妻の配偶者居住権に係る敷地部分の評価(敷地の利用に関する権利といいます)は、
土地等の時価-土地等の時価×残存年数に応じた民法の法定利率による複利現価率
となります。

取得した子供の土地部分の評価は、
土地等の時価-敷地の利用に関する権利の価額
となります。こちらも建物と同様2人足した金額が1つの土地の価額と同額となります。これを節税対策として利用することもありそうです。配偶者居住権は妻の死亡によって消滅するので妻から子供への二次相続がショートカットされるからです。今後は色々相続税対策できそうですね。