女のいない男たち


本のタイトルを見た時、男性目線でみた一人でいる選択みたいなものが書かれた本かなと思いました。でも、中身はちょっと違いました。この本は短編小説の詰め合わせの小説です。短編小説が6編詰まっています。本のタイトルと同じタイトルの短編が最後の1つで書き下ろしで1編ありますが、その他の5編は雑誌などに掲載されたものです。全ての小説に共通していたことは、主人公の男性は恋人や妻がいましたが、何らかの形、それは病気や自殺のような死であったり、別れであったりしますが、恋人や妻をある日突然失うというものでした。

そして、全てのパターンに共通していたことは、女性に本命(主人公が本命だとは限りませんが)以外に恋人や夫がいるのです。私は女性として、とても違和感を覚えました。この小説の男性の気持ちに共感できる部分は多少ありましたが、ほとんどの登場人物の女性に共感を覚えませんでした。途中から、もしかして私は性別は女だが、精神は男なのかと思ってしまったほどでした。

遺伝子的に見て男は浮気するもの。女は1つの愛を大事に育んでいくもの。と思っていましたが、どうやらこの本では真逆な感じです。要するに遺伝子を超えた何かが人間には存在するんだと思いました。男も女も浮気者は浮気者だし、色々な人が居て、決めつけはいけない。と改めて実感した本でした。