今年もお世話になりました

皆さんは今年はどんな年だったでしょうか?私は仕事や引っ越しで本当に忙しい年でした。ちょっとやり方変えないとなと本気で思っています。削るものを削るか。誰かに助けてもらうかしないと来年も同じような1年になってしまうのではないかと不安です。お正月に色々考えてみます。来年は午年。飛翔の年です。皆様も良いお年をお迎えください。

日本税務会計学会2

11月18日の日本税務会計学会研究報告会の続きです。第2部は中小企業税制の在り方でした。ここでも中小企業の税制の在り方について様々な税理士たちの研究が発表されました。日本の企業の99.7%は中小企業です。中小企業の特例のような税制は数々ございます。それらの税制について、適正か否かなどを討論しています。これらの発表を聞いてすっかり自己嫌悪に陥ってしまいました。ここ1~2年くらい忙しく私はというと目の前にある仕事をこなすのに精いっぱいでまったく自己研鑽をすることなく過ごしていました。こんなんじゃダメだなぁと思いました。以前の私はもっと自己研鑽の時間を持てたはず。生活改善が必要です。

AI税務調査

最近AI税務調査という言葉を頻繁に聞くようになりました。これは国税庁が税務調査などに人工知能(AI)を活用することです。これは過去に申告漏れがあった事例をAIに学習させ、申告書の不備が多かった事例を基に対象先を選定し、税務調査するというものです。税務調査自体が変わったというより、税務調査の対象先をAIに選ばせて調査対象を絞り込む感じです。その結果、所得税の申告漏れの追徴税額が1398憶円になり過去最多になりました。また、相続税についても2025年夏からAIによるリスクスコア判定を導入し、所得税と同様に過去の申告誤りの傾向を分析して申告漏れ等が生じている可能性をAIによってスコア化して対象者を絞り込むというものです。

凄い世の中になったと思いますが、真面目に申告している人からすれば至極当然な事だと思います。これで脱税が減れば国としても、真面目に申告している人にとっても良いですね。正直者が馬鹿を見る世の中になってはいけないのでこれは仕方ない措置かと思います。また、令和8年9月には国税総合管理(KSK)システムが次世代システム(KSK2)に完全移行されます。さらに研ぎ澄まされるということですね。税務調査に立ち会う税理士としては、やり過ぎずほどほどにお願いしますと言いたいです。

防衛特別法人税

こちら令和7年の税制改正で創設された税金です。〇〇法人税というくらいですので、法人に課税されます。ただ、その事業年度の基準法人税額(所得税額控除をする前の法人税額)が500万円以下であるときは課税されません。算式は下記の通りです。

(基準法人税額-年500万))×4%です。つまり法人税額が500万円以上払うような会社でないと課税されないということになります。資本金1億円以下の中小企業の場合、所得ベースでは2,440万円くらいの利益がでていないと支払いが生じません。該当しそうな法人は早めに対策必要です。令和8年4月1日以後開始の事業年度より適用になります。

万博の入場券の税務

何かと話題になっている大阪万博ですが、法人が万博の入場券を購入し、これを販売促進の目的で取引先にあげる場合、交際費ではなく、販売促進費等(つまり全額損金)で処理できます。普通に考えると交際費なような気がしますが、国税庁が損金経理を認めています。あくまでの入場券のみですが・・・支払った側の法人は、販売促進費/現金預金 で処理しますが、受け取った側はどう処理するのかというと、福利厚生費等/雑収入などとして処理します。

また、取引先からではなく、その法人が従業員の福利厚生目的で入場券を購入した場合も、全従業員を対象にしている場合には、従業員の家族分も含めて福利厚生費として認めてくれるようです。自社社員の福利厚生費の時は入場券だけではなく、交際費や宿泊費も認めるというなんと太っ腹な通知です。国全体で押している感じです。消費税も切手等と同じで使用した時に仕入れ税額控除の適用を受けることができます。

