信託の税務

前回のカテゴリーFPでは信託の活用のお話をしました。信託の税務はちょっと変わっているので今日はそのお話をします。
信託には3人の登場人物がいる話は前回しました。委託者Aと受託者Bと受益者Cですね。信託をすると財産の所有権は委託者Aから受託者Bへ移転します。でも、利益は受益者Cが受けます。
通常の財産であれば所有者Bが利益を受けますが、信託は利益を受けるのは受益者Cなので、実質所得者課税により、受益者Cが税金を負担します。
所有者はBですのでCは財産を有するものとみなして財産から生じる収益や費用もCに所属するとみなすのです。ですから、委託者A=受益者Cの自益信託については課税関係が生じません。

注意しなければいけないのは、対価の支払いがなく信託が締結された場合、委託者Aから受託者Cへ贈与があったことになり贈与税が課税されます。また、対価の支払いがあったとしても著しく低い価格で譲渡した場合は低額譲渡となり時価課税されます。
大変便利な信託ですが、税金には気を付ける必要がありますね。




隅田川花火大会に行きました。過去何回か行きましたが、私が思うに最も込み合う花火会場です。くたくたになって帰ってくるイメージです。なのでお出かけの前に1枚撮りました。この浴衣は初めて着ました。花火会場に行って良く見る浴衣は黒地にピンクの花柄とか白地にピンクや薄紫の花柄などですが、私はこの浴衣のように個性の強いものが好きです。浴衣を着ると元気がもらえます。浴衣は私にパワーを与えてくれます。

コンサルタントというもの11

やるかやらないかの選択権を相手に委ねる。
自分の悩みを他人に話すことに抵抗感を感じる人は多い。それは、話すことによって相手からアドバイスされる(=否定されたと感じる)のが嫌だからという場合が多い。また、アドバイスを受けたのに実行しないということで、お互いの人間関係が険悪になってゆく場合もある。悩みを聞いた多くの人が「自分は相手のためにアドバイスをしている」と勘違いしながら、命令をしてしまっているのである。

アドバイスと命令の違い:「この前私が言ったことやった?」と聞いたら(思ったら)それは命令したと同じこと。本来のアドバイスとは、やるかやらないかの選択権を相手に委ねたうえで言うものである。
そして、もう一つ大事なことは、相手が求めているときにだけアドバイスをすること。正しいから言えばいい。というものではない。アドバイスよりも先に築いておかなければならないのはお互いの信頼関係。信頼関係ができていると、相手からアドバイスを求めてくるし、やる気も違うから効果が出る。

人は他人の問題を解決してはいけないし、そもそも解決できないものである。なぜなら、仮に今の問題が(他人の力によって)解決できたとしても、次もまた同じような問題は起こるだろうから。
生きていくうえで問題はいくらでも起こる。だから、問題を解決してあげるのではなく、問題を自分で解決できる人にすることが重要である。




2011年の夏から毎年7月・8月に浴衣の投稿をブログに載せていました。今年はもういいかな。と思っていた浴衣の投稿ですが、今年はまだ?と問い合わせがありました。毎年10回くらい浴衣を着るのですが、今年は少しすくなめかもしれませんがご希望がある限り載せていきます。

今年初めての浴衣は、アルゼンチン色の浴衣です。メッシ凄かったですね。
昨年大雨で中止になった葛飾納涼花火大会にリベンジしました。河川敷の花火の特徴は駅から遠いことと遮るものがない解放感です。歩く道のりも寅さんの柴又の情緒があって苦になりませんでした。

認定医療法人へのプロセス

2014.3.31の医療法人カテゴリーのブログは「厚生労働省から発表されました。」です。そして2014.4.1の医療法人のカテゴリーのブログは「認定医療法人」でした。

認定医療法人制度は平成26年度の税制改正に盛り込まれた医療法人版事業承継税制です。平成21年度に中小企業の事業承継税制が創設されました。簡単にいうと同族会社である中小企業の株(出資金)に相続税をかけてしまうと事業承継が難しくなるのでそのまま事業を引きついてくれれば80%引きで評価しますよという制度です。その時、医療法人も対象になるのか。と注目されましたが、医療法人は会社法上の法人でないため対象外でした。

