自己株式の売買

カテゴリー税務では最近、中小企業の株式を中心に株の売買等があった場合の様々なケースについてお話してきました。今回はそのA会社の株式をそのA会社が買い取った場合について考えていきます。A会社の株をA会社が買うという行為を自己株式の取得といいます。その場合その取引は売買取引ではなく、資本等取引となり、譲渡益等を把握する必要はありません。(低額譲受による受贈益も認識しません)

売主は株式の譲渡益に対する課税のほかに、みなし配当の課税もあります。この場合にはその配当について源泉所得税を徴収する必要があります。ただし、相続によって取得した株式を相続税の申告期限から3年以内に発行会社に譲渡した場合には、みなし配当課税がありません。これは譲渡所得になります。

A株式会社の発行した株式をA株式会社が買う行為を自己株式の取得といいますが、では誰がその株を売ったのかというとA株式会社の株主ですね。その株主が法人か個人かによって注意点が異なります。個人株主が売った場合はみなし譲渡所得課税(所法59)に留意しなければなりません。この件は前回の税務のブログを見てください。法人株主が売った場合には、低額譲渡による寄付金認定に注意しなければなりません。

いずれの場合もその時価は、売買実例があれば実例価格によって、なければ所得税基本通達59-6または法人税法基本通達9-1-14によって時価を算定します。

軍艦島(端島hashima)

冬休みに、2015年に世界遺産となった軍艦島に行ってきました。軍艦島は島を海から見るとその姿が軍艦に似ていることから軍艦島という名前で知られるようになりましたが、正式名称は端島です。

明治時代に端島での炭鉱が始まりました。明治23年に所有権が三菱財閥に移りその後100年以上にわたり三菱財閥の私有地になり炭鉱産業が発展しました。昭和35年にはこの島に5000人以上の人が住み、人口密度は世界ナンバーワン、大正5年には日本初の鉄筋コンクリート造りの集合住宅が建設されました。この島の中に、神社・小学校などの教育機関・病院・スーパー・パチンコなどの娯楽設備まであり、当時としては日本で一番進んだ町でした。日本全国テレビ普及率が10%の時代にも軍艦島のテレビ普及率はほぼ100%の最先端の島だったのです。政府のエネルギー政策が石炭から石油に代わり昭和49年閉山しました。

現在は廃墟です。バイオハザードの舞台になりそうなほどの・・・この光と影を目の当たりにして私の頭の中には、何故か平家物語の冒頭「祇園精舎の鐘の声~」というフレーズが鳴り響きました。産業の変化はもの凄いものですね。皆さんはあと12年後に訪れる第四次産業革命の心の準備できていますか?

人工知能と経済の未来

最近、人工知能(AI)の技術が発達し、10年後に無くなる職業などがインターネットなどでも話題になっていますね。そこで新年早々未来を少し覗いてみようと思い、こちらの本を読みました。

すでに10年後には私の仕事に関係のある会計入力業務などは仕事がなくなると言われていますが、この本は2030年の予測、つまり、12年後の予測をしています。私の予想では、この仕事は残ってこの仕事は無くなるみたいな内容だと思っていましたが、全く違うことが書いてありました。この本によると人間がやっている殆どの仕事9割位が無くなるそうです。人間に残る仕事は新しい技術の研究や新商品を開発するようなクリエイティブな仕事。マネージメントやホスピタリィに関わる仕事も残される可能性があるそうです。

第四次産業革命は、生産活動が純粋に機械化され、労働の必要がなくなりAIやロボットなどの機械のみが直接的な生産活動を担うそうです。これは2030年ころから進展し、2045年くらいにはおよその純粋機械化経済の形を作り上げるようになるそうです。この本を読む前は税理士業はそもそも存続するのかどうかが気になっていましたが、この本に書かれていることはそんなレベルの話ではなく、殆どの仕事が無くなると予言しているのですから本当にびっくりしました。

9割の仕事がなくなった場合の収入源はどうなるのか?クーポン型市場社会主義の可能性があると言っています。今の生活保護のようにある基準を満たした場合のみ国庫から金銭が配布されるのではなく、1人に定額の金品、例えばはじめに政府がすべての成年市民に一定数のクーポンなりバウチャーなりを配布してそれを正規の通貨ではなくクーポンで価格表示されている企業の株式の購入に用います。そこから配当をもらい生活するというもの・・・つまり、全国民がどこかのロボット企業の株を得ることになります。つまり資本家を撲滅させるのではなく国民全員が強制的に資本家(株主)になり資本家をやめることはできず、死亡時にクーポン株式は国庫に返還されるというもの。

