翔んで埼玉~琵琶湖より愛を込めて

笑えました!前回同様笑わせていただきました。今回は埼玉近辺だけではなく、滋賀県を中心とした関西まで巻き込んでのお話でした。私は生まれてから関東以外に住んだことはないので、関西バージョンもかなり楽しめました。今回は埼玉というより滋賀県を愛のあるディスリで笑わせていただきました。埼玉県と滋賀県は何となく似ていてこの映画を観た埼玉県出身者は滋賀県に親近感を覚えたと思います。

最後には埼玉県の統計自慢もしていますが、日本の人口が減る中、埼玉県は未だ人口増加をしている県のようで、へーっという感じです。滋賀県の話と埼玉県の話が同時進行していて、元埼玉県民としては、埼玉の話に納得してしまいました。

映画でこんなに笑ったのは久しぶり。皆様も是非・・・

グランツーリスモ

グランツーリスモはプレステーションで販売されたドライビングシミュレーターゲームの名前です。このゲームでの成績優秀者を全世界から募り、練習や実際の車で運転させて、プロのレースに参加させて上位を狙うという物語。これがフィクションならあり得ます。ところがこれはノンフィクションです。実話ですよ。実話。。しかも世界的にも保守的と言われる日本のチームで起こった実話です。とても衝撃を受けました。

グランツーリスモのゲームに明け暮れる少年に父親からは、ゲームで勝っても本物のレーサーにはなれないと責される日々を送るも、選抜プログラムに参加し実際のプロの国際レースに参加して3位にまで昇りつめます。周りからは、ゲーマーなんかが通用する甘い世界ではないと言われながらも、日々のトレーニングに耐え本物のレーサーになる物語です。何もかもビックリな映画でした。

本物の国際カーレースに出場する選手をゲームで競い合わせて選抜するとか。本物のレースは時速320㎞という相当なGがかかりますからそれらを経験していない素人(ゲームはプロですが)を養成するとか。このやり方に反感する他のチームからの嫌がらせとか。実際に事故を起こして精神的に参ってしまうとか。そこから立ち直るプロセスとか。何しろビックリの連続でなんでこの映画がそこまで世間で話題になっていないのか不思議なくらいです。あり得ないことをやり遂げる力みたいなものが漲った映画です。ズバリおすすめです。

ミッションインポッシブル/デッドレコニングPART ONE

ミッションインポッシブルを国内最大のIMAX観てきました。池袋にある「グランドシネマサンシャイン」には国内最大のIMAXがあります。その大きさは何とビル6階分の大きさです。映画館に入った瞬間その大きさに圧倒されます。これだけ大きいと画面が大きすぎて画像が割れるかなと思っていましたが、さすがIMAX大きくしても画像は綺麗なままでした。大迫力のミッションインポッシブルを観ました。こちらPART ONEと付いているだけあって続きがある感じの終わり方でした。ミッションインポッシブルシリーズを観るといつも元気になります。多分年上のお兄様が不可能なことを決してあきらめず、素早い判断で行動に移し、最後には達成してしまうというお決まりのパターンが元気にさせるのだと思います。

今回もそんな元気をもらえました。池袋シネマサンシャインは国内最大IMAXのほかにも、国内最初に入った4DX with ScreenXという3面スクリーン+振動+風+水しぶきというディズニーランドのアトラクションのようなスクリーンがありますが、国内最大IMAXで初めて観たのがミッションインポッシブル/デッドイコニングで、4DX with ScreenXを初めて観たのが、トップガン/マーベリックだったので、両方ともトム・クルーズ氏の作品でした。両方とも最初に観るのに素晴らしい作品でした。トム・クルーズ様いつもありがとう!

君たちはどう生きるか

話題の映画「君たちはどう生きるか」を観てきました。なんの情報も入れずに見終わった感想は、これはブログ書くの大変だな。です。時代は戦争(太平洋戦争?)が始まってから3年目から終戦後までを東京から疎開して、母の実家で過ごす少年の話。母(久子)を火事で亡くし、新しい義母の夏子は久子の妹で、その実家の裏にある不思議な建物から地下の不思議な世界に行ってしまう話でした。その不思議な世界がまた不思議で火を操れる不思議な能力を持つ少女(ヒミ)が久子の幼少期の姿であったり、君たちはどう生きるかのポスターにも書いてあるアオサギが飛べなくなると、ただの詐欺男になったり、丸々と太った巨大セキセイインコが人間を食したり、下の世界の住民は物を殺せない定めになっていたり、不思議な世界過ぎて見終わった後も頭が混乱します。ヒミは子供だけど少年の母親で義母夏子は現世から来たから大人のままで、でもヒミの妹で・・・と頭がごちゃごちゃになります。

