マシュマロ・テスト

先月読んだ本の中からもう1つ実験を紹介します。スタンフォード大学の心理学者ウォルター・ミシェルは、4歳の子供たちにマシュマロをすぐに1個もらうか、15分待って2個もらうかを選ばせました。実験の説明をすると、子供の目の前にマシュマロ1個とベルを置いて部屋を出ていき、子供を一人にします。15分待てたら子供はマシュマロを2個もらえます。もし、待てなければベルを鳴らして食べてよいというルールです。

この実験では、待てなかった子供はマシュマロをじーっと見つめ、どんな味がするのかと想像していました。待てた子供は、マシュマロを見ないようにしていました。待てば2倍得するのに、つまり頭では理解しているのに目の前に報酬が置かれるとつい手を出してしまうというのは、人間の本能のようで、私たちの合理性には限界があるということです。これを限定合理性といいます。そして肝心なときに意志力が働かなくなるのです。これを限定意志力といいます。

このテストはこれだけではありません。この4歳児たちの10年後まで調査したのです。一番長く待てた子供たちは、10年後人気が高くて成績もよく、ストレスにもうまく対処しており、学力検査のスコアも高く、前頭前皮質の機能を測定する神経心理学のテストでも良い成績を収めたということです。

つまり、不愉快なことをいっとき我慢して、長期的な目標を達成することができるかどうかということ。この個人差によって、子供の時であれ、大人になってからであれ、人生が大きく左右されるということでした。

マイルの貯め方

先日、知り合いの先生と、どうやったらマイルが効率的に貯められるかという話をしました。その先生に「FPジャーナルにそのことを書いてくださいよ」と言われたのです。私は現在FPジャーナルの原稿を年間契約で書いていますがタックスプランニングに関連することしか書けないのです。マイルの貯め方はライフプランニングになると思います。だからブログに書くことにしました。




私は2012年4月から2013年3月までの1年間でマイルを約36,000マイル貯めました。その内、実際の飛行機で21,000マイル、その他で15,000マイル貯めています。飛行機以外のマイルについては、JALのクレジットカード、ワオン(イオン、ファミマ、ミニストップなど)が主なものです。クレジットカードは洋服などのプライベートなものは他のカードを使っていますので、そんなに多くはありません。ただ、JALのクレジットカードにはスイカをつけていて、自動入金システムにしています。これはスイカの残高が自分の決めたある一定額以下になると、自分が決めたある一定金額が改札などを通ると勝手に入金されるのです。これにより、スイカに現金で入金する手間も省け、かつ、入金された金額はクレジット決済になるので一石二鳥です。

そして、写真右下にあるワオンマイレージカードをJALで作ります。手数料はたまに無料になるので無料期間に作るといいでしょう。そのワオンを使ってイオン、ミニストップ、ファミマ、ビックカメラなどで買い物します。そうしますと、ワオンにポイントが付くのではなく、JALのマイレージのポイントが付くのです。

ファミリーマートを使うときは右上のTポイントカードと右下のワオンマイレージカードを併用します。Tポイントカードにポイントを付けてもらって、支払いをワオンにすれば、TポイントとJALのマイレージがダブルで付くことになります。

貯めたマイルは何に使うかというと、航空券に使うのが一番換金率が良いです。国内線ですと10,000マイル~20,000マイルで往復航空券が手に入ります。国際線ですと、ソウルで12,000マイル~15,000マイル、グアムで18,000マイル~20,000マイル、ハワイで35,000マイル~40,000マイル、ヨーロッパで45,000マイル~55,000マイルです。他にも物に代えたり、金券として使えたり、現金等価物に代えることも可能ですが、現金に近ければ近いほど換金率は悪くなります。大体10,000マイルで10,000円位になってしまいます。

私もそんなに無理をせず、年間36,000マイル貯めることができたので1年半くらい貯めればハワイやヨーロッパに行くことも可能ですよね。

医療法人の組織

先日、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏を聴いてきました。生オーケストラは久々でした。生オケと映画・CDなどと圧倒的に違うところは聴くといっても、耳からだけではなく、全身で、もっと詳しくいうと、内臓や毛穴から聴いているようなそんな感覚でした。全身でメロディを受け入れることを体感しました。