想像以上にインパクトのある内容でした。そうすると、私の仕事も短くて12年、長くても27年ですね。生涯現役を目指している私としては、あと12年というと短いような気がしますが、産業は50年くらいで歴史的にも変化しているので仕方ないといえば仕方ないですね。

謹賀新年 2018年

明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願い申し上げます。今年のお正月はよく晴れていますがとても寒かったですね。私はかなり着込んでブクブクになりながらも着物を着て初詣に行きました。着物を着るのはかなり面倒ですが、一度着てしまえばテンションがあがります。不思議ですね。

今これを書いている最中に久々に緊急地震速報が鳴りました。事務所の同じ部屋で3人で仕事していましたが全員の携帯電話が鳴ったので本当にびっくりしました。そんな時どうすればよいのか?とりあえず、水の確保とトイレの確保でそこにつながるドアを開けっぱなしにしました。今のところ地震らしきものはありません。

東日本大震災の時もこんな感じでしたが直ぐに地震がきました。それを思い出しちょっと不安な気持ちになりました。
今年の日本も平和でありますよう!

2017年 映画鑑賞

毎年12月のカテゴリー映画のブログは、今年観た映画BEST3を発表しています。私が私の視点で発表しているのでどうかとは思いますが・・・

1位:SING
こちらは2017年3月30日のブログに感想を書いていますが、大スクリーンで観るに相応しい映画でした。耳にいつまでもメロディーが残りサントラ盤を買ってしまったほどです。

2位:22年目の告白
今年は2位以下の順位が拮抗していて、美女と野獣 ラ・ラ・ランド 3度目の殺人 ギフト 家族はつらいよ2 君の膵臓を食べたい オリエント急行殺人事件などが頭に浮かびましたが、やはり印象が残ったという点で22年目の告白ですね。こちらは2017年7月3日のブログに感想をかいています。また、予想外の展開にどんどん中に引き込まれるそんな映画でした。

3位:家族はつらいよ2
こちらの感想は2017年6月8日のブログに書いています。東京税理士会がスポンサーをしているから選んだわけではありませんが、家族って面倒くさい。でも何だかんだ言ってやっぱり家族っていいなぁと思える映画でした

今年は30本の映画を見ました。毎年50本近く観ていましたが、なぜか忙しく今年は30本しか観れませんでした。でも、隙間時間があれば来年も最低でもこのくらいは見たいと思っています。
皆様、今年もブログを見ていただきありがとうございました。よいお年を・・・

ビットコイン2

ビットコインについては、2016年6月14日のブログにも書いていますが、あの頃は、ビットコインは振込手数料などや時間が節約できる便利な通貨的意味合いでしたが、最近なんだかその頃とは別の投資としての風潮が強まってきました。ここにきてビットコインの価値は急上昇しているらしいです。そして以前は中国人の購入者が多かったのが今年になってから日本人の購入者が増えているとか・・・

以前はビットコインから生じる利益は税務上どうなるのか?というのが問題になっていましたが、国税庁が正式に雑所得になると発表しました。
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1524.htm
今さら投資するのは危険ですね。ビットコインの本来の価値がどこにあるのかよく確認しましょう。その価値に比例せず大幅に上昇するのはかなり危険です。ご注意を・・・

安藤忠雄展

国立新美術館で開催されている安藤忠雄展に週末に滑り込みで行ってきました。このポスターにある光の教会は今回の展示会の目玉として有名です。順を追って安藤忠雄氏の歩みなどがよく分かります。私の顧問先にも設計士が何人かいますが、私にとっても設計の仕事というのは無の状態から何かを目に見える形で作り上げることからとても興味がありました。

安藤忠雄氏は光と風と自然を大事にします。シンプルな中にもちょっとしたこだわりがあり、光や風や水などを大事に設計します。なんて安らぐんだろう。こんな空間に身を置けたらどんなにリラックスできるだろう。そんな風に思いました。光の教会を見た後くらいまでは・・・

順路を進めていくと、なんと壮大なこれが人間が考え付くものか?と次第に私の想像する設計という枠から大きくはみ出して作品が作り出されてきます。例えば、全く建物が見えない、つまり地下に掘った形で建物?を作ったり、大仏の周りに大仏を囲む形でラベンダー畑の山を作って、遠くから見えるのは大仏の頭の部分だけだったり、映画のCGで作ったような迷路のような宇宙ステーションのような建物であったり、大きな建物の中に玉子のような球体を入れ込んだ建物であったり、これどうなっているんだ??という構造物の数々。それは世界的に有名な数学学者の頭の中を覗いているようなそんな感覚になっていきます。夢の中やCGなどで作り出したような建物です。でも、これを実際つくってしまうんだよな。というところに安藤忠雄氏の偉大さを感じずにはいられない展覧会でした。

