イチケイのカラス

以前ドラマでもやっていたイチケイのカラスを観てきました。冤罪を無くすために徹底的に調べ上げる刑事裁判官の入間みちおと、同じく正義感に溢れる合理主義者の元部下、他職経験制度で一時的に弁護士になっている坂間千鶴を中心に物語が展開します。全体的に法とは何か?という事を終始考えさせられるお話でした。

最後に入間みちおが言った「法は完璧じゃないけれど、その法を信じ向き合っていく・・・」の言葉を聞いて、税法も法の一つなので今後とも真摯に向き合っていこうと思いました。確かに税法も完璧ではありません。だからこそ、税理士が国に提言して少しでも良い制度になるようにしていかなければならないと思います。

この映画は、検事や弁護士、裁判官の話ですが、仕事に向き合う上で税理士にも共通することが多々あり、とても勉強になりました。映画の中では新たな登場人物である人権派弁護士の月本信吾も加わりスパイスが効いてさらに面白かったです。テレビ同様入間と坂間の掛け合いも相変わらず面白かったですが、頭でっかちで正義感に溢れる坂間千鶴と正義でありながら実務とのバランスも考えられる月本信吾の掛け合いも良かったです。

2022年 映画鑑賞

カテゴリー映画の12月は今年観て良かった映画BEST3を発表しています。今年もそんなに沢山の映画は観られませんでした。今年観た24本の中からの私の中のBEST3です。

第1位:トップガン・マーベリック
この映画は誰もが異議がないと思います。私も同じ映画を何回も観る事はないのですが、この映画は2回観てしまいました。2022年6月30日のブログに記載しています。もう1回観たいと思う映画です。

第2位:アバターウェイ・オブ・ウォーター
先週末に観たばかりの映画です。3Dで観ました。綺麗な映像美は勿論ですが、この映画を観て一番感じた事は人間は愚かだという事。他の生き物より少し頭が良いからといって、傲慢かつ平気で自然を破壊し暴力に訴え殺し合いをします。人間はもっとも弱い生物なのにです。人間以外の生物は皆自然と共存し、助け合いながら生きています。それを観てしまうと人間の傲慢さと浅はかさがとても目に付きます。前作品は森の中の背景で森の美しさにもうっとりしましたが、今回の作品は海の作品です。これもまた美しく、是非、3DやIMAXで観たい映画です。

第3位:コンフィデンスマンJP英雄編
3位は迷いました。ドライブマイカー、ベイビーブローカー、ジェラシックワールド、SING、アキラとあきら、沈黙のパレードと色々ありますが、見終わった時に一番スッキリするコンフィデンスマンJPにしました。この映画も2022.1.25に感想を書きましたが、まぁ騙されると覚悟して観た方が楽しめます。こんな作品を作ってしまって続編はどうなってしまうの?という映画でした。

今年も一年ブログを読んで下さりありがとうございました!
良い年をお迎えくださいませ。

ある男

亡くなった夫が、まったくの別人だったお話。夫が亡くなった時、疎遠だった夫の兄が法要に来た時、遺影を見て別人だと告げました。何故夫は本当の身分を告げず自分と結婚したのか、もしかしたら過去に犯罪を犯していたのか。前の夫の子供(男の子)と亡くなった夫の子供(女の子)を抱えながら、悶々とした日々を過ごします。そこから以前お世話になった弁護士に依頼して、亡き夫の身元調査をするお話。次第に真実が明らかになってきます。

結論から言えば夫は殺人などの罪は犯していませんでした。でも本来の戸籍を放棄したくなるような事情を抱えていました。誰にも言えなかった過去。愛する妻にも打ち明けなかった過去。何故連れ子の子供にあんなにも優しく接したのか。あんなに愛してくれたのか。表面には出しませんが心の中で深くなっていく闇というか思いがそれぞれの人に染み込んでいきます。

そして調べてくれた弁護士の葛藤。調べてくれた弁護士にも亡くなった夫のようなどうにもならないというか、本人は全く悪くはない事実があり、弁護士もこの調査にのめり込んでいきます。最後の最後での弁護士の選択が衝撃的でした。サラッと描かれていましたが、これって凄い事だよねと最後の最後にも驚きの展開の映画です。全体の動きとしては静ですが、心の中の思いはどんどん重く激しく動いていくお話でした。

