傲慢と善良

辻村深月氏の小説を映画化したものです。小説は読んでいませんが、細部の細かいこころの感じ方や揺れ動くこころなど見事に表現していました。誰もが結婚適齢期にここに出てくる誰かと似た感情を抱くのではないでしょうか?本の題名である「傲慢と善良」は誰のこころにも両方存在するもので、これにはとても共感しました。人は傲慢であり、善良でもある。とても意を得た表現です。

疲れた時にぼーっと見る映画ではなく、ぼーっと見ていると繊細なこころを見逃し、何だかあまり面白くない映画だと感じるかもしれません。繊細なこころの動きを逃さないように見るとこの映画の良さが伝わってきます。人が持っている繊細な感情を理解できれば面白い映画だと思います。特に誰のこころにもある傲慢さと善良さを考えるのには問題提起という意味でとても良い映画でした。

フォールガイ

グランドシネマサンシャインで観ていきました。ここの映画館は平日夜でもある程度お客さんがいます。私が以前よく見ていた109シネマズとは全然違います。この映画もそうだ!ブログ書かなきゃと思い、平日夜に池袋でやっている映画だから観に行きました。

正直全く期待しないで観に行きましたが、面白かったです。アクションあり。コメディあり。ロマンスありで盛り沢山。主人公の職業が元スタントマンというのも観てみたいと思った動機です。スタントマンって過酷そうな仕事だけど、どうなんだろうと興味もありました。

スタントマンなのでアクションは特にてんこ盛りです。コメディはもろ笑わせるというより、三谷幸喜氏的なやつです。それからロマンスは、元カノの映画監督を振り向かせるためと単純です。いやぁスカッとしました。面白い映画でした。

めくらやなぎと眠る女

昨日、グランドシネマサンシャインにて観てきました。以前の私は1カ月に2~3本映画を観ていたので、その中から1番良かった映画を感想文として投稿していましたが、今月はこの映画しかみていないため、感想を述べます。村上春樹氏の短編小説6つをアニメ化したもので、声優が豪華ということでその点も楽しみにして行きました。結論から言うと観なければ良かったという感想です。おそらくこれが芸術なのでしょうが、漫画の画質も苦手ながらストーリー的にも感動はしない感じ。

最後の最後の猫のシーンを除き、すべて暗く陰の世界。観て良かったという感想にはなりませんでした。話が暗くても得るものがあれば感動したりするのですが、そういった発展もなく、くらい世界が広がります。映画のジャンルで観て後悔するのがホラーですが、これはホラーではないけど、終止嫌な気持ちのまま話が流れていきます。こんな世界にいたくないとさえ思ってしまいます。多分これが芸術なら私は芸術は分からなくて良いとさえ思ってしまった映画でした。

劇場版ハイキュー!!ゴミ捨て場の決戦


この映画は109シネマズプレミアム新宿で初めて見ました。ちょっと紹介すると写真左上の建物で、映画館のラウンジは右上の写真のようになっています。とてもラグジュアリー感が漂っています。そして無料でポップコーン食べ放題とドリンク飲み放題です。左下の写真がそれですが、味も2種類あってトッピングもありました。ちなみにこのサイズは小さい方のサイズです。映画館のシートは右下のような感じでこれは普通のランクです。横になると自動で少しリクライニングして高級自動車の助手席のような感覚です。この安い方の席(クラスA)で4,500円します。6,500円の高い席(クラスS)だともっと横幅が広く隣に壁のようなものがあります。

映画館のスクリーンはさほど大きくありません。以前池袋のグランドシネマサンシャイン池袋のご紹介もしましたが、グランドシネマは日本一大きいスクリーンだったり、3方向画面だったり、スクリーンにこだわっていましたが、109シネマズプレミアムはスクリーンではなく鑑賞側のシートやサービスにこだわっています。映画館も色々ありますね。

肝心の映画ですが、あっ面白いかも・・・それが率直な感想です。ハイキューは漫画で読んだことはなかったので初めて触れましたが、何が良いかというと通常のスポーツ漫画よりプレーそのものに臨場感があります。本当のスポーツを観戦している時のような臨場感があります。そしてバレーにも手の込んだ戦略があり、ある意味知能ゲームなのだということも知りました。今、日本のバレーが強いです。その観戦を楽しむためにもこの映画を観ておくことをお勧めします。

