チャンス



ビジネススクールの友人に薦められて読みました。若くして独立した主人公がなかなか仕事がうまくいかないのですが、師(メンター)に出会い学び成長して事業にも成功するという話です。表紙を1枚めくった帯に「あなたは仕事で成功したいですか?それとも人生で成功したいですか?」と興味深いフレーズが書かれています。

この手の本は10年前くらいに嫌というほど読んだので読みやすかったですが、その中でも印象に残ったものを2つ紹介します。

まずは「経営は構えて、撃って、狙いを定める」というもの。
これは私もビジネススクールで学びましたが、普通は「構えて、狙って、撃ちます」でもビジネスでは「構えて、撃ってから、狙うのです」そう、ビジネスは何が起こるか分からない。そして世の中の環境は日々変わっているので過去のやり方が必ずしも成功するとは限らないです。だから、とりあえず撃ってみて(やってみて)色々軌道修正していく方が、一見効率が悪いように見えるけれど、一番早く成功にたどり着く方式だと言っています。世の中やってみないと本当の意味で分からないことばかりです。大枠の目標は決めてとりあえずやってみれば、問題も見えてくるし、必ず突破口もあるものです。ビジネスは才能ではなく、学びながら成長するものなのです。

そして「ネガティブであることも重要」ということ。
私はどちらかというとポジティブです。ただ、人より少し慎重です。ポジティブであることは必須であると感じネガティブな感情はできるだけ控えてきました。ネガティブな感情に襲われそうになったときは、できるだけそれをポジティブな感情に変えるように努力してきたほどです。ところがこの本ではネガティブであることも重要だと言っています。なぜなら、プラス思考に偏っていると問題に気が付かないことがあるそうです。もちろんマイナス思考に偏るのはもっといけないと思いますが、プラス思考にもマイナス思考にも偏っていないバランスが取れた状態でいることがベストだそうです。そうですね。ポジティブすぎて突然問題が生じるとあたふたしそうですが、あらかじめ問題意識を持ちながら行動すれば、素早く行動できそうです。なんかちょっと安心しました。

最後にこの本のメンターがささやく言葉で元気になるフレーズを紹介します。
「過去に起こった出来事も必要だから起こったし、これから起きることもすべて正しい道の上にある。どんなに不幸に感じる出来事でも、自分が超えられない壁は決してない。それは逆に言うと、少し努力すれば必ず越えられるようなものだということだ。もし避けて通ればまた何度も形を変えてやってくる。だが、努力してそれを乗り越え、その過程で十分学べば同じ壁はもう来ない。次には、もう少し高い壁が来て、その度に自分を成長させてくれる。そうやって自分が磨かれて高められていくんだ」
これはきっと起業家だけではなく、企業で働く人たちにも言えることですね。どうですか?覚悟はできましたか?