詳しくはこちら
https://www.nta.go.jp/law/bunshokaito/hojin/050707/04.htm

住民税定額減税

住民税の定額減税は昨年行われた制度です。年収制限がありましたが、一人に付き所得税3万円と住民税1万円を減税しようというものです。住民税は本来翌年に課税される税金ですが、前年2023年の所得を基に予想で引かれました。控除対象配偶者や所得のない子供などがいればその分減税されます。(扶養配偶者と子供2人)の場合、本人分も含めて所得税3万円×4人=12万円、住民税1万円×4万円=4万円が減税されました。所得税については年末調整で控除して還付されました。

年末調整で所得税0円になってもまだ減税額がある場合、住民税も本来徴収するべき税金で控除不足が生じる場合、その金額を定額減税補足給付金(不足額給付)というのですが、それが各市町村でこの夏から還付が始まりそうです。市町村によって違うのですが、定額減税補足給付金(不足額給付)の対象者であると判断できた方については市町村から支給決定通知書または受取口座確認書が送られてくるということです。

昨年の定額減税制度については経営者や経理担当、税理士や市町村に不評でした。なぜなら手間がかかりすぎるからです。勤務先でも控除できなかった分については市町村にも手間が及びます。昨年の雑務が未だかつて影響しているということになります。溜息だらけの制度でしたが、もう二度とこんなに面倒な制度を発動しないでほしいものです。

ミニマムタックス

令和7年から超富裕層への課税が強化されました。いわゆるミニマムタックス制度の導入です。所得税は支払い能力に応じて5%から45%までの7段階課税がされています。ただ、株式や不動産などの譲渡に係る所得税はこれとは分離して、一定税率で課税されています。例えば上場株の譲渡は所得税15%です(その他復興所得税・住民税あり)。このように給与や事業所得などから分離される税金を分離課税と言いますが、合計所得金額が1億円を超える高所得者層は、所得の種類のうち分離課税となる所得が全体の6割強を占めるという統計結果が出ています。通常、給与や事業所得などで1億円を超えると45%の課税が行われますが、株の譲渡や配当などの所得で1億円を超えても15%しか課税されない。つまり所得税の負担率が下がる結果が公表されています。これが1億円の壁です。

このような状況を踏まえ課税の公平の観点からミニマムタックス制度が導入されました。内容は所得が30億円を超える超富裕層を対象に、次の②の金額が①の金額を上回る場合に差額分を納税するというものです。
①通常の所得税額
②(合計所得金額-33億円)×22.5%

株式の配当などの申告不要制度を適用した所得も含めて計算しますが、預貯金の利子等などの源泉分離課税の対象となる所得やスタートアップ債投資やNISA関連の非課税所得は対象外となります。一般的には所得が30億円を超えると対象となる可能性は高まりますが、上場株式の譲渡のみの場合だと10億円程度で対象になるようです。いずれにせよ、1億円なら当事務所の顧問先様でももしかしたらいるかもしれませんが、所得30億円以上ではたぶんうちの顧問先にはいませんね。

年収の壁

最近、顧問先様から年収の壁について改正があったみたいだけれど、テレビを見ていても良く分からないので教えてくださいと言われることが多くなってきました。経理担当者もパート従業員からそのような質問を受けるようです。今まで所得税が課税される給与収入の年収ラインは103万円と長い間いわれていて、世の中のパートスタッフもこれを把握していたようです。今後は160万円になると聞きましたが本当ですか?と聞かれるというのです。本当です!ただ、注意点がいくつかあります。配偶者の扶養になっている場合です。本人は160万円の給与収入までは税金がかかりませんが、配偶者が扶養している場合の配偶者控除も変わらないのかというと変わってきます。今までは配偶者が103万円以下でしたら配偶者控除が受けられました。それが123万円までなら受けられるようになります。では123万円を超えてしまったら、今度配偶者控除ではなく配偶者特別控除の対象になります。配偶者特別控除は38万円が満額控除額ですが、今までは150万円まで少しずつ控除額が減っていって150万円を超えると配偶者特別控除も0円になりましたが、今度は123万円から160万円まで少しずつ減って160万円を超えると配偶者特別控除も0円になります。

