押印の必要性

最近、様々な書類の押印が必要なくなったという話を聞くと思います。そこで全ての書類について押印はいらないのでしょうか?という質問を受ける事があります。特に会社の議事録においてどうなのか?という質問です。そこで具体的な事例を挙げて説明します。

株主総会議事録:これは押印不要です。ただし、登記が絡む場合で株主総会議事録の添付が必要な場合は押印が必要です。代表取締役の登記の場合は議長及び出席取締役が実印で押印するか、代表取締役が会社の実印を押印して他の取締役は認印で押印します。

取締役会議事録:これは出席した取締役及び監査役が署名又は記名・押印します(会社法369条3項)
署名すれば押印の必要はありませんが、署名ではなく記名(パソコンなどであらかじめ印刷したもの)の場合は押印が必要です。登記の際に必要な書類になる場合は、署名ではなく、株主総会議事録と同じ実印押印もしくは代表者会社実印+認印が必要です。

合同会社の総社員の同意書:これは押印不要です。ただ、法令上は押印が不要であってもちゃんと会を行い同意したという証拠のためにも各社員が押印しておくのが望ましいです。

医療法人に関する情報の調査

東京税理士会から「医療法人に関する情報の調査及び分析等の実施に係る新制度について」という内容のメールが着ました。詳しくはこちら↓
https://www.tokyozeirishikai.or.jp/news/tax_accountant/detail/1838.html
今、全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案が成立されようとしています。これは医療法改正も絡んでいて、医療法人に収益及び費用その他の事項を都道府県知事に報告しなければならない。そして電磁的方法で行うというものです。もともと医療法人は決算後3ヶ月以内に事業報告書等を都道府県知事に提出する義務がありますが、ほとんど紙提出でした。簡単に言うと、紙だと統計を取ったりするのが大変なので電磁的方法で行えというものです。

資料2・資料3を見ると、内容も細かくなっていますね。資料2はこちらです。以前より内容が細かくなっているのが分かるかと思います。⇒資料2
令和5年8月決算から始まるのでもうすぐですね。事業報告書等は第三者も見る事ができるため、悪用されるケースもあるため、資料3の最後には、「医療法人の経営情報のデータベースを第三者へ提供する場合においても医療法人の競争上の利益等を保護することで、信頼と協力を得る事ができる仕組みとすべきであり、第三者に提供する場合には提供先で医療法人・医療機関が特定される形での公表がされない仕組みとする必要がある」と述べていますが、全くその通り。宜しくお願いいたします。

劇場版 TOKYO MER

いつも暇ですが、最近忙しいのでこんな映画を観てみました。これはドラマでもやっていたので馴染みがある方も多いのではと思います。1人も死者を出さないという使命の元、日々働いています。相変わらず熱く激しい映画でした。主人公の鈴木亮平氏が演じる喜多見チーフは医者としても完璧、リーダーとしても完璧です。ただ、ちょっと自己犠牲の部分があります。

それに対して厚生労働省から来ている賀来賢人氏が演じる音羽ドクターはちょっと冷たく厳しく冷静ですが、的確な判断をします。冷たいようで人を救いたいという熱い部分も芯には持っていて、外面と内面の差が何ともいい味を出しています。今日から俺は!の三橋を演じていたのとは別人のイケメンぷりを発揮しています。

今回は杏氏が演じる鴨居ドクターがまたいい味を出していて楽しめた映画でした。これを観ると私の忙しさなんてたかが知れている!人の命がかかっているわけでもないし!と自分の精神を落ち着かせる作用もあることに気が付きました。仕事が忙しい時に観ると逆にとても勇気がもらえる映画です。

汝、星のごとく

ご存知、今年の本屋大賞の大賞作品です。凪良ゆう氏の作品は、流浪の月を読んだ時、固定観念に囚われない家族の在り方などを考えさせられましたが、この作品もさらにバージョンアップして家族の在り方、夫婦の在り方などを考えさせられる作品でした。物語の核となるのは、田舎に住んでいるそれぞれ家庭に問題がある17歳の高校生男女の15年間の歳月です。それぞれが変わらず想い合っているのに、男女の考え方の相違や個の歩んできた考えの違いなど1つの事柄を違う角度から見た場合の感性の違いなど見事に描かれています。

周りにいる大人も様々でそれぞれが個性があり、ここに登場する人物の誰に一番共感するかでその人の感性がある程度分かるのではないかと思うほど、人物の作りが細やかでそれぞれが生きています。完璧な人物はいなく、それぞれが魅力と欠陥を抱えているところが人間臭く泥臭く生きているという感じがします。私個人的には瞳子さんと北原先生が好きですが、この作品を読んでそう答えるのは多数派ではないような気もします。

