劇場版 TOKYO MER

いつも暇ですが、最近忙しいのでこんな映画を観てみました。これはドラマでもやっていたので馴染みがある方も多いのではと思います。1人も死者を出さないという使命の元、日々働いています。相変わらず熱く激しい映画でした。主人公の鈴木亮平氏が演じる喜多見チーフは医者としても完璧、リーダーとしても完璧です。ただ、ちょっと自己犠牲の部分があります。

それに対して厚生労働省から来ている賀来賢人氏が演じる音羽ドクターはちょっと冷たく厳しく冷静ですが、的確な判断をします。冷たいようで人を救いたいという熱い部分も芯には持っていて、外面と内面の差が何ともいい味を出しています。今日から俺は!の三橋を演じていたのとは別人のイケメンぷりを発揮しています。

今回は杏氏が演じる鴨居ドクターがまたいい味を出していて楽しめた映画でした。これを観ると私の忙しさなんてたかが知れている!人の命がかかっているわけでもないし!と自分の精神を落ち着かせる作用もあることに気が付きました。仕事が忙しい時に観ると逆にとても勇気がもらえる映画です。

AIRエア

伝説のシューズ、エアジョーダンが誕生するまでの実話を映画化したものです。1984年当時バスケットシューズのシュアは1位adidas、2位コンバース、そして市場規模17%のナイキです。当時ナイキのシューズは人気がなく、会社として有名バスケットボール選手に自社製品を履いてもらおうと、スポンサー契約に躍起になっています。予算がないナイキは25万ドルで3人の選手に履いてもらうという計画でしたが、ソニー氏はある選手に目を付けました。それが新人だったマイケル・ジョーダン。ただ、本人はadidasを第一希望としていて、その次にコンバースのシューズを希望しています。ナイキ社のソニー氏は25万ドルを3人ではなくマイケル・ジョーダン一人に絞り、秘策を打ち出します。

社内では全員反対。ソニー氏は孤立していきます。それでも自分の直感と信念を信じ実行しようとします。最後には会社全部を巻き込んで、オリジナル商品エア・ジョーダンを完成します。adidasは25万ドルと車を用意し、本人も第一希望としていると情報を掴んでいたのでスポンサー権利を獲得できなかったと思っていたのに何故獲得できたのか。これ以上書くとネタバレになるので書けませんが、要は行動の大事さを教えてくれる映画です。また、マイケル・ジョーダンのお母さんのマネジメント力は高く、多分お母さんがいなかったらマイケル・ジョーダンはadidasを選んでいたと思います。この母は、資金を得た後も慈善事業を設立したりして人間的にも尊敬できます。

「靴はただの靴だが、誰が履くかで意味を持つ」熱い映画でした。お勧めです。

湯道

最近仕事がバタバタしていたのであまり疲れない映画を観たいと思い、温泉好きな事から「湯道」を観に行きました。街の少なくなった銭湯のお話でした。温泉ではありませんが、そこには人々が湯を求めやってきます。それぞれ湯を通してのドラマがあり人生があります。銭湯を営んでいた父が亡くなり、それを継ぐ次男と長男との考え方の相違。銭湯に来る人々の銭湯への思いなどが絡み合って、それでも最後にはお風呂は最高!と思ってしまう映画でした。

銭湯の看板は開店している時は「わ」閉店したら「ぬ」の木札がかけられます。これどういう意味?と思いながら見ていましたら、映画の中で解説があり、「わ」は湯が沸く。「ぬ」は湯を抜くという意味でした。ほー納得!シリアスな部分(銭湯の今後の経営)とほっこりする部分(母と子が女湯と男湯に分かれて上を向いて歩こうをコーラスするシーン)とコミカルな部分(外国人の夫候補と義理父の掛け合い)など、が散りばめられていました。大きな事件とかはありませんが様々な小さな感情が沸き上がる映画でした。

シャイロックの子供たち

池井戸潤氏の小説を映画化したものです。池井戸氏の作品は映画を観る前に読んでしまっている作品が多かったのですが、この小説は読んでいなかったのでラッキーでした。最初に小説を読んでいると内容も分かるし自分自身が作った人物像のイメージがあるので、そのイメージとかなりかけ離れていたりするとちょっとがっかりしたりします。小説も映画も観ると二度おいしいという利点もありますが、映画を観る時、新鮮でないという欠点もあります。こちらは小説を読んでいない分新鮮でした。