この映画は不思議な点が多いので見終わった後も色々考えたりします。その分、人によって様々な感想を得ると思います。なぜ、夏子は不思議な世界の産屋で少年が探しに来たにも関わらず、あなたなんて大嫌いと言ったのか?など、なかなか懐かない少年に対しての本心なのか。それともタブーを犯して産屋に入ってしまった少年を遠ざけて守るためなのか・・・映画を観ても結論はでません。不思議な世界では鳥が人間を食します。人間は捕まると妊婦以外は食されてしまいます。人間はこの世では他の動物に襲われることはあっても食されることはほぼありません。でも他の動物は人間に食されているのです。人間が逆の立場だったらどう感じるのか。私たちが今いる世界の常識から外れた世界で暮らすとしたら暮らせるのだろうかと色々余計なことまで考えてしまう映画でした。そこにこの映画の壮大さがあるのかなと思いました。

東京リベンジャーズ2血のハロウィン編-決戦

他の映画を観る予定でしたが、時間が過ぎてしまい観る事ができなかったため東京リベンジャーズを観てきました。これは前編も観ています。主人公の武道君が恋人の日向を救うため、日向の弟である直人と握手することにより過去に戻り未来を変えるというお話です。

ヤンキーものは大抵が喧嘩が強いとか強いカリスマ性があるというのが常套手段ですが、武道君はとても弱いし、強いリーダーシップ性があるわけでもありません。でも何故毎回戻る度に過去を変える事ができたのかを考えてみました。おそらく殴られても殴られても己を曲げない強い意志。武道が頑張っているのだから俺たちはもっと頑張らなきゃいけないと感じさせる能力かと思います。

今回もマイキー君に放った一言、「マイキー君は馬地君のことを何も理解していないじゃないか。なぜ馬地君がそうしたのか。」その瞬間視聴者である私にも届きました。そうだよ。馬地君が自分を刺したのは、一虎を自分を殺した殺人者にさせないため。そしてマイキーも一虎を殺して殺人者にさせないため。おー馬地くん!と心の中で叫びました。詳しくは劇場でご覧ください。

怪物

カンヌ映画祭で脚本賞とクィア・パルム賞を受賞した作品です。一言でいうととても深い映画です。怪物という名前の映画なので誰かとんでもない怪物(外面的には良い人で中身が怪物の人)の映画かと思って観ましたが、中身は全然違うものでした。最初シングルマザーの早織目線で映画が撮られます。そうか怪物は先生たちだと確信します。対応が棒読みで心が全くこもっていません。早織は真実が知りたいだけなのに心もなくただ棒読みに謝るばかり。早織にとって「私はが話しているのは人間?」というのも納得できます。

突然、怪物だと思っていた保利先生目線で映画が撮られだします。え?全然違うじゃない!何でちゃんと言わないの?と保利先生目線で言うと、早織は真実ではないことに言いがかりをつけてくくるモンスターペアレントに見えるし、校長はじめ上司の先生方も事なかれ主義の怪物です。あることない事書き立てるメディアも怪物です。

頭が混乱していると子供たちの目線で撮影が始まります。子供にとっては虐待をする親が怪物であったり、いじめをする学友が怪物であったり、自分自身が怪物であったりします。この様々な視点を通して描かれる中で放火である火事のシーンが定期的に出てきます。その犯人はもしかしてあのいたいけなあの子?という疑問を抱かせますが結論はでません。もしかしてそれを決めつける事で観る人を怪物にしてしまう映画なのかも・・・と想像すると怖かったです。

最後のシーンである綺麗な草むらを泥だらけになりながら笑いながら少年らが走るシーンも、え?助かったの?それとも天国なの?と分からないまま終わります。是枝監督特有の観る人によって解釈が違うというストーリーにまたしてもやられました。考えれば考えるほど深い映画でした。

劇場版 TOKYO MER

いつも暇ですが、最近忙しいのでこんな映画を観てみました。これはドラマでもやっていたので馴染みがある方も多いのではと思います。1人も死者を出さないという使命の元、日々働いています。相変わらず熱く激しい映画でした。主人公の鈴木亮平氏が演じる喜多見チーフは医者としても完璧、リーダーとしても完璧です。ただ、ちょっと自己犠牲の部分があります。

それに対して厚生労働省から来ている賀来賢人氏が演じる音羽ドクターはちょっと冷たく厳しく冷静ですが、的確な判断をします。冷たいようで人を救いたいという熱い部分も芯には持っていて、外面と内面の差が何ともいい味を出しています。今日から俺は!の三橋を演じていたのとは別人のイケメンぷりを発揮しています。

