ボヘミアン・ラプソディ

伝説のバンドQueenの物語です。Queen黄金期に私はまだ子供でQueenの良さが分かる年齢に達していなかったのでQueenの印象は何か悪そうな怖い感じがしていました。すっかり大人になりすぎてしまいこの映画を観ました。ボーカルのフレディ・マーキュリーを中心に描かれていますが、地元のライブ会場から始まって世界のQueenになるまでが描かれています。フレディのコンプレックスや心と体の乖離の問題、バッシングや孤独感、様々な感情が表現されていて、それでも音楽への情熱は熱いままです。

この映画には多くの名曲が収録されていますが、全て聞いたことがある名曲ばかり。しかも全部雰囲気が違って、しっとり落ち着いたものもあればオペラ的なもの、ロックの中のロックという感じのもの、観客一体となって歌えるもの、圧倒されます。これはメンバー全員が作詞作曲を行い、かつ、様々な楽器をこなすマルチタスクの集団だからです。改めてQueenとはダイナミックな器の大きい(映画の中の言葉を用いれば想定外の)バンドだったのだとつくづく思いました。

ボーカルのフレディ・マーキュリーが亡くなって27年経ちます。それでも今Queenの曲を聞いて古さを感じるどころか新しささえ感じるのは何故でしょうか?最後20分くらいコンサートの模様が描かれていますが、途中不覚にも涙しました。音楽の力そしてQueenの曲の持つエネルギーに圧倒された映画です。この映画は観ないと損だと思えるほどの映画でした。

億男

主人公の一男は昼間は図書館司書として働き、夜はパン工業で働いています。家族もありますが、昼も夜も働く理由は兄弟の借金の保証人になり、失踪した兄弟の代わりに払っているからです。妻も子も居ますが謝金返済のため生活が苦しいのです。借金の額は3,000万円一男は娘のバレエ教室を辞めさせるように妻に頼みます。バレエだけは辞めさせない!それから別居が始まります。お金さえ返せば、借金さえなくなれば家族みんなでまた一緒に暮らせると一男は思っています。

娘と一緒におばあちゃんから貰った福引券で福引をします。本当は娘の自転車を狙っていたのですが、宝くじ10枚が当たります。その宝くじが当たります。その額3億円。これで借金が返せて家族と暮らせる。残ったお金はどうやって使えばいいのか?大金を手にしたことない一男には皆目見当がつきません。そこで大学の時の漫研で一緒だった親友九十九が自分が立ち上げた会社を売って大金持ちになっているので使い方を教えてくれるだろうと思い相談します。煌びやかなパーティが行われ、泥酔しているすきに親友は3億円を持って失踪します。なぜお金持ちの九十九が3億円もって失踪したのか一男には分からなく、九十九を探す旅を始めます。九十九を探すうちに九十九とともに会社を興して大金を手にした3人の人と話し九十九の事。そして大金を手にするという事が徐々に分かってきます。

この映画は落語の「芝浜」を知れば全て納得できます。九十九は芝浜の妻の役を演じただけです。お金を扱えない人が大金を手にすることの不幸。お金では得られない幸せがこの世にあるということ。お金に捕らわれた人がいかに多いかということ。お金ということを色々考えさせられる映画でした。私は大金持ちじゃなくて良かったボチボチくらいが丁度よいというのが実感できました。

ミッションインポッシブル~フォールアウト~

今月は検察側の罪人とミッションインポッシブルを観ました。検察側の罪人の感想を書こうと思っていましたが、ミッションインポッシブルがあまりにも凄かったのでこちらを書きます。最初から最後までハラハラしっぱなし。心臓に悪くてこんなの何時間も持たないよという感じです。

もの凄く時間がかかった撮影のものを凄く無理やり2時間に凝縮している感じでお金かかっているな。というのが分かる映画です。費用対効果を考えると他の映画と同じ料金でよいのでしょうか?と投げかけたくなるくらい・・・ロマンス部分の描写ですら時間が勿体ないという感じで僅かな時間で映画の中の時間もどんどん過ぎていきます。

それにしても走る走る。動く動く。トム・クルーズ自体も体どうなっているんだ?と益々バージョンアップするトム・クルーズに脱帽しまくりです。この人自体がサイボーグなのではないか?と思うくらいのエネルギーを放っています。費用対効果という意味では最高の映画です。

カメラを止めるな!

