CFP(タックスプランニング)の勉強の仕方

タックスプランニングは税理士試験の所得税法・法人税法・消費税法をうんと簡単にした試験です。この中でも個人にアドバイスすることが多い所得税法の問題が一番多く出ます。税理士試験と違って理論問題は出ず、6科目の中でも計算問題が多いです。また、ほとんどが事例問題です。

私はこの科目は1番勉強しなかったので、あまりアドバイスはできませんが、全ての科目に関わっている科目なので、早めに勉強した方がいいと思います。

頻繁に出る問題は所得税については、金融に係る税金の知識、不動産所得(特に青色申告)に係る税金の知識、給与・退職金・年金に係る税金、譲渡所得(株、不動産、その他)、所得控除、税額控除などです。

法人税については、役員報酬・賞与・退職金、交際費や寄付金の損金不算入制度、経費になる税金・ならない税金、減価償却費、法人なり、損益分岐点などです。

消費税や住民税・事業税については基礎的知識で充分です。

試験範囲が広く、全ての科目に関連するので、早めに勉強した方がいいと思います。

CFP(リスクと保険)の勉強の仕方

この科目は、生命保険、損害保険、自動車保険、火災保険、地震保険、傷害保険などに関して個人のみならず法人が契約した場合の問題も出題されます。一般的に保険の知識のある保険会社の人は簡単なのではないでしょうか。

6科目の中で一番計算問題が少なく、保険の知識があった方が有利ですが、法人契約については仕訳や税金の問題も出題されています。法人契約の問題は簿記の知識があった方が分かりやすいと思います。難しい仕訳ではありませんが、簿記の知識が全くないと何のことやらさっぱり分からないという事にもなりかねません。

私は個人的に保険に関してはやや否定的でしたが、CFPのこの科目を勉強してからかなり考え方が変わりました。また、ビジネススクールでマネジメント・ゲームをやった時も、保険をかけているのと否とは結果に大きな差異が生まれました。何かあった時に保険をかけていないとそこで事業が危機的状態になりますが、保険をかけていれば、万一の時にはダメージを最小限に食い止められますし、何もなくても安心感につながりました。

事業を営むものにとってリスクを最小限に食い止めるための策は必ず必要といっていいでしょう。そういう意味でも為になる科目です。



浴衣6回目です。銀座の浴衣祭りにて・・・浴衣のネタがなくなったので、2回目に着たサーモンピンクの浴衣で帯を変えてみました。


CFP(ライフプランニング・リタイアメントプランニング)の勉強の仕方

ライフプランニング・リタイアメントプランニングは、生活する上で必要な知識、例えば教育資金、住宅取得資金、労働保険、医療・介護保険、年金、などについて出題されます。個人的にはこの科目がFPとしての要の科目だと思っています。

CFPが受かったことを言うと、「今、何に投資すればいいの?」と金融に関する事ばかり聞かれますが、本来のFPの業務はこの科目にあると思います。この科目が要になって、他の科目が付いてくるイメージです。

この科目は要だけあって、とても試験範囲が広いです。私はたまたま1回で受かりましたが、年金の算定などは計算が得意な人でも難解だと思います。試験範囲が広いので何とも言えませんが、以前FPカテゴリーでお話しした6つの係数はマスターしておく必要があります。しかもこの部分は答えが出るので点数を取りやすいです。

また、この科目は1級FPの試験対策としても一番近い科目です。この科目は特に真剣に勉強する必要があります。



今年2回目の浴衣です。浴衣は見ている方は涼しげですが、着ている方は暑いです。でも、日本の良き文化を感じますね。


CFP(不動産運用設計)の勉強の仕方

不動産運用設計は、不動産を資産としてみた場合の法律的な事柄、不動産の証券化、不動産を賃貸した場合の不動産所得の計算、不動産の投資利回り、不動産の価値評価、不動産売買関係、不動産関連法、不動産にかかる税金、不動産の有効利用などが出題され3割くらいが合格します。