今回は杏氏が演じる鴨居ドクターがまたいい味を出していて楽しめた映画でした。これを観ると私の忙しさなんてたかが知れている!人の命がかかっているわけでもないし!と自分の精神を落ち着かせる作用もあることに気が付きました。仕事が忙しい時に観ると逆にとても勇気がもらえる映画です。

AIRエア

伝説のシューズ、エアジョーダンが誕生するまでの実話を映画化したものです。1984年当時バスケットシューズのシュアは1位adidas、2位コンバース、そして市場規模17%のナイキです。当時ナイキのシューズは人気がなく、会社として有名バスケットボール選手に自社製品を履いてもらおうと、スポンサー契約に躍起になっています。予算がないナイキは25万ドルで3人の選手に履いてもらうという計画でしたが、ソニー氏はある選手に目を付けました。それが新人だったマイケル・ジョーダン。ただ、本人はadidasを第一希望としていて、その次にコンバースのシューズを希望しています。ナイキ社のソニー氏は25万ドルを3人ではなくマイケル・ジョーダン一人に絞り、秘策を打ち出します。

社内では全員反対。ソニー氏は孤立していきます。それでも自分の直感と信念を信じ実行しようとします。最後には会社全部を巻き込んで、オリジナル商品エア・ジョーダンを完成します。adidasは25万ドルと車を用意し、本人も第一希望としていると情報を掴んでいたのでスポンサー権利を獲得できなかったと思っていたのに何故獲得できたのか。これ以上書くとネタバレになるので書けませんが、要は行動の大事さを教えてくれる映画です。また、マイケル・ジョーダンのお母さんのマネジメント力は高く、多分お母さんがいなかったらマイケル・ジョーダンはadidasを選んでいたと思います。この母は、資金を得た後も慈善事業を設立したりして人間的にも尊敬できます。

「靴はただの靴だが、誰が履くかで意味を持つ」熱い映画でした。お勧めです。

湯道

最近仕事がバタバタしていたのであまり疲れない映画を観たいと思い、温泉好きな事から「湯道」を観に行きました。街の少なくなった銭湯のお話でした。温泉ではありませんが、そこには人々が湯を求めやってきます。それぞれ湯を通してのドラマがあり人生があります。銭湯を営んでいた父が亡くなり、それを継ぐ次男と長男との考え方の相違。銭湯に来る人々の銭湯への思いなどが絡み合って、それでも最後にはお風呂は最高!と思ってしまう映画でした。

銭湯の看板は開店している時は「わ」閉店したら「ぬ」の木札がかけられます。これどういう意味?と思いながら見ていましたら、映画の中で解説があり、「わ」は湯が沸く。「ぬ」は湯を抜くという意味でした。ほー納得!シリアスな部分(銭湯の今後の経営)とほっこりする部分(母と子が女湯と男湯に分かれて上を向いて歩こうをコーラスするシーン)とコミカルな部分(外国人の夫候補と義理父の掛け合い)など、が散りばめられていました。大きな事件とかはありませんが様々な小さな感情が沸き上がる映画でした。

シャイロックの子供たち

池井戸潤氏の小説を映画化したものです。池井戸氏の作品は映画を観る前に読んでしまっている作品が多かったのですが、この小説は読んでいなかったのでラッキーでした。最初に小説を読んでいると内容も分かるし自分自身が作った人物像のイメージがあるので、そのイメージとかなりかけ離れていたりするとちょっとがっかりしたりします。小説も映画も観ると二度おいしいという利点もありますが、映画を観る時、新鮮でないという欠点もあります。こちらは小説を読んでいない分新鮮でした。

池井戸氏の作品は銀行員が登場する小説が多いですが、これは銀行内部の事を描いているので作者的にはドストライクなのでしょうか。それにしても銀行内部は善人少数派でほぼ悪人の塊のような内容でした。銀行勤務時代何かあったのかと思わせるほど、悪人だらけでちょっと笑ってしまいました。また、銀行からお金が無くなった謎を探るというミステリーかと思いきや全て映画を観る側は分かっていて、登場人物だけが分からないという通常とは逆な攻め方をした映画でその点も斬新でした。

謎を解きながら観るというのがミステリーの醍醐味ですが、この映画は、裏は始めから明かしていて、お金を無くしたとされる営業マンと盗んだとされる窓口係だけが善人であとは悪人という一見悪人が実は善人で、善人とみられる人が悪人という、その部分が逆にミステリーなんだと思いました。ミステリーの見方を変えてくれた映画でした。小説もこのような作りになっているのかしら?と気になってしまい小説も読んでみたくなりました。