話題の映画「カメラを止めるな!」を観に行きました。冒頭のノンストップ・ワンカット37分を見逃すな。のような情報が入ってしまい。うかうかしていたらどんどん情報が入ってしまうと思い焦って観に行きました。会場は激込み。最初の37分ノンカットのシーンが展開されます。見ていて思ったのは、私が最も嫌いなタイプの映画じゃないか・・・なんだよ。これ・・・正直そう思いました。

でも見逃すなという情報が入っていたのでいやいや仕方なく注意深く観ました。次第にあれ?これは?と何度も笑ってしまい、ホラーだと思っていたのが、いやコメディ?と思いだして、でも最後にはこの裏の裏はどうなってるの?ととてつもないスケールというか緻密な計算された台本に圧倒されて終わるという感じ・・・

全員知らない役者さんというのがまた良くて全然展開が見えません。いや年間30本~50本映画を観ますが、「こんな映画観たことない!」それが感想です。映画撮るのって大変なのですね。最初の30分くそ映画だと思ってしまい申し訳ございません。観終わった後、最初の37分をノンストップ・ワンカットで撮ったの凄いなと逆に思ってしまう映画です。私の感想を読んでも頭の中が??だと思いますので是非会場で見てみて下さい。

空飛ぶタイヤ

池井戸潤氏の小説を映画化したものです。池井戸氏の作品は下町ロケットなどの代表作のように仕事をすることの難しさ、困難を乗り越えた時の何とも言えない充実感などが特徴で、私は池井戸氏の小説が大好きです。空飛ぶタイヤは大型トラックの脱輪事故で1人の主婦が亡くなりその脱輪原因がこの小説の主人公の経営する整備会社(中小企業)の整備不良と判断されたことから始まります。

主人公の赤松社長は調べているうちに自分の会社の整備不良ではないのでは?という疑問が生じます。そこにあったのは大企業のリコール隠し。過去にも同じような事件があり全て整備不良として片付けられていました。その犠牲となった中小企業に掛け合っても、もう過去の事だからと同志として戦ってくれる人はいません。俺がやらなくて誰がやる!と四面楚歌になりながらも赤松社長は奮闘します。

マスコミを使おうとしても上部で打ち消され、銀行からは借入金の早期償還を迫られ、従業員の一部は辞めていきます。それでも一人で戦う赤松社長の姿を見て心を動かされる人がいます。自分の中にある正義感のようなものが呼び起こされたのだと思います。家庭の中にも、会社の中にも、大企業の中にも、銀行の中にも・・・それで最後に大企業のリコール隠しが公になります。泣きそうになりました。また、この映画のテーマ曲のサザンオールスターズの「戦う戦士(もの)たちへ愛をこめて」がこの映画にピッタリです。

万引き家族

ご存知カンヌ国際映画祭でパルムドール賞を受賞した作品です。お父さん、お母さん、お母さんの妹、子供、おばあちゃんが5人で暮らしています。お父さんは日雇い、お母さんはクリーニングのパートをやっていますが、おばあちゃんの年金とそして万引きで生計を立てています。そこに虐待を受けていた少女を保護して6人家族になります。本当は血が繋がっていない6人家族です。

少女を保護した時寒い冬で少女は寒い中傷だらけで飢えていました。ほんのちょっと暖かいところで保護して食事を取らせて帰らせるつもりでした。でも、送りに行ったら男女の争う声が聞こえてきて「生みたくて産んだんじゃない!」と叫んでいた声を聞いて、この子を保護しようと決めたのです。3カ月経ったある日テレビでその子がいなくなったことが報道されていました。何故3カ月もいなくなったのに警察に届けていなかったのか?非難は両親に向けられます。そこから徐々に6人家族に困難が襲ってきます。