試験の特徴は、宅地建物取引主任者と税理士と不動産鑑定士の初歩知識を集約したような試験です。不動産を持っている人には是非知ってもらいたい知識がテンコ盛りです。

登記簿の見方や鑑定評価・税金やデューデリジェンスなども知ることができるので、不動産を持っている人は特に興味を持つのではないでしょうか。

勉強して思ったことは、建築基準法や借地借家法などの法律部分は暗記部分が多く大変ですが、鑑定評価や不動産投資などの部分は計算が多く楽しいです。まず、計算を究め暗記すると勉強しやすいかもしれません。

CFP(金融資産運用設計)の勉強の仕方

金融資産運用設計は私が1番苦手意識を持った科目です。ただ、金融や証券系の会社にお勤めの方はむしろ得意な科目ではないでしょうか。

金融資産運用設計は、経済金融、金融商品(外貨建ても含む)、株式、債券(転換社債も含む)、デリバティブ、非課税貯蓄、ポートフォリオ理論などが出題されます。合格率は大体3割位です。

当初経済金融から勉強し始めると思いますが、過去問の経済金融を解いていると全く分からない問題が出てきます。私は日頃日経新聞を読んでいるので、この辺は解けないと・・・と思い、むきになって得意にしようと思いましたが、経済金融でハマってしまうと勉強は進みません。経済金融は軽く流す程度で、試験前に少し最新情報を見る位にした方が結果が良い気がします。

金融資産運用設計は計算問題が多く出題されます。2回目の受験で気が付いたのですが、金融資産運用設計は計算問題を究めれば何とかなります。しかも、他の4択ははっきり自信をもって回答できるものばかりではありませんが、計算ははっきりと解答が出るので、やりやすいのです。

計算は時間との戦いです。私も計算問題で金融資産運用設計が受かったと思っています。計算を究めるものは金融を究めるというのが特徴だと思います。

CFP科目の特徴


CFPを受験する際に何から受験したら良いかというのを聞かれます。今回はCFP受験科目の特徴についてお話したいと思います。

CFPの受験科目は全部で6科目、①金融資産運用設計(以下、金融という)、②不動産運用設計(以下、不動産という)、③ライフプランニング・リタイアメントプランニング(以下、ライフという)、④リスクと保険(以下、保険という)、⑤タックスプランニング(以下、タックスという)、⑥相続・事業承継(以下、相続という)です。

イメージ図は科目の関連性などをイメージしたものです。ライフとタックスは他の科目との関連性が高く、これは早めに勉強しておいた方が他の科目を勉強した時に楽だと思います。ライフとタックスは私のイメージですと、範囲が広いような気がします。

相続で最も関連するのはライフとタックスですが、不動産や保険も財産評価として大きく影響します。

一番独立している科目が金融です。

私は金融以外の分野は仕事に何かしらの関連があったので勉強しやすかったのですが、金融は一番関連性がなかったため、勉強しづらく一度に6科目勉強したときも、何故か苦手意識を持っていました。

CFPの資格は銀行・証券・保険会社などの金融業界の方が受験するのが一番多く、そのような業界の方にとっては一番馴染みやすいかもしれません。

ですから、大きな塊で見た場合、ライフとタックスは早めに勉強し、次に相続・不動産・保険を近いうちに勉強し、金融は最初でも最後でもいつでも可能といった感じです。

金融は計算を究めれば何とかなります。それに気がついたのは2回目の受験ですが・・・タックスは私の本業なので楽勝でしたが、違う業界の人は苦手意識を持つことが多いようです。また、私のイメージではライフは侮れないという感じです。たまたま一発で合格しましたが、資金係数等は面白いのですが、年金部分は頭が混乱します。

科目の特徴を把握して勉強すればきっと合格も早くなると思います。

CFPの勉強方法

CFPの取得のためにどのような勉強方法をとったのかお話します。私は資格取得を目指す時は、まず時間の確保から始めます。いわばその時間は半強制的に勉強する時間にしてしまうのです。そのため、学校に通うことにしました。土曜日や日曜日を丸一日使って行うことが多い講座で、私は平日の夜18時半から21時半まで1科目に付、週2回やるというT専門学校の講座に通うことにしました。1科目ずつ地道に学んで1科目ずつ取得するという方法もありましたが、私は半年間で6科目全てを学ぶという方法を選択しました。一度に受けてみて、駄目だったらそれはそれで、受験すればいいやと思ったのです。