北原先生が提案した互助会の会員としての夫婦というのは何とも斬新で、でもとても建設的でお互いがピンチの時は全力で応援します。男女絡みの件でも100%味方です。普通の夫婦では有り得ないですが、始めから普通の夫婦としてのスタートではなく、互助会としての夫婦なのでできるのでしょう。個人的にはそうした夫婦の在り方も有りかなと思います。家族・夫婦の固定概念を考えさせられる物語でした。普通ではない場合、異質と捉われて世間から冷たい目で見られたりします。他人に迷惑をかけているわけではないのでいいじゃないか。私だけでもそういう考え方を支持したいと改めて思う物語でした。

インボイス制度注意点その2

インボイス制度が始まるに当たって早めに解決すべき注意点として下記が挙げられます。パソコン作成や手書きの請求書を出すところなら早急に対応できますが、スーパーなどのシステムを使っている場合は、改修等も必要になってくることから早めに対策する必要があります。下部の添付資料をご覧ください↓
インボイス端数処理
今現在は区分記載請求書方式なので、添付資料の左側のようなシステムを使っている事業者も多いと思います。これは個体の取引ごとに消費税の端数処理をして、その合算額が一番下の合計額に反映されています。ところがインボイス請求書ですと、添付資料の右側のように個体の取引ごとではなく、税率別に合算して端数処理します。ですから個別で端数処理する(左側)のと合計額で端数処理する(右側)では自ずと消費税額が違ってきます。

スーパーなどでは左側のシステムが多いと聞いたことがあります。自社のシステムを確認し早急に対応しなければなりません。インボイスをする事によって事務作業が増えるのは情報社会にとって時代に逆行しています。税理士業界では未だインボイス制度そのものに反対する税理士も多いですが、デジタル化は国際的にみても避けられないので、もっと税理士が積極的にこの制度に関わり使いやすいデジタルインボイス制度にしていくしかないと思います。インボイスといい、電子帳簿保存法といい、中途半端なデジタル化がかえって現場を混乱させて事務手数を増やしているという現実に向き合う必要があると思うのです。

御上取引

今、行政書士として医療法人設立認可申請を行っていますが、東京都の対応がお上対応過ぎて霹靂しています。設立認可申請は過去何件もやったことありますが、申請書類は持ち込み可能でした。ですから大きな書類を抱え、都庁に出向いていました。ところが今回は都庁には来るな(おそらくコロナ対策?)全て郵送でしかも書留で、かつ、必着でということです。仕方ないので1,000円以上もかけて大量の仮申請書類を書留で送りました。それから追加資料・修正依頼などは、以前はファックスでやり取りしました。その当時も今時メールじゃなくてファックスかよと思っていましたが、今回はそれより酷く、修正依頼はメールでくるものの、回答はメールではなく郵送で、しかも発着が分かる書留などで送り期日必着でというお上モードの回答です。

メールやファックスだと先方(今回は東京都)の印刷代がかかるからということですが、こちらの印刷代や高い郵送費用は考えてくれません。今、郵便局は発送が以前より遅くなりましたからそれも考慮して送らなければなりません。民間であればWinWinを考えて依頼します。それが全くお上モードです。次回の追加・修正依頼も25日の午後にメールが着て、5月8日必着です。月末は元々顧問先訪問などもあり時間もないし、ゴールデンウィークもあるのにゴールデンウィーク明け必着って滅茶苦茶です。つまり、ゴールデンウィークを返上して追加資料を作成して、信書郵送で送れということです。あまりにも横暴ですが、ゴールデンウィーク中にスタッフを出勤させるわけにはいかないし、ゴールデンウィークは仕方ないので前半は旅行を切り上げて仕事をし、後半は今更キャンセルするとキャンセル料が高いので、自費で帰りの便を朝一にします。お上のパワハラ攻撃に遭っているようです。でも顧客のために頑張ります。

ChatGPT

最近巷で騒がれているChatGPTですが、とうとう自治体でも活用され出しました。神奈川県横須賀市が業務に活用を開始しましたが、今の課題は個人情報の流出だそうです。また、イタリアではプライバシーに関する懸念を理由にして利用禁止にしています。日本では禁止になっていないので早速ですが利用してみました、ChatGPTに「チャットGPTを簡単に説明して」と聞くと下記の回答がありました。

ChatGPTは、OpenAIによって開発された大規模言語モデルの1つです。GPTは、Generative Pre-trained Transformerの略であり、自然言語処理タスクを行うためにトレーニングされたニューラルネットワークです。ChatGPTは、多数のオンライン文章を学習して、自然な対話や文章生成を行うことができます。 これにより、ユーザーがChatGPTと対話することで、自然な言語による応答を得ることができます。ChatGPTは、様々な用途に活用されており、例えば、カスタマーサポートや人工無脳として使用される場合があります。

どうでしょう。なかなかスムーズな日本語ですよね。今までもスマホで「Hey!Siri」や「アレクサ」などは音声認識での人工知能的なものはありましたが、ChatGPTは音声ではありませんが文章でかなり精密に答えてくれるので、今後様々な場所や職業で利用されそうです。もしかしたら10年後はこの世の中は様変わりしているかもしれません。楽しみなような怖いような・・・見守っていきましょう。

