出たばかりの新書「いただきます」をaudubleで聞きました。19歳の何もやる気のない青年が割の良い仕事をお金のためだけに働き、仕事を転々としていましたが、ある日守衛室に勤務することになり、そこで一緒に働くおじいさんやおじさん達を通じて、成長していく姿が描かれています。最近ありがちなコスパが良い仕事を求める若者が人生の経験者たちにふれ考え方が次第に変わっていきます。
この本、今の若者に読んでほしいなと強く思いました。若者でなくても人生に迷っている人たちに読んでもらえたら目の前がパッと明るくなる本だと思います。特に仕事に対するくだりの部分で、本当に人生をかける仕事なんてぱっと現れるものではなく、なんでも誰でも出来る仕事から始まります。何の仕事でも始めは雑用です。守衛室などは誰でもできると考えられていますが、誰でも出来る仕事ほどやった人によって結果の違いがでてきます。その平均よりはみ出て出っ張ったところがその人の能力であり、それが溜まってくると凄い力になるということ。こんな考え方あるんだと感心しました。
また、人は成長するとき他の人や物から見えない何かをいただいていて、それで成長しています。魚一つ食べるにしても魚の命をもらって生かしてもらっています。魚だってどうしようもない人に食べられるより、立派な人の血や肉になった方が命を落とした甲斐があるというものです。私たちは魚の命をいただいて生きている。いただきますという言葉には深い意味があるということ。そして年配になったら自分が経験したためになる教えを誰かにあげるようにして人とのつながりが循環していくのかと壮大な考えも教えてもらえます。良本です。