複雑ですよね。ですから本人だけの所得を考えると確かに160万円までは税金かかりませんが、配偶者の配偶者控除や配偶者特別控除の事を考えるとまた段階的に控除額が変わってきます。まとめると、160万円までは本人の所得税がかからない。123万円を超えると、扶養控除ができなくなる。150万円を超えると特定親族特別控除(大学等の一定の子を扶養する場合の控除)の満額適用(63万円)ができなくなる。188万円を超えると特定親族特別控除ができなくなります。その説明をすると経理事務員の方は、えー!!複雑すぎて分からないので年末当たりにパートの人から聞かれるのでその時また相談しますと言われました。

住民税がかからない給与年収の壁は110万円です。また、社会保険がかかってくるか否かのラインは従業員が51人以上の会社でしたら106万円まで、それ以外の中小企業でしたら130万円でその部分は今のところ改正がありません。そこまで聞くとお腹いっぱいですね。はい。聞いてください!と言うしかありませんでした。

消費税

今巷では、物価高を勘案して消費税を5%にするだとか、食料品だけ0%にするだとか騒いでいます。これを一部の国民が言っているなら分かるのです。ところが政治家が言っています。消費税が減った場合、どこから充当するのか?と聞くと国債発行と言います。は?と思います。政治家の皆様は高齢者が多いので、国債という借金が膨らみ過ぎて国家破綻するような事があっても、その時はあの世ですから良いかもしれませんが、これ以上国債で賄ってどうするのですか?!と言いたいです。住宅ローンで生活がパンパンな人に、生活が困るならカードローンで借りると良いですよと言っているようなものです。国は国の首の根をしめることになります。それを政治家が堂々と宣言するとは・・・

消費税は3%から5%から8%そして10%ととなりました。世界に比べると日本の消費税はまだ低い方と言われています。その時に後戻りですか?財源のあてもなくです。そりゃ、下げると言えば上げると言うより国民は喜びますよ。でもその負担はどこにくるのか言わないまま進める政治家は私から言わせると政治家ではありません。詐欺師です。耳障りの良い事を言ってでも裏では未来の人間に責任を押し付ける詐欺師です。そして実務の事を何も分かっていない。スーパーや店舗などのレジスターは税率が上がるたび、事業者が負担してシステム改修をしています。税率改定して儲かるのはシステム会社だけです。多くの事業者はシステム改修費に大きな損失を出しています。

所得倍増計画とか言っていますが、事業者が多くのシステム改修費を負担して従業員の給与を増やすことができますか?そして、この措置は2年間と言っている政党もありました。2年後にまた大きなシステム改修費を事業者に負担させるのですか?こういったことに税金を絡ませないでほしいです。その度に多くの事業者(多くは中小企業)が嘆き、経理事務員は処理の手間が増えると嘆きます。どうしても国民に還元したいならマイナンバーカードに紐づいた口座に振り込めばいい。税金でやらないでほしいと思っています。

iDeCo改正

令和7年の税制改正でiDecoの改正が発表されました。図解の方が分かりやすいのでこちらをご覧ください。


参考:厚生労働省「令和7年度税制改正に関する参考資料」

こちら厚生労働省が作成した改正前と改正後のiDeCoの図です。第1号は自営業の方、第2号(企業年金あり)は大手会社の企業年金がある方、第2号(企業年金なし)は多くのサラリーマン、第3号は主婦が主な方達です。ほとんどのひとが第1号か第2号(企業年金なし)になるかと思います。自営なら第1号、サラリーマンなら第2号(企業年金なし)が多いのではないでしょうか。ということでここで注目されるのは主婦の第3号以外、掛金非課税枠が増額になります。増額は見直し後の赤字ですが、第2号(企業年金なし)の人は月々マックス23,000円だったのが62,000円になります。

こちらは全額所得控除の対象となりますから、年間でいうと276,000円から744,000円と大幅な増額です。比較的生活に余裕のある人は増額するのではないでしょうか?節税額が半端ないので・・・ただこれを裏読みすると、そもそもこれを厚生労働省が作っていることを鑑みると、これから高齢化が進んでいって高齢者が増えても、物価があがったとしても、年金財源が枯渇しているから年金の支払いはこれ以上増えませんよ。税制優遇してあげるから自分で何とか老後資金を貯めてくださいというメッセージに思えます。2027年の1月1日から開始となりますので増額する方は来年の秋くらいから準備お願いします。