池井戸氏の作品は銀行員が登場する小説が多いですが、これは銀行内部の事を描いているので作者的にはドストライクなのでしょうか。それにしても銀行内部は善人少数派でほぼ悪人の塊のような内容でした。銀行勤務時代何かあったのかと思わせるほど、悪人だらけでちょっと笑ってしまいました。また、銀行からお金が無くなった謎を探るというミステリーかと思いきや全て映画を観る側は分かっていて、登場人物だけが分からないという通常とは逆な攻め方をした映画でその点も斬新でした。

謎を解きながら観るというのがミステリーの醍醐味ですが、この映画は、裏は始めから明かしていて、お金を無くしたとされる営業マンと盗んだとされる窓口係だけが善人であとは悪人という一見悪人が実は善人で、善人とみられる人が悪人という、その部分が逆にミステリーなんだと思いました。ミステリーの見方を変えてくれた映画でした。小説もこのような作りになっているのかしら?と気になってしまい小説も読んでみたくなりました。

イチケイのカラス

以前ドラマでもやっていたイチケイのカラスを観てきました。冤罪を無くすために徹底的に調べ上げる刑事裁判官の入間みちおと、同じく正義感に溢れる合理主義者の元部下、他職経験制度で一時的に弁護士になっている坂間千鶴を中心に物語が展開します。全体的に法とは何か?という事を終始考えさせられるお話でした。

最後に入間みちおが言った「法は完璧じゃないけれど、その法を信じ向き合っていく・・・」の言葉を聞いて、税法も法の一つなので今後とも真摯に向き合っていこうと思いました。確かに税法も完璧ではありません。だからこそ、税理士が国に提言して少しでも良い制度になるようにしていかなければならないと思います。

この映画は、検事や弁護士、裁判官の話ですが、仕事に向き合う上で税理士にも共通することが多々あり、とても勉強になりました。映画の中では新たな登場人物である人権派弁護士の月本信吾も加わりスパイスが効いてさらに面白かったです。テレビ同様入間と坂間の掛け合いも相変わらず面白かったですが、頭でっかちで正義感に溢れる坂間千鶴と正義でありながら実務とのバランスも考えられる月本信吾の掛け合いも良かったです。

2022年 映画鑑賞

カテゴリー映画の12月は今年観て良かった映画BEST3を発表しています。今年もそんなに沢山の映画は観られませんでした。今年観た24本の中からの私の中のBEST3です。

第1位:トップガン・マーベリック
この映画は誰もが異議がないと思います。私も同じ映画を何回も観る事はないのですが、この映画は2回観てしまいました。2022年6月30日のブログに記載しています。もう1回観たいと思う映画です。

第2位:アバターウェイ・オブ・ウォーター
先週末に観たばかりの映画です。3Dで観ました。綺麗な映像美は勿論ですが、この映画を観て一番感じた事は人間は愚かだという事。他の生き物より少し頭が良いからといって、傲慢かつ平気で自然を破壊し暴力に訴え殺し合いをします。人間はもっとも弱い生物なのにです。人間以外の生物は皆自然と共存し、助け合いながら生きています。それを観てしまうと人間の傲慢さと浅はかさがとても目に付きます。前作品は森の中の背景で森の美しさにもうっとりしましたが、今回の作品は海の作品です。これもまた美しく、是非、3DやIMAXで観たい映画です。

第3位:コンフィデンスマンJP英雄編
3位は迷いました。ドライブマイカー、ベイビーブローカー、ジェラシックワールド、SING、アキラとあきら、沈黙のパレードと色々ありますが、見終わった時に一番スッキリするコンフィデンスマンJPにしました。この映画も2022.1.25に感想を書きましたが、まぁ騙されると覚悟して観た方が楽しめます。こんな作品を作ってしまって続編はどうなってしまうの?という映画でした。

今年も一年ブログを読んで下さりありがとうございました!
良い年をお迎えくださいませ。

ある男

亡くなった夫が、まったくの別人だったお話。夫が亡くなった時、疎遠だった夫の兄が法要に来た時、遺影を見て別人だと告げました。何故夫は本当の身分を告げず自分と結婚したのか、もしかしたら過去に犯罪を犯していたのか。前の夫の子供(男の子)と亡くなった夫の子供(女の子)を抱えながら、悶々とした日々を過ごします。そこから以前お世話になった弁護士に依頼して、亡き夫の身元調査をするお話。次第に真実が明らかになってきます。