週2日なら何とかなりましたが、2科目が重なる週が何回かあり、その時は週4回通いました。週4回だと流石に仕事の都合で通えない日が出てきました。それは、授業の録音テープのダビングと資料によりカバーしました。また、全ての授業のダビングが1回につき1回できたので、授業の出席の有無にかかわらず、全ての授業をダビングしておきました。

はっきり言って、学校に通っている間はあまり復習する時間がありませんでした。とりあえず、授業に出て内容を理解する程度だったと思います。自分の知識として定着させるにはある程度の練習が必要です。そのための練習時間、つまり勉強は移動時間などの隙間時間を利用しました。

授業が終了して、試験を受けるまで5週間ありました。その間に猛勉強しました。6科目もあるのに5週間しかないので、得意な2科目(タックスプランニングと相続・事業承継)は1週間で2科目復習し、残りの4科目は1週間1科目のペースで勉強しました。学校が終わっていたので、夜の時間を利用しました。そうして直前5週間猛勉強をして、6科目受験をし、6科目合格と言いたいところですが、実際は金融資産運用設計以外の5科目に合格して、金融資産運用設計については、その後半年、学校に通わずに独学して合格しました。独学の方法は、授業で録音していたテープをひたすら聞きました。しかも、普通に机に向かった聞くのではなく、通勤途中や移動途中にいかにも音楽を聴いているかのように聞くのです。半年前から、毎日通勤途中でテープを聞きました。3か月前から、金融資産運用設計で点数を取るのにかたいのは計算問題だということに気が付き、過去問全ての計算問題を解けるような勉強をしました。

6ヶ月後に金融資産運用設計を受験し合格しました。答え合わせをしたら、計算問題は全て合っていました。

CFP

CFPとは、Certified Financial Planner のことで、日本FP協会のホームページによると  「CFP資格は1992年に日本FP協会とCFPボード(米国)との業務提携により我が国に導入されたファイナンシャル・プランナーのプロフェッショナル資格です」 とあります。

試験科目は①金融資産運用設計 ②不動産運用設計 ③ライフプランニング・リタイアメントプランニング ④リスクと保険 ⑤タックスプランニング ⑥相続・事業承継設計 の6科目です。

6科目はバラバラに受験することができ、6科目全てに合格すれば、エントリー研修などを経てCFP登録することができます。

私は税理士のためAFPは簡単な資格取得試験で取得できますが、CFPは正規なルートでの試験でしたので、AFPをまともに勉強していない飛び級受験だったので大変でした。それでもかなり業務にかぶっていた部分が多く、楽しく勉強することができました。

CFP試験は春と秋の年2回あります。金融資産運用設計以外の5科目は2007年の秋の試験で一発合格しましたが、金融資産運用設計だけ落として、翌年の春の試験で合格しました。

CFP試験を受験しての感想は、兎に角ためになる!ということです。生活に必要なお金に関する知識が漏れなく勉強できます。日本はお金に関する勉強は何故か避ける傾向にありますが、こんな世の中だからこそ、お金に関する知識は必須だと思います。また、税理士試験のように過酷な試験ではありませんので、楽しみながら知識を吸収することができます。

税理士試験を経験して得たこと

税理士試験は真夏の暑い日に年1回行われます。これが駄目だと、また暑い夏に向けて勉強です。税理士試験勉強から得たことは知識はもちろんですが、1番大きいのが精神力です。もっと分かりやすく言うと、負けない気持ちです。

税理士試験の最後の科目に合格した時勤めていた税理士法人では、いきなり某金融系の不動産会社数社の税務担当にさせられ、今までの中小企業とは格段にレベルの高い質問を受け、こんなところの担当を果たしてできるだろうか。と悩んだ時もありました。その時、所長が言ったのです「君は難しい試験を何個もクリアしている。君には能力があるということだ。始めは戸惑うだろうが、分からない時は、その件については持ちかえって書面でご回答しますと言えばいいんだよ。そして調べて回答すれば、そのうち誠意が伝わるよ。」と・・・