私は人がおこなった素晴らしいものを観ると、ここに至るまでこの人はどんな苦労や試練を乗り越えてきたのだろう・・・と想像してしまう癖があります。そして3年前に観た映画「のだめカンタービレ」で生オケの指揮者が言った一言「いくら苦しくても、気が遠くなるほどの孤独な戦いが待っていようとも、こんな喜びがあるから何度でも立ち向かおうと思えるんだ」というセリフを思い出し、涙が出そうになりました。。

とここまで読んで、これが何でカテゴリー医療法人に書かれているの?と思った人もいると思います。何が言いたかったのかというと、オーケストラの組織と医療法人の組織は似ていると思ったのです。病院はそれぞれ医師、看護師、技師、理学療法士、作業療法士、助産師、放射線技師、管理栄養士、薬剤師、介護福祉士など多くの国家資格者、つまり様々な専門家がそれぞれプライドを持って専門分野に特化して仕事をしています。オーケストラに似ていると思いませんか?

個での技術の向上もさることながら全体の和を大事にしているのがオーケストラです。一瞬音がなくなり、指揮者の指揮棒がふわっと丸い円を描いた瞬間、音がふわっと鳴り響くのを見たときは、まるで魔法を見ているようでした。

そう。個々の技術はとても大事です。でもそのような人々が全体でまとまって和を醸し出せたら、おそらく見ている人に感動が生まれるのです。医療法人もそう。一人一人の専門家が全体で和になったら、患者に感動が生まれるのです。

「捜査本部」というすごい仕組み



この本は知り合いの弁護士さんが書いた本です。折角なので読んでみました。著者は警察官を辞めて司法試験に挑戦し、現在は弁護士をしています。MBAも取得していますので、MBA理論を駆使した警察組織の組織論などを書いた本だと思って読み始めました。

ところが全く違う面白い本でした。私は多くの映画を観ます。「踊る大捜査線シリーズ」をはじめ「相棒シリーズ」「SPシリーズ」最近では「ストロベリーナイト」も観ました。以前某局のプロデューサーに聞いた話によると、職業でいうと警察もの、弁護士もの、医者もの、新聞記者ものは番組を作るうえで最も多い職業だそうです。確かに人の死と向かい合ったり、感情のもつれや人間の五感に訴える臨場感を作るには刺激的な職業です。その警察という内部事情を知るのにとても効果的な本です。警察というと、幼いころはお巡りさんという印象しかありません。そして大人になると警察庁と警視庁というのが存在し、キャリアとノンキャリアというのがあるということは知りますが、だからと言って知らないことだらけです。それを分かりやすく警察ってこういうところだよ。というのを教えてくれます。この知識を以前から知っていたら、もっと警察系映画を楽しめたのではなかっただろうか。と思ってしまうほどでした。

拳銃は重くそもそも片手などでは到底発砲できるはずはなく、身に着けているだけで腰に負担がきて腰痛持ちになることから、ニューナンブという重い拳銃からアルミ合金製のSAKURAという軽い拳銃になったことなど、外部者では全く知らない情報まで書かれています。節の最後の方になると著者のユーモアあふれる文体に少し笑ったりしてしまいます。

前半は警察組織について興味ある事項がみっしり書かれていて、後半になると事例を基にMBAの知識も駆使した理論や、最後の最後には大胆にも、警察内部の仲の悪い公安部と刑事部との組織展開のあり方の提言までしていてなかなか楽しめる本でした。

プラチナデータ

東野圭吾氏の小説を映画化したものです。東野氏の小説を映画化したものは殆ど観ています。映画化しても楽しめる内容になっているのが特徴です。私の感想はちょっとだけネタばれしていますので、映画を観てから読んで下さい。

主人公神楽龍平は警察庁の科学捜査機関に所属する天才科学者で、わずかな証拠から最先端のDNA捜査を行って犯人を特定します。国民のDNAを違法なやり方(例えば献血であったり、学校の検診であったり)で採取して全国民のDNAを採取できれば、検挙率100%冤罪率0%の社会が作れるとDNA法案を通そうと秘密裏に動いています。ところが、DNA捜査システムが導きたした犯人に自分が指定されます。身に覚えのない殺人の犯人にされそうになった主人公は逃亡し、真実を突き止めようとします