安藤忠雄氏は開業して10年くらいは仕事があまりなくそれでも個人の住宅などを中心に設計をしていました。どうしたら依頼者の希望に応えられる設計ができるか?それは自分にとっても挑戦だったと言います。初めから素人には到底理解できない凄い設計だったのではなく、常に挑戦し続けることで今ではあんな風になったんだと思います。安藤氏は開業して48年経ちます。その半世紀は常に挑戦だったと言っていました。私は税理士になってまだ17年、そろそろベテランの域に達してきたと思っていましたが、安藤忠雄展に行って、私なんてまだまだだ!と思いました。私も今の状態に甘んじることなく常に挑戦する気持ちを忘れないようにしようと誓った展覧会でした。

地域医療連携推進法人の議決権

地域医療連携推進法人とは、医療連携推進業務を行う事を主たる目的としています。これはグループ間で共同仕入れしたり、連携医療をしたり、ベッド融通もできますし、金融貸し借りもできます。地域医療連携推進法人はこれらの所謂面倒なことを一括して担う法人ですが、法人形態は一般社団法人で設立しなければなりません。

社員になることができるぶら下がり組織は医療法人のほか、公益法人やNPO法人も可能です。ただし、株式会社は配当ができることから介護認定を受けている株式会社であっても社員になることはできません。個人クリニックの開業医などが社員として参加する場合には、クリニックの組織としてではなく個人開業医が個人として社員になります。

通常の医療法人については1人1票の議決権ですが、地域医療連携推進法人は社員1人1票でなくても構いません。ただし、不当に差別的な取り扱いでないことが必要で、定款にその差異を定める必要があります。定款に定めるときは医療審議会の審議となりますので、そこで差別的な取り扱いがされていないか審議されます。基本的に提供した金銭に応じて異なる取扱いをしたりするのはダメであくまでも収入規模や組織運営上の活動による差異である必要があります。

非上場株式の譲渡

売主:個人/買主:個人の場合
売主は売った金額(収入金額)から株式の取得価額及び譲渡費用を控除した金額が譲渡所得として所得税が課税されます。
買主は、低額譲渡があった場合のみ受贈益が贈与税の課税対象となります。その場合の時価は相続税評価額となります。

売主:個人/買主:法人の場合
この場合の時価は所得税法59条(みなし譲渡)における株式の時価(所得税法基本通達59-6)となります。
①個人が中心的株主である場合・・・同族会社の判定は譲渡直前の議決権の数で判定します。会社規模は常に小会社として評価し、土地及び上場有価証券は譲渡時の時価(相続税評価額ではない)で評価します。純資産価格の計算における評価益に対する法人税等を控除しません。なお、実務上は時価については相続税評価額÷0.8で差し支えません。
②個人が非同族株主である場合・・・相続税評価額(配当還元価額)で評価してよい。

売主:法人/買主:法人の場合
資産の評価替えによる評価損の損金算入における評価損の計上を行う場合の期末時価の算定(法人税法基本通達9-1-14)によります。
①売主が中心的同族株主である場合・・・会社規模は常に小会社として評価し、土地及び上場有価証券は直前期ではなく、譲渡が行われた事業年度末日の時価(相続税評価額ではない)で評価します。実務的には、相続税評価額÷0.8で差し支えませんが、評価益に対する法人税等は控除しません。
②非同族株主である場合:配当還元価額(相続税評価額)

売主:法人/買主:個人の場合
売主は法人税基本通達9-1-14の時価で判断します。
買主は所得税法基本通達59-6で判断し、これにより算定した金額が実際の売買金額より高い場合には、その金額から取引金額を控除した金額が受贈益となり一時所得として所得税が課税されます。

相続診断士

相続診断士試験が受かったので、先日、相続診断士のシンポジウムに参加しました。12月1日は笑顔相続の日らしく、相続診断士として活躍している方の話のほか、落語も聞きました。私の中ではその落語が一番面白かったです。

ご存じ相続税は基礎控除が少なくなったとはいえ、実際相続税がかかるのは国民の8%くらいです。ところが相続は100%やってきます。相続がきっかけで仲の良かった兄弟に亀裂が入ることだって十分あるのです。実は相続資産5000万円以下の方による紛争の割合は74%だそうです。相続税がかからないくらいが一番トラブルが多いのです。相続税がかかると分かっていればある程度何かしらの準備もしている場合もありますが、もともと大した資産がない人の方が実は争いが多いのです。

相続税がかかれば税理士、揉めれば弁護士、でも揉めないように事前に何とかしておくのが相続診断士らしいです。実際親と子供だけでこのことを話すのはちょっと気まずいですよね。でも第3者である相続診断士に中に入ってもらう事で明るい相続、つまり笑顔相続を目指すのが相続診断士のようです。