MBAカテゴリーはしばらく、私がコンサルタント業を営む上でのセミナーを受けた内容についてお話ししてきましたが、ちょっと休んで今回は、NHKのEテレで金曜日の23:00~23:54まで放送されている白熱教室の内容についてお話ししたいと思います。白熱教室は以前から何回か見たことがあります。各国の大学の有名講座を収録したものですが、これがとても面白いのです。
今はソウル大学のキム・ナンド教授の授業です。第1回と第2回を観ました。第1回のテーマは「あなたの全盛期は何歳?」というものです。現在の韓国の就職事情について日本のロスジェネ世代と同じような問題を抱え、就職浪人さえ出ている状況でどう生きるかということがテーマになっています。第2回のテーマは「人生で一番楽しいことは?」で、韓国の収入格差の問題にも触れ就職してから仕事にやりがいを感じているもののあまりにも低所得なので辞めるべきか辞めずにいるべきか。などの悩みに答えています。1・2回を振り返ってキム・ナンド教授は、こんなことを言っていました。
若者は大学を卒業すると周りと比べ、自分は周りの人より遅れているのではないか。とか取り残されているのではないかという不安を抱えている人があまりにも多い。自分が変わろうとしないで周りの環境のせいにしてしまったり、比較して落ち込んだり・・・例えば35歳にもなってこんな低所得で自分は遅れているからもう自分の人生終わりだと思ったとしても、人生80年と考えて24時間を人の人生と考えた場合、35歳なんて朝の10:30なのです。朝の10:30の状態で残りの人生もうダメだと考えるのはあまりにも早計だということが、24時間という時間を経験している自分たちには分かります。
就職に関しても親や周りの人はできるだけ安定している大手企業などや公務員などを勧めますが、はたしてそれさえ出来れば一生ハッピーに過ごせるだろうか。多くの起業家にインタビューしてきて、ある起業家が大企業よりも一番信じられる自分を信じて起業したと言って成功した話などを踏まえ、人生でいちばん楽しいと思えることは成長していると実感することだと言っています。ですから仕事などもお金や安定や周りの意見よりも、その仕事で自分は成長できるのかどうか。ということが重要だと言っています。
また、ある事情によって夢が敗れ去った時、例えばチェロ奏者が身体の事故によりプロのチェロ奏者になる夢が閉ざされてしまった時どう生きるか。などもお話ししています。実際キム教授も当初の夢は村長になることでした。当時は村長になるために試験がありましたから何年も試験を受け続け、それでもダメで仕方なく大学で教員の仕事をしたことが教授になるきっかけだったと言います。よくよく考えてみたら自分は村長になることがやりたいことというより、多くの人にいろいろ教えたいということが夢だったのだと気付き、村長の試験に受からなくて良かったと今では思っていると言っていました。
成功者の多くは過去に挫折を抱え、その挫折があったからこそ今の自分があると実感している人が多いといいます。挫折があった時、それで腐らず諦めずその後どう生きるかの方が挫折という事実より重要なんだと悟っています。なんか勇気がもらえる授業です。3回目は「名前をなくした女性たちへ」というテーマです。興味ある人は是非観て下さい。1回目も2回目もとても勇気をもらえる授業でしたよ。