ここまでは予告などで公開されている内容ですね。この映画には3つの謎が隠されています。1つ目は、神楽龍平は実は二重人格者で自分と別人格のリュウが殺人をしたのか?という謎。2つ目は、主人公も知らないプラチナデータの秘密があり敢えて欠陥品にしたということ。何故?という謎。3つ目は、蓼科兄弟(プラチナデータを開発した兄妹)が殺される前に開発していたモーグルとは?蓼科兄弟が残したメッセージ「罪滅ぼし」には何の意味がある?

龍平は蓼科兄弟を殺していなかった。でも現場にDNAが残されていた理由。プラチナデータによって困る社会的地位のある人たちの陰謀。蓼科兄弟が言っていた罪滅ぼしの意味など映画で明らかになります。沢山の謎があるので観ていて飽きません。

映画の始めの方にDNAは全てを決める。性格や思考でさえもみたいなことを言います。私は確かにDNAで決まるものもあるけど、それ以上に慣習や想いみたいなもので決まることの方がむしろ多いよ!と心の中で反論しましたが、映画の最後の方でそう言った主人公が自らの過ち(DNAが全てを決めるのではない)を認める発言をしたのが印象的でした。

住宅ローンと補助金の受取り

4月というと日本ではスタートの月で最近では4月開始のスケジュール帳やカレンダーも売っていますね。ということで今回は心機一転住宅を購入して補助金を受け取った方の注意点についてお話します。

この話は住宅を借入金で購入して住宅ローン減税を受けようとしている方が該当しますので、合計所得金額が3,000万円超の方は住宅ローン減税がそもそも受けれませんので気にしなくても大丈夫です。

最近、太陽光発電システムなどが流行っていて、自宅新築の際に屋根にソーラーパネルをつけたりしています。自治体によっては補助金を助成していたりして、一石二鳥とばかりソーラーパネルを設置する方がいます。その時の税務上の注意点です。

例えば4,500万円の住宅を借入金4,000万円自己資金500万円で購入したとします。住宅価格に含まれる太陽光発電システムの価格が500万円以内であれば、自己資金以下なのでソーラーパネルを自己資金を優先的に使って取得したものとみなされ住宅ローン減税は全額使えることとなりますが、太陽光発電システムの価格が600万円だったら、500万円は自己資金で100万円は借入金で支払ったことになり、住宅ローン減税と補助金対象額とが二重受益を受けることになります。

国税はそこまで優しくなく、その場合、住宅ローン減税対象住宅借入金は4,000万円-100万円=3,900万円ということになります。要注意ですね。

暗記について

税理士試験を勉強している方は理論の暗記に苦しんでいると思います。私もそうでした。稀に暗記が得意だという人がいますが、そのような人に出会うと神様に見えてしまいます。私はずばり暗記は苦手で計算の力がなかったら決して税理士試験には手を出さなかったと思います。仕方なく覚えたという感じです。ですから、理論の暗記は人一倍苦労しました。

先日ちょっと暗記をしなくてはならない事項があって、久々に暗記をやろうとしたところ、その文章を見ると3分で眠くなってしまいました。これは、脳が慣れていないこの事項について拒絶反応(つまり、受け入れ拒否)をして眠くなる本能らしいです。

そのような時どうするか?声に出す。そして、体を動かしながらやる。というのが効果的です。そういえば、税理士試験の理論の暗記も通勤途中の道でブツブツつぶやき歩きながらやっていたっけ・・・と少しあの頃を思い出しました。また、誰かと一緒にやるのも効果的です。ぜひ、お試しあれ。

シロクマのリバウンド効果(皮肉なリバウンド効果)