結論から言えば夫は殺人などの罪は犯していませんでした。でも本来の戸籍を放棄したくなるような事情を抱えていました。誰にも言えなかった過去。愛する妻にも打ち明けなかった過去。何故連れ子の子供にあんなにも優しく接したのか。あんなに愛してくれたのか。表面には出しませんが心の中で深くなっていく闇というか思いがそれぞれの人に染み込んでいきます。

そして調べてくれた弁護士の葛藤。調べてくれた弁護士にも亡くなった夫のようなどうにもならないというか、本人は全く悪くはない事実があり、弁護士もこの調査にのめり込んでいきます。最後の最後での弁護士の選択が衝撃的でした。サラッと描かれていましたが、これって凄い事だよねと最後の最後にも驚きの展開の映画です。全体の動きとしては静ですが、心の中の思いはどんどん重く激しく動いていくお話でした。

沈黙のパレード

この映画は東野圭吾氏のご存知ガリレオシリーズの作品です。本も以前に出ていて、本の感想は2019年12月23日のブログに書いています。本を読んだ時、いずれは福山雅治氏の主演で映画になるだとうと予測していましたが、とうとう映画化されました。本で読んでいたので内容は大体把握していましたし、本のイメージと映画のイメージは一致していました。

結論も二転三転します。本で読んでいた時は二転三転し過ぎて頭が混乱しましたが、映像で見ると明確になり良かったです。やはり、本と映画両方を観ると相乗効果があってより理解が深まるし、別の意味で楽しめます。話が二転した時は絶望的な気持ちになりましたが三転して少し救われました。でも最初から明らかにされなかった方が良かったのでは?と思ってしまいます。容疑者Xの献身の時のような虚しさもあります。

アキラとあきら

御存じ池井戸潤氏の小説を映画化したものです。池井戸氏の作品は企業ドラマものが多く私も好きな作品だらけです。この小説は珍しく読んでいなったのですが、映画だけ観ました。感想は一言でいえば相変わらず面白かったです。銀行と企業の駆け引きのような部分も感じましたが、こんなに親身になってくれる銀行員もいるのか?いるなら会いたいとさえ思いました。物語の解決方法も高額なコンサルタントファームがやりそうな手法で銀行がここまでしてくれるのならコンサル会社は必要ないなと思うような解決方法でした。

映画の最初の方で新人研修で優秀な2チームが銀行側(貸すか貸さないかを判断)と企業側(借りられる書類を作る)に分かれて、対決するのですが、企業側が粉飾決算を行い、銀行側が見事それを見破るという展開でした。この粉飾決算に使われた手法が棚卸資産の割増し(他社所有の金型を自己所有棚卸として計上)と現金の過大計上でした。この結果だけ聞くと会計を知らない人は何が何だか分からないと思いますので説明すると、棚卸資産は多いほど売上原価が少なくなります。売上原価の計算は(期首棚卸高+当期仕入高-期末棚卸高)なので、本当は期首棚卸100億円+当期仕入高1,000億円-80億円だったとしたら、売上原価(費用)は1,020億円になります。でも期末の棚卸を多くして120億円と架空計上したとしたら、100億円+1,000億円-120億円で980億円になります。売上原価は費用項目ですから棚卸を架空計上するだけで利益が40億円増えることになります。利益が沢山出ているからお金貸してねと言うのです。

会計をちょっと知ってる人ならすぐ分かりますが、最後の物語の解決方法も会計を知っていれば、そうか!その手があったかーを唸るような手法でした。勿論会計を知らなくても、粉飾決算だったのかとかは分かるので充分楽しめます。でも会計を知っていればより深く楽しめるそんな映画でした。

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者

夏休みらしい映画を観てきました。もうリアルでリアルでどうやって作っているんだろうと想像していました。登場人物も過去のジュラシックパークシリーズに登場した人が総動員でとても楽しめました。最初から最後までハラハラでしたが、どのシーンを切り取ってもポスターになりそうなシーンが多かったと思います。そういった映像美というのをかなり意識している作品だと思います。

それと女性がみんな逞しい!年齢は様々な女性達ですが全員逞しく強いです。こんなに逞しい人が揃うのか?と思うほど逞しいですが、恐竜が身近に歩いている世界を考えるとこの位逞しくないと生き残れないのかなとも感じました。生きる!ってこういう事なのかもと考えてしまった作品でした。夏休みに観る映画として大人も子供も楽しめるかと思います。