AIRエア

伝説のシューズ、エアジョーダンが誕生するまでの実話を映画化したものです。1984年当時バスケットシューズのシュアは1位adidas、2位コンバース、そして市場規模17%のナイキです。当時ナイキのシューズは人気がなく、会社として有名バスケットボール選手に自社製品を履いてもらおうと、スポンサー契約に躍起になっています。予算がないナイキは25万ドルで3人の選手に履いてもらうという計画でしたが、ソニー氏はある選手に目を付けました。それが新人だったマイケル・ジョーダン。ただ、本人はadidasを第一希望としていて、その次にコンバースのシューズを希望しています。ナイキ社のソニー氏は25万ドルを3人ではなくマイケル・ジョーダン一人に絞り、秘策を打ち出します。

社内では全員反対。ソニー氏は孤立していきます。それでも自分の直感と信念を信じ実行しようとします。最後には会社全部を巻き込んで、オリジナル商品エア・ジョーダンを完成します。adidasは25万ドルと車を用意し、本人も第一希望としていると情報を掴んでいたのでスポンサー権利を獲得できなかったと思っていたのに何故獲得できたのか。これ以上書くとネタバレになるので書けませんが、要は行動の大事さを教えてくれる映画です。また、マイケル・ジョーダンのお母さんのマネジメント力は高く、多分お母さんがいなかったらマイケル・ジョーダンはadidasを選んでいたと思います。この母は、資金を得た後も慈善事業を設立したりして人間的にも尊敬できます。

「靴はただの靴だが、誰が履くかで意味を持つ」熱い映画でした。お勧めです。

ミランコビッチ理論

本を読んでミランコビッチ理論に興味を持ったので調べてみました。ミランコビッチ理論とは、セルビアの地球物理学者であるミルティン・ミラコビッチ氏が発見した理論で、ミランコビッチ・サイクルとも呼ばれ、地球の気候は地球軌道の変化で繰り返されるという理論の事です。これには3つの要素があり、その組み合わせによって気候が変化します。

1つ目は離心率の変化で、地球は太陽の周りをまわっていますが常に円状に周っているのではなく、10万年をかけて円が横に伸びた楕円になりまた円に戻ります。円に近い回転の時と楕円の時だと、その距離は最大で1827万㎞も変わるので、太陽から一番離れた時は氷期になります。氷期のサイクルは10万年毎に訪れます。

2つ目は地軸の傾きの変化で、地球の地軸(地球儀で言う中心の棒の角度)は21.5度から24.5度の角度で定期的に変化しています。その周期は4.1万年となります。この地軸の傾きは季節差に影響を与えます。地軸の傾きが大きいほど季節差が激しくなります。

3つ目は、地軸の歳差運動の変化です。地球の自転軸の向きは公転しながら周期的に変化していて、コマの首振り運動のような動きをします。これは地球をコマに例えるとコマが止まりそうなときに頭の部分がぶれるような動きをします。そのような動きを地球もするのです。その周期は2.6万年毎に変化します。

この3要素が気候の変化に影響を与えますが、実際には他の要因もあるため単純にはいきません。太陽だけではなく月の引力による海水の干満作用によって海水と海底との摩擦で地球の自転速度が減速したりします。ただ、ぴったりとはいかないがそのような周期で地球の気候に影響をもたらすという意味で大いなる発見だということです。

人類と気候の10万年史

とても興味深いテーマの本でした。地質学の研究者である著者が自ら行った地質研究から過去の気候の変化を見つけて未来を予測するという壮大なテーマの本です。人間の寿命は約80年長くても100年です。それを何万年前の気候の状態を地道な研究によって明らかにしていきます。これは間違いなく読んでおいた方が良い本です。

過去の気候は何万年前ベースで見ると、寒冷期と温暖期を繰り返していて、寒冷期に多くの生物が命を失っています。寒冷期の直前、つまり温暖期の最後には激しい気候変動が起こっているという事実。それらを導く研究は福井県の水月湖という湖の土(年縞)を掘削し、毎年0.7㎜づつ溜まる土を分析して、その中の花粉の量などからその時代が杉の花粉が多かったら温暖期、ブナの花粉が多かったら寒冷期などと分析します。花粉は何にも溶けず何万年も存在する物質ということにもビックリしました。花粉だけではなく堆積物の内容によってその年は雨が多かったとかその内容は様々な要因が存在しその研究結果が多く書かれています。

地球の公転軌道は完全な円ではなく、楕円と円を10万年単位で繰り返すというミランコビッチ理論にも興味がでました。また、日本の水月湖は世界基準になるくらいの過去の良質な年縞が採取できます。例えば生き物が多く存在する海だとか、流れがある川などは綺麗な年縞が採取できません。湖だったら良いのかというとそうでもなく、良質な年縞を採取するには様々な条件があり、それをクリアしたのが水月湖です。そんな世界基準な湖が日本にあるというのも誇りですし、いつかその近くの博物館にも行ってみたいと思いました。