ゴジラ-1.0

アカデミー賞で視覚効果賞を受賞した作品です。日本のアカデミー賞でも最優秀作品賞を受賞し、最優秀脚本賞、最優秀助演女優賞、最優秀撮影賞、最優秀照明賞、最優秀美術賞、最優秀録音賞、最優秀編集賞、と賞を総なめしています。観ていなかったので遅ばせながら観に行きました。確かにリアルで本当にそこにいるかのようなゴジラでした。ゴジラの作品は数々ありますし、ゴジラも良いゴジラと悪いゴジラがいるような感じがします。この作品のゴジラは人類の敵となるゴジラでした。でも、何だろう放射能の塊であるゴジラは人間が地球上に生み出した負の塊のような気もして、なんだか複雑な気持ちになりました。

また、最後の最後に文字だけの画面の中、ゴジラの足音がこちらに向かいやってくる音声が流れます。それが何ともリアルで近づくたびに音も変わって見えていないだけですぐそこにいるようなそんな演出にもちょっとドキッとさせられました。ゴジラはいなくなったようで実は海底に沈んでまだ息をひそめているだけという余韻も残しながら終わります。終盤になるにつれドンドン盛り上がっていく映画でした。入場特典でステッカーをもらいましたが、そのゴジラのステッカーがとてもかっこよかったです。

名探偵コナン100万ドルの五稜星

コナンシリーズは全部ではないものたまに観ています。見ていつも思うのは終わった後に幸せな気分になることです。ですから疲れている時にコナンシリーズを観ると心の栄養になります。今回も心の栄養になりました。タイトルを見たとき五稜星って何て読むんだろう。五稜郭の星?と想像しましたが、読み方は何と「みちしるべ」です。当て字やん!と思いましたが見た内容は五稜郭の星のお話しでした。これをみちしるべと読ませたのも意味がありました。

今回はコナン君はじめ、西の高校生探偵の服部平治君、怪盗キッドの3人が協力しながら危険を回避しようと奮闘します。みんな強くて凄いチームワークでハラハラドキドキしながら楽しめました。いつもは敵か味方か分からない怪盗キッドも今回は完全にコナン達に協力して無事解決しました。最後に怪盗キッドとコナンとの関係性も明らかにされ、面白かったです。ゴールデンウィークにふさわしい映画でした。

PERFECT DAYS

日本アカデミー賞で最優秀監督賞と最優秀主演男優賞を取った作品です。映画は声がない映像が続きます。役所広司氏の演じる平山は東京都渋谷区のトイレの清掃員です。朝早い時間に外の竹箒で履く音で目覚め、歯を磨き着替えて古いアパートから出ます。家の前の自動販売機で缶コーヒーを買い、車に乗って渋谷区内のトイレを掃除しに回るのです。夕方になり仕事が終わると行きつけの店で食事を取る。夜は古本屋で買った本を読み眠りにつく。そんな毎日を送っています。休みの日は自分の家を掃除してコインランドリーで溜まった洗濯物を洗い、たまに行きつけのスナックに行く。

そんな規則正しい毎日を送っていると姪が家出して来たり、スナックのママの涙するシーンを見てしまうだけでかなりの刺激で、それは仕事の昼休みの休憩中の公園で見上げた木洩れ日を見ても心が洗われる。その木洩れ日の写真を撮り現像してコレクションとして集めています。この映画を見て最初はどこがPERFECT DAYなの?と思いましたが、あまり音がしないこの映画を観ていると、仕事をしてご飯を食べて雨風凌げる家に住み健康でいる。そして自然の木のせせらぎや木洩れ日を見て幸せを感じるというのが当たり前でいてすごく幸せなのではないか?と思ってくるのです。淡々と過ぎる日々に感謝する気持ちが自然に芽生えてくる不思議な映画でした。