沈黙のパレード

この映画は東野圭吾氏のご存知ガリレオシリーズの作品です。本も以前に出ていて、本の感想は2019年12月23日のブログに書いています。本を読んだ時、いずれは福山雅治氏の主演で映画になるだとうと予測していましたが、とうとう映画化されました。本で読んでいたので内容は大体把握していましたし、本のイメージと映画のイメージは一致していました。

結論も二転三転します。本で読んでいた時は二転三転し過ぎて頭が混乱しましたが、映像で見ると明確になり良かったです。やはり、本と映画両方を観ると相乗効果があってより理解が深まるし、別の意味で楽しめます。話が二転した時は絶望的な気持ちになりましたが三転して少し救われました。でも最初から明らかにされなかった方が良かったのでは?と思ってしまいます。容疑者Xの献身の時のような虚しさもあります。

アキラとあきら

御存じ池井戸潤氏の小説を映画化したものです。池井戸氏の作品は企業ドラマものが多く私も好きな作品だらけです。この小説は珍しく読んでいなったのですが、映画だけ観ました。感想は一言でいえば相変わらず面白かったです。銀行と企業の駆け引きのような部分も感じましたが、こんなに親身になってくれる銀行員もいるのか?いるなら会いたいとさえ思いました。物語の解決方法も高額なコンサルタントファームがやりそうな手法で銀行がここまでしてくれるのならコンサル会社は必要ないなと思うような解決方法でした。

映画の最初の方で新人研修で優秀な2チームが銀行側(貸すか貸さないかを判断)と企業側(借りられる書類を作る)に分かれて、対決するのですが、企業側が粉飾決算を行い、銀行側が見事それを見破るという展開でした。この粉飾決算に使われた手法が棚卸資産の割増し(他社所有の金型を自己所有棚卸として計上)と現金の過大計上でした。この結果だけ聞くと会計を知らない人は何が何だか分からないと思いますので説明すると、棚卸資産は多いほど売上原価が少なくなります。売上原価の計算は(期首棚卸高+当期仕入高-期末棚卸高)なので、本当は期首棚卸100億円+当期仕入高1,000億円-80億円だったとしたら、売上原価(費用)は1,020億円になります。でも期末の棚卸を多くして120億円と架空計上したとしたら、100億円+1,000億円-120億円で980億円になります。売上原価は費用項目ですから棚卸を架空計上するだけで利益が40億円増えることになります。利益が沢山出ているからお金貸してねと言うのです。

会計をちょっと知ってる人ならすぐ分かりますが、最後の物語の解決方法も会計を知っていれば、そうか!その手があったかーを唸るような手法でした。勿論会計を知らなくても、粉飾決算だったのかとかは分かるので充分楽しめます。でも会計を知っていればより深く楽しめるそんな映画でした。

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者

夏休みらしい映画を観てきました。もうリアルでリアルでどうやって作っているんだろうと想像していました。登場人物も過去のジュラシックパークシリーズに登場した人が総動員でとても楽しめました。最初から最後までハラハラでしたが、どのシーンを切り取ってもポスターになりそうなシーンが多かったと思います。そういった映像美というのをかなり意識している作品だと思います。

それと女性がみんな逞しい!年齢は様々な女性達ですが全員逞しく強いです。こんなに逞しい人が揃うのか?と思うほど逞しいですが、恐竜が身近に歩いている世界を考えるとこの位逞しくないと生き残れないのかなとも感じました。生きる!ってこういう事なのかもと考えてしまった作品でした。夏休みに観る映画として大人も子供も楽しめるかと思います。

ベイビー・ブローカー

この映画は韓国映画で主演もソン・ガンホ氏なので、「パラサイト半地下の家族」(2020.2.29のブログ参照)に似たような映画なのかなと思いながら観に行きました。貧困層の目線から描かれた映画ということや闇の部分を含んだ映画という部分では似ていましたが、監督が是枝監督なので、内容というか撮り方が全く違いました。是枝裕和監督の映画らしく悪党の人にも善の部分があり、表現が不器用という部分ではどちらかというと、「万引き家族」(2018.6.15のブログ参照)の方が似ています。