本当の家族でないので、おばあちゃんが死んだときも公にできませんし、子供が入院した時も保険証とかないのです。社会から逃げるようにして生きていた家族に不都合が生じてきます。身代金も請求していないから誘拐じゃないと家族は思っています。虐待から小さな子供を保護しただけと・・・でも捕まった時、世間では誘拐犯になります。また、不器用に生きてきた家族なのでその辺もうまく表現できません。しかも万引きをしていたり、過去に死体遺棄をしたりしたこともあってとても不利に状況が進みます。

この映画の凄いところは押し付けがないこと。誰が悪いとか誰がいいとかそのような決めつけがない点です。少女は本当の親の元に帰りますが、母親に怒鳴られ、お兄ちゃんもいなく一人で遊んでいるシーンがなんとも切なくなります。本当の親と住むこと=子供の幸せではないというところも考えさせられて、だからと言って万引き家族の良い部分もクローズアップされることなく何となくモヤモヤしたやりきれない気持ちで映画が終わります。そのリアルさがパルムドール賞を取ったのだと思います。

ラプラスの魔女

こちらの映画は2年前に本で読んだものです。そのブログについては、2016年6月5日にカテゴリー映画にて載せてあります。内容はそちらに記載してあるので興味がある方はそちらを見てください。http://hy-tax.com/blog/?p=163
本を読んで大体イメージがついていました。青江教授が櫻井翔さんというのはかなりイメージが異なりましたが、不思議な少女円華に広瀬すずさんや謎の少年謙人の福士蒼汰さんは役のイメージにぴったりでした。

映画の中では硫化水素中毒死した水城の妻がなぜ謙人に協力したのかが謎のまま終わっていましたが、本にはそのことが書かれています。また、謙人が最後に選んだ映画の撮影地として父が購入した廃墟というのが本ではあまりイメージできませんでしたが、画像になるとリアルに分かりました。本と映画を両方みると様々な部分が補完できより一層物語を知ることができます。なかなか楽しめました。

この映画の感想としては、極悪な人が一人出てきます。理想が高すぎて自分の思い通りにいかないとそれを一度リセットして新たにやり直すという考えの持ち主でした。人には誰しも欠点はあるもの。それを受け入れてそれでも愛していくというのが家族だと思うのですが、理想が高いのは良いことですが、高すぎるというのはやはり現実逃避につながるので考えものですね。

レディ・プレイヤー1

メガゴジラVSガンダムこんな映画観たことない!という触れ込みで宣伝しているレディ・プレイヤー1ですが、これがスティーブン・スピルバーグ監督の映画でなければ、私はきっと観ていなかったと思います。あの世界のスピルバーグがこんな映画を??とちょっとビックリしながら観に行きました。

観てみて感想は、私が想像していたものと全く違うものでした。私はCG技術を駆使した現実離れしたSF映画は最近お腹いっぱいであまり感動しなくなってしまいました。ところがこの映画は全くの空想映画ではなく、ゲームにハマっていく人々を風刺した映画でもあるし、そういった意味で社会問題を取り扱った映画でもあります。レディ・プレイヤー1の舞台は2045年、2045年にはおよその純粋機械化経済の形を作り上げほとんどの仕事が無くなっていると予言している第4次産業革命が完成する時代です(→このことに関しては、2018年1月10日のブログ「人口知能と経済の未来」を参考にして下さい)実はそうなってクーポン型市場社会主義になった時、人々は何をしているのだろう?仕事をしないで暮らしていけたら人々はどう未来を過ごすのだろう?と思っていました。それを想像させる映画でした。また、この映画のように実際なるのではないか?と感じた映画でもあります。