私はそれを実行しました。そのうち、調べなくてもその場で回答できるまでになったのです。ですから、その経験は今でも貴重だったと思っています。

世の中には仕事からしか得られない経験というものがあります。その時、負けずに誠実に仕事をこなすという経験をしました。

それ以来ちょっとやそっとでは、負けない気持ちが育ちました。他人にも大らかな気持ちで接することができるようになりました。辛くて大変な経験は時として人の精神を大きく成長させるものだと思います。

税理士試験 モチベーションの維持

税理士試験は長丁場です。5科目一度に受験するという人は皆無でしょう。従って何年も受験を繰り返すことになります。始めは3年計画で、1年目は簿記論、財務諸表論を受けて、2年目は消費税と所得税を受けて、3年目は法人税と前年までに受からなかった科目を受験し、3年計画で税理士になろう。などという計画を立てます。ところが、それが無謀であったと1年から2年後に知ることになります。何年も受からなかったりするとモチベーションが一気に低下します。それで受験自体を止めていく人も何人も見ました。今回はモチベーションを維持しながら受験生活をどう乗り切ったのか、私なりにやったことをお話します。

科目合格は大体10%位の合格率なので、1割しか受からないんだと思うと、周りの受験生がみんなライバルに見えます。ところがそこが間違いです。受験勉強を始めると分かってきますが、最大のライバルは自分自身です。今週はここまでやろうと決めていたのに、仕事が忙しかったり何かしらの事情(体調であったり、家族の事であったり)によってできなかったことをその原因のせいにしてしまうことです。つまり、自分の中で言い訳を作ってしまう自分の心の弱さです。

時間は作るものです。少しでも勉強時間を確保して、その時間しかできないのであれば、人はもの凄くその時間に集中できます。私は受験勉強時代は仕事もしていましたが、遊びを全くやらなかったわけではありません。週末に遊ぶ計画を立てたのであれば自分の中で、金曜までにこれを終わらせると決めて実行し、週末は遊びました。飴と鞭生活をすることによって、時間の大切さとモチベーションの維持を心掛けました。

また、受験仲間はライバルではなく、モチベーションを維持するのに良い影響を与えました。模擬試験結果を良い意味で競ったり、スランプに入ると励まし合ったり、環境や年齢も違ったりする人が同じ勉強をしているというのは、仕事を通じて出会う利害関係が全くありませんから、とても仲良くなれるのです。私は税理士になってもうすぐ10年受験勉強時代を通じると15年以上経過していますが、今でも受験勉強時代の友人とは年2回位会食をします。仲間の中では今も受験勉強を続けている人もいるので、励ましたりもしています。

ほかにモチベーションの維持では、手帳を大いに利用しました。手帳の隙間に自分への応援のメッセージを記入したり、後ろの方のメモ欄に自分への手紙のようなものを書いたりしました。モチベーションが下がりかけた時、それらを読むことによって再度頑張ろうと思えました。そして、理論科目の勉強に入ってからは、覚えた理論を手帳に書いたりしました。週数問しか覚えられない時期は「問○○試験研究費の特別控除」のように問題番号と題名をフルで記入し、試験前で1日に何問も回せるようになったら、「問○○、問○○」のように問番号を記入しました。理論は最初の方は覚えても覚えても忘れるので、自分は1度は覚えたんだということを記入することによって、過去の勉強を見える化してゴールに近づいている自分を常にイメージし続けました。理論は覚えても忘れるもので何回転も覚え続けることによって、体にしみ込んでくるものである。というのが分かると理論を覚えても忘れてしまう自分に落胆せずにすみます。1回目より2回目、2回目より3回目に覚えなおしたときの方が確実に短い時間で覚えられているというものが実感できます。

そうやって、長期の受験勉強を乗り切りました。最後の科目の合格発表は平成12年12月12日(2000年)でしたが、その日の夜はやっと終わった。。とお風呂の中で1人で涙したのを今でも覚えています。