今日は前回のブログでお話しした「スタンフォードの自分を変える教室」の中から、興味深い実験「シロクマのリバウンド効果」についてお話します。

みなさんは一日に何度シロクマの事を考えるでしょうか?考えることもあるけれど、ほとんど考えないという人が大多数だと思います。

ダニエル・ウェグナーという心理学の教授が行ったある実験で被験者に「これから5分間、シロクマのことを考えないでようにしてください」と指示します。他の事は何を考えてもいいけどシロクマの事だけは考えてはいけないという指示が出たのです。ところが考えてはいけないと思えば思うほど、シロクマのことばかり浮かんできてしまうという結果が出ました。

このことは、不安や憂鬱、ダイエット、依存症に関する最新の研究でも明らかになっていて、頭の中で考えるやらない力は全く効果を発揮しないということです。何かを考えないようにしようとすると、逆に強く意識してしまう。これを皮肉なリバウンド効果といいます。

ウェグナーは皮肉なリバウンド効果には皮肉な解毒剤を提案しています。それはあきらめることで、そのような感情をコントロールするのをあきらめるのです。そのためには思考を抑えつけず、行動だけ自制することが重要らしいです。そして禁止する(やらない力)のではなく、実行する(やる力)に変える。ダイエット中の人に太りそうな食べ物を禁止しても、だいたい16日で元の体重に戻るそうです。それより、何を食べるべきかに注目したほうが効果が出るということでした。

本当に心の平安を望み、自己コントロールを向上させたいなら、頭に浮かんでくる考えをコントロールすることは不可能だという事実を受け入れ、自分が何を信じ、何に従って行動するかを選択することが重要だということです。

スタンフォードの自分を変える教室



はじめに「誘惑や依存症に苦しんだり、物事を先延ばしにしたり、やる気が出なかったりして、困った経験のある方々(つまり、すべての人)に本書を捧げます。」とあります。そう、この本は自分の目標達成のためにやるべきことを何故途中で挫折してしまうのか。ということをあらゆる側面から検証しています。みんななりたい自分ややりたいことがあって、そのためには何をしたらよいかを考え実行しかけるも長続きせず挫折する。人間であれば誰しも体験することだと思います。

この本は「意志力」についてスタンフォード大学の超人気講義を日本語訳し本にしました。様々な角度から意志力について研究しており、そう言われるとそうだよな。と納得することばかりです。

ひとつ例にあげると、人は良いことをするとその逆の悪いこともしたくなるそうです。だから、ダイエットをしようと決意した人が数日間それを実行して、たまたま久しぶりに会う友達にケーキバイキングに誘われ、まぁ、今日だけはいままで頑張ったご褒美と山ほど食べてしまうのはごく当たり前の衝動だそうです。そう言えば、私も受験勉強中、勉強漬けになると、その反動で普通の人以上にアクティヴに遊んだような気がします。

自制心は筋肉に似ていて、怠けようと思えばいくらでも怠けることができ、鍛えることもできるそうです。様々な角度から考察しているので飽きずに読むことができます。

この本によると、出世も勉強も寿命も「意志力」が決めるそうですよ。10年後今より輝きたい方、是非読んでみて下さい。

売れないものには共通する「ない」ものがある

先日上記テーマのセミナーに参加しました。売れない商品は下記の何かがないといいます。

a 商品そのもの(機能)
b 価格(値ごろ感)
c 品質(質感)
d デザイン(感性)
e 売り方(マーケティング)
f 売る市場(アプローチ)
g提供企業と競合(バランス)
h 販売(物語性)
i 接客・流通(温かみ)
j 時期(タイミング)

商品そのものがあまり機能的にすぐれていなければ売れませんし、値ごろ感がなければ売れません。この値ごろ感というのは単に安ければいいのではなく、品質やデザインが優れていれば高くてもいいものと消費者が感じることが大事です。いくら素晴らしい商品でも誰も知らなければ売れないのでマーケティングも大事です。また、適切な市場にアピールすることが大切になってきます。競合会社は少ない方が売れますし、「どこどこ産の〇〇という生産者が無農薬で作りました」のような、物語性や温かみも必要でしょう。また、真夏にウールのセーターなどは売れませんので販売時期も売れる時期のちょっと前に商品が仕上がっていないといけません。

ここに書いてあることはごくあたり前のことですが、売れない商品の在庫を多くかかえている場合、上記を一つ一つ見直してみるときっと発見があります。