ドライブ・マイ・カー

これは観なきゃいけない映画でしょ!という事で観てきました。アカデミー賞国際長編映画賞を受賞しただけあって、3時間の長編映画です。村上春樹氏の小説の映画化なので言葉の1つ1つが繊細でした。でも全体的に言葉がない映像部分が多く、言葉で多くを語らないけど語り出したら繊細で深いという感じでした。物語は淡々と進み主人公もドライバーも寡黙だけれど、物語の節々に計り知れないエネルギーみたいなものも感じて、静と動、陰と陽が混同した物語です。

広島から北海道まで車で行くシーンがありますが、普通に考えたら車じゃ行かないよね。その距離・・・と思います。よほど体調が良くてテンション高くないと正気の沙汰とは思えぬ距離です。しかも主人公とドライバー両方とも寡黙なのにです。恋に盲目な恋人同士で話が尽きないなら分かりますが、そうでないのに、何の迷いもせずどちらも反対せずその距離をドライブします。それらのシーンも声もなくただただ車が道を通過するシーンなどが映像となります。静なのに動なのです。

主人公は理解力のある大人の男性ですが、その行動が良かったのか悪かったのか。相手がもし知っていたら相手にとってその理解ある行動はマイナスに働くのではないかと色々考えさせられます。3時間の割に発する言葉が少ないですが、1つ1つに重みのある言葉です。ボーっと見ていたら理解できないと思います。エネルギーがある時にじっくり観る事をお勧めします。