ゴールデンカムイ

この映画は元々漫画だったものが映画化されたものです。漫画は読んだことがないので新鮮な気持ちで見ることが出来ました。観終わっての感想は、まだまだ続きがありそうな予感です。主人公の杉元とアイヌの少女のアシリパが戦友としての絆を固めるまでの序章のような映画でした。食料としてのリスの捕まえ方、料理の仕方などアイヌ文化を学ぶことも出来て良かったです。リスは植物しか食べないので肉に臭みがなく美味しいのだそうです。

この映画は久々に友達と観たので友達の感想は熊が怖かったね。でしたが、私はそれを言うなら玉木宏氏が演じた鶴見中尉の方が100倍怖かったと思いました。有名どころの俳優もたくさん出ていますのでエンターテーメント性の高い映画かと思います。第2、第3と続きそうな映画ですが、次回やるのでしたらもっとアイヌ文化のことに触れてくれたらいいなと思います。

ある閉ざされた雪の山荘で

東野圭吾氏の小説が実写映画化された作品となります。東野圭吾氏の作品は小説も読んでいる場合が多いのですが、これは読んでいないので何も知らぬまま新鮮な気持ちで観ることができました。登場人物が劇団員でオーデションが行われるという設定で殺人事件が起きますが、本当に殺されたのか、芝居の設定なのか、がコロコロ変わりながらストーリーが展開します。

二転三転して真相が明らかになりますが、観た後に疑問が残りました。その1:久我君がいた意味は何なのか?全員同じ劇団員でしたが唯一部外者である久我君は一体だれが誘ったのか?久我君は劇団員を憧れで知っていましたが、劇団員の中で久我君を知っている人はいないようでした。演出家が選んだとされていましたがそうでないなら誰が誘った?しかも縁もないのに大事な場所に誘うのだろうか?
その2:久我君が事件を暴かなかったら、亡くなった3人は亡くなった前提となって過ごさなければならないのか?一般人ならともかく劇団員なのでそれは不可能ではないか?麻倉さんの無念は晴れるが未来の事は考えていたのか?と疑問が残りました。

ほかのトリックが緻密だったのでその部分の粗さを感じてしまいました。小説を読んでいたらその部分の矛盾も分かったのでしょうか?東野圭吾氏の作品はその辺は抜かりがないので何とも変な気分で観終えました。小説を読めばその辺の矛盾も分かるのかな。もしそうなら映画の作り込みをもう少しちゃんとした方が良いと感じた作品でした。

2023年 映画鑑賞

毎年12月のカテゴリーブログでは、今年観た映画BEST3を発表しています。コロナ前は年間50本くらい観ていた映画ですが、今年は何と26本しか観られませんでした。つまり26本のうちのBEST3なので大して参考になりませんが、恒例なので発表します。

1位:ミステリという勿れ・・・こちらは何と2回観てしまいました。この映画の感想は書いていませんでした。内容はちょっと重い空気が漂っていますが、随所随所で久能整君が呟く一言一言がもっともで、もう一度聞きたくなるそんな映画でした。この映画というか久能整君の発する言葉で、世の中思い込みや間違った価値観が蔓延っているけど、常に正しい目をもって生きていきたいと思ったのです。

2位:翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~・・・ご存じ、翔んで埼玉第2弾です。とにかく笑いました。愛があるブラックジョークのような映画ですが、こちらはカテゴリーブログの11月の感想で書いています。とにかく笑える。第3弾も出たらきっと観に行くそんな映画です。

3位:AIRエア・・・ミッションインポッシブルとクラブツーリズモと窓際のトットちゃんと迷いましたが、やはり、AIRエアです。こちらの4月のブログに書いています。この映画はノンフィクションとして感動的な映画です。私は企業物のテレビや小説や映画が好きです。特に弱小な企業が這い上がっていく姿に感動するのです。まさにそうでした。まだ観ていない方は一度観てみることをお勧めします。

今年も何とか映画を観ましたが、来年も映画を観たいと思います。ちょっと最近思うことは映画館で映画を観る人が減ったと凄く実感します。以前(私が年間50本くらい観ていたころ)は平日の夜もまぁまぁ混んでいましたが、最近では土日は混んでいますが、平日の夜は少ないです。この前は何と平日の夜で3人でした。(全員一人で観に来ていました)映画も半年もしないでネット映画にあげられる時代です。普通の映画館はつぶれていくのかもしれません。