しかも余韻があるという意味でも、解釈を押し付けないという意味でも万引き家族に似ていました。やっていることは法律違反ですが、捨てられた子供が幸せになるために子供を欲しがっている家庭に提供して何が悪いと言われるとそうかなと思ってしまいますが、やり方というか手段が悪いのです。でも子供の幸せを考えて相手によっては売らないという判断をしたり子供に対しても大事に扱っています。殺人犯の子供にしたくないと思う若い母親、捨てられた過去を持つ青年、家族に見捨てられた中年、自分も養子として貰ってほしい少年、それぞれの立場から色々な感情が交差する映画でした。

トップガン マーヴェリック

話題の映画「トップガン マーヴェリック」を観てきました。1986年に大ヒットしたトップガンの続編です。36年前ですよ。主役は当時と同じトム・クルーズ氏。観たいという気持ちとあれだけの作品を36年後のトム・クルーズに超えられるのかという不安が入り混じっての気持ちで観に行きました。映画始まって早々のスピードあるカメラ展開。突然流れるデンジャーゾーンの音楽・・・その時点でやられました。何故か涙が流れそうになりました。

最初からハラハラする展開で、トム・クルーズはこの映画のために36年間肉体を酷使して鍛えてきたのかなと思ってしまいました。実際海の水際で若い隊員たちと上半身裸で戯れるシーンがあるのですが、若い隊員たちに見劣りしないトム・クルーズの肉体美に感動すら覚えました。トム・クルーズは若い時はあまり好きなタイプではありませんでしたが今トム・クルーズの映画を観るといつも元気を貰えます。

ストーリーも若い隊員を引っ張るリーダーとして成長していて、それも言葉ではなく行動で模範を見せるというやり方でした。最初の頃は反抗していた隊員もそのテクニックと行動力に最後は尊敬に変わっていたようでした。もう一度見たいと思わせる映画でした。1回目は字幕版を見たので今度はIMAXレーザー版を見たいと思います。この映画は間違いなく観ておいた方が良い映画ですね。

流浪の月

まだ、始まったばかりのこの映画を観ました。これは2020年に本屋大賞を受賞した本を映画化したものです。本も読んだので2020年5月6日に感想をブログにも書いています。私の本の感想を読んで映画を観た人は全く別の作品かと思ってしまうと思います。私も映画を観て、えっそういうことではないのでは?と思ってしまいました。確かに形式的な事は合っています。でも映画向けなのか暴力や性癖などがクローズアップされ過ぎていて、本にあった精神的な結びつきの部分の表現が足りない気がしました。

本の中では文と更紗の気持ちに感情移入できて二人とも幸せになってほしいと心から思いましたが、映画では愛を超えた結びつきという部分が欠落していて性癖やトラウマを埋める相手のように描かれているのが何ともやりきれなかったです。主役の2人の演技に問題があったわけではないところが何ともモヤモヤしました。本の中では素敵な二人だっただけにとても残念でした。この映画が新たな人間としての関係性を討論できる映画になるのでは?と期待していただけに残念です。

ドライブ・マイ・カー

これは観なきゃいけない映画でしょ!という事で観てきました。アカデミー賞国際長編映画賞を受賞しただけあって、3時間の長編映画です。村上春樹氏の小説の映画化なので言葉の1つ1つが繊細でした。でも全体的に言葉がない映像部分が多く、言葉で多くを語らないけど語り出したら繊細で深いという感じでした。物語は淡々と進み主人公もドライバーも寡黙だけれど、物語の節々に計り知れないエネルギーみたいなものも感じて、静と動、陰と陽が混同した物語です。

広島から北海道まで車で行くシーンがありますが、普通に考えたら車じゃ行かないよね。その距離・・・と思います。よほど体調が良くてテンション高くないと正気の沙汰とは思えぬ距離です。しかも主人公とドライバー両方とも寡黙なのにです。恋に盲目な恋人同士で話が尽きないなら分かりますが、そうでないのに、何の迷いもせずどちらも反対せずその距離をドライブします。それらのシーンも声もなくただただ車が道を通過するシーンなどが映像となります。静なのに動なのです。

主人公は理解力のある大人の男性ですが、その行動が良かったのか悪かったのか。相手がもし知っていたら相手にとってその理解ある行動はマイナスに働くのではないかと色々考えさせられます。3時間の割に発する言葉が少ないですが、1つ1つに重みのある言葉です。ボーっと見ていたら理解できないと思います。エネルギーがある時にじっくり観る事をお勧めします。