医療法人の承継(2代目の憂鬱)

医療法人のメリットは事業承継が個人経営よりスムーズにいくということです。ところが最近後継者が病院(診療所)を継ぎたくないといったケースを多数実感しています。私の感じるイメージとしては、後継者がいるにも関わらず後継者が継ぎたくないと感じているケースは全体の10%はいるような気がします。

お父様は自分が苦労して発展させた医療法人を引き継いでほしいと深く願っています。ところが息子(あるいは娘)は、引き継ぎたくないと思っているケースがあります。話を聞いてみたりして感じるところは、もともと後継者は医師なので大学で経営学や商学部などを出ている人は殆んどいません。ほぼ医学部一本できています。子供のころから医師になることを前提に教育されているので、人を助けることの奉仕の精神は持ち合わせています。ところが経営者になる教育は全くと言っていいほど受けていないのです。

そして経営者になると医療法人の経営の事を考えたり、雇う人の労務管理をしたり、借入金の連帯保証をさせられたりします。また、最近では財源不足から診療報酬のカットなどもあり、医療法人も生き残りレースのようになってきたのも事実です。

そのような事に疲弊してしまっています。そして、医療のことだけを考えて生きていきたいと思ってしまうパターンが多いような気がします。勤務医の方が気が楽だと・・・特に人と交わることがあまり好きではない医師の場合、病院内の様々な国家資格者(その人たちはその資格にプライドを持って生きていることが多く、こんな不景気な時代でもいくらでも仕事場所はあるのです)の労務管理で疲弊してしまう。

父親からすれば何の苦労もせず(言い過ぎですが、父が一から始めている場合そう思うようです)医療法人を手に入れて、勤務医以上の給料をもらって何の不満があるんだ。ということになります。後継者はそれでも継ぎたくないと言います。最近そのようなケースが増えてきたような気がします。中小企業の後継者であれば経営者になることを前提の教育を受けたりしますが、医師の場合、医師になることへの教育しか受けていない場合が多いのです。子供を後継者にしたいと思っているドクターは今後は、子供に帝王学の勉強もさせないといけないのかもしれません。




7回目8回目の浴衣です。これは両方とも昨年購入したものですが、帯は両方とも今年購入したものです。帯を変えるだけで印象も少し変わりますね。