人々は進化したゲームの世界にのめり込んでいきます。ゲームの世界ではどんな自分にもなれます。好みの容姿、好みの生き方、好きなように生きれます。自分の分身が仮想の世界で生活し、他の人に出会ったり戦闘ゲームの中で戦って賞金稼ぎをしたりしています。ゲームの中で死んでも現実は死にませんがゲームの中でのファイトマネーが0円になります。そんな世界にのめり込み、自分を強くするために武器を課金で買ったりしてお金が払えなくなったりした人は、現実の世界においてゲーム会社で強制労働させられたりします。よく考えると未来において有り得るんじゃないか?と思いました。その他にも古き良き時代の映画やアイテムが多数出てきたり、現実(リアル)が一番大事だと気付かせてくれたり、本当に多くのメッセージがこの映画には隠されています。流石世界のスピルバーグ!と言わせる映画でした。

坂道のアポロン

男性の医師が患者の子供からピアノを弾いてとせがまれるシーンから始まります。その主人公(ピアノが弾ける医師)の高校時代の回想シーンが映画の内容です。場所は佐世保(長崎)で坂の多い場所です。主人公の薫(男性だけど薫です)は、成績優秀な友達付き合いが苦手な転校生です。それがその高校の不良少年の千太郎と出会い音楽を通じて友達になっていく姿が描かれています。薫は昔からピアノをやっていたのでピアノは得意です。千太郎はジャズをこよなく愛するドラマー。成績優秀ピアノ好き友達付き合い苦手奥手で繊細な薫は、ボンボンなのでボンと呼ばれます。他校でも名前が有名なほど不良でドラムが大好きだけど誰も怖くて近づかない千太郎は、千と呼ばれます。千の幼馴染の律子はこの二人に自分の親がやっているレコード店の地下室(防音室)でセッションさせます。律子のお父さんも音楽好きで、そこに東京の大学に通っていたトランペットの淳兄も加わり4人でセッションしたりします。

性格もタイプも考え方も全く違うボンと千は音楽を通じて友情が芽生えてきます。ボンは金持ちだけど母親に捨てられ父親の都合で親戚の家に預けられ孤独を感じています。千は多くの弟や妹に囲まれ一見幸せそうですが、兄弟は本当の兄弟ではなく実はハーフで生まれてすぐ教会に捨てられた過去を持ちます。淳兄が東京の大学で学生運動をしていたり、アメリカ軍人が多く住む佐世保という地域であったりとボンと千の出会いは1966年で高校生です。淳兄は団塊の世代、ボンと千はそのちょっと下の世代です。その時代に青春を謳歌した甘く切ない物語です。性格がどんなに違くても音楽をすれば一つになれる。音楽って偉大だなとつくづく感じた映画でした。映画の題名の坂道の部分は佐世保は坂道が多いこと。ちょうど高校に行くのも急な上り坂です。そしてアポロンはギリシャ神話の音楽の神様アポロンとそして千がモデルになったときアポロンの姿でモデルになったというのも由来ですかね。

ゴッホ~最期の手紙~

今月は忙しく映画が観れないまま月日は流れこのままではブログが書けない!ということで焦って観てきました。この作品はゴッホ展を観たときから気になっていて是非観たいと思っていた作品です。映画自体も1時間50分と短いので忙しい今の時期にはピッタリでした。

この映画は実際にゴッホが書いた人物や風景がモチーフになっていて総勢100人以上の画家が作った作品です。動く絵画のような作品なので実際にゴッホが描いた人物が多数出てきます。テーマはゴッホの死因です。ゴッホは37歳の時に自殺したということになっていますが、腹を拳銃で撃った。普通自殺しようとするなら腹は打たない。自分で腹を撃つと近すぎて貫通するのに弾丸は体内に残った。そもそも向きが不自然など本当に自殺なのか?という謎の死です。

ピカソなどは生前中に絵が売れてやりたい放題で死んでいきましたが、ゴッホは生前に売れた絵は1枚で貧困にあえいでいたようです。もう少し長く生きていたら日を浴びる機会もあったかと思うのですが、ゴッホの生活を支えていた弟もゴッホの死後あとを追うように死去したこともあり、何となく寂しい思いが残る映画でした。