平成26年度に医療法人のための事業承継税制が創設されましたが、その内容は中小企業の事業承継税制と全く違う内容になっています。同族のまま事業承継をすると、医療法人が相続人に代り相続税相当額のみなし贈与税を支払うことになるため、一部の医療法人からは、80%引きでいいから、中小企業の事業承継税制に組み入れて欲しかったという意見が出ています。

それは置いておいて、施行日はH26.10.1です。まず、社員総会で持分の定めのない社団への移行を決議しなければいけません。これは財産権の侵害にもあたるため1/2以上とか2/3以上ではなく、全員の同意が必要です。
次に移行計画書の作成をします。移行計画書には、持分の定めのない法人のうち、どの形態の法人に移行するのか。3年以内の移行の期限などを記載します。そして、3年以内に移行を行う旨の定款変更を行います。

次に厚生労働省の認定を受けます。認定を受けた日から3年以内にいずれかの形態の持分の定めのない法人に移行して終了です。

厚生労働省としては、この3年間で現在最も多い持分の定めのある医療法人から持分の定めのない医療法人への移行を促進していますが、税務という現実的なハードルはかなり高いです。さて、どうなることやら・・・
参考:厚生労働省持分なしへの移行.pdf

HERO

ドラマHEROが始まりました。このドラマは2001年にやっていたドラマなのですが、今までに見たテレビで最も好きなドラマです。当時私は税理士試験に合格したばかりで、税理士になった途端難しい案件を投げられ四苦八苦しならが仕事をしていました。試験は受かったものの、実務の難しさを実感し落ち込んでいる時に、このドラマを見て仕事に向き合うことの大事さ。プロってここまでやるんだ!と誠実にしっかり仕事をしていれば、いつか目の前が拓けてくる。と信じ、このドラマに励まされ仕事をしたものです。

このドラマはすぐに続編がでるだろうな。と思っていたのですが、短編や映画は出たものの続編はでませんでした。あれから13年。ようやく続編が出たところです。

主人公のキムタクは20代後半でしたが、40代になっても相変わらずの気怠い服装で仕事をしています。でも、相変わらず緻密でまっすぐな仕事をしていました。この仕事に対する姿勢を見て、私もまわりや利害関係に振り回されず、緻密でまっすぐな仕事をしようと当時思ったのです。

今の私はどうでしょうか。キムタクと同じように年をとったわけですが、仕事にもすっかり慣れ税務調査なども何十回とこなし、税理士になりたての頃の税務調査は緊張の連続でしたが、今は税務署がどんな方向から来ようが動じない図太い神経にまで成長しました。

ただ、ふと思ったのです。私はあの頃のように緻密な仕事をしていないんじゃないかと・・・税理士になりたてのころは条文の細かい部分まで頭に入っています。ただ、細部にまで拘りすぎて全体を見るのが弱かった。今は逆です。全体を見渡せるようになったから重要なことはミスしないけど、細かいところが弱くなったような気がします。13年経ってもキムタクはあんなに緻密なのに・・・ちょっと反省しました。初心に戻り頑張ります。

信託の活用

信託ってご存知ですか?信託とは文字通り、財産などを信じて託す制度です。

信託の典型的な登場人物は3人です。それは委託者(財産の運用を依頼する人)・受託者(依頼を受ける人)・受益者(財産から生じる収益を受ける人)です。この三者は別々の人あるいは法人でも構いませんが、委託者=受託者や、委託者=受益者ということも可能です。財産の所有権は信託という形で受託者に移転しますが、受託者は所有権があっても勝手に財産を処分することはできません。受益者のために管理・運用・処分しなければいけません。

例えば、資産家の高齢者Aさんが居たとします。Aさんは高齢でありもしかして痴呆になるかもしれない。その時に親不孝の子供に勝手に財産を処分されてしまうかもしれないという不安があります。それに備えて自らが委託者=受益者である信託を設定します。この場合の受託者は信頼できる第三者で人でも構いませんが信託会社等でも構いません。生前は自分が受益者で死後は受益者を自分で決めておきます。

また、特別障害者やひきこもりの子などを有する場合、自分の死後にこの子がちゃんと生活できるように、受益者だけをその子にすることも可能です。財産を直接相続しても心配な場合、運用は受託者に任せて、収益だけ受け取れるので安心です。

受益者連続信託というのも有用です。例えば、甲さんの前妻の乙さんの間には3人の子供がいましたが、乙さんに親権を渡し丙さんと結婚したとします。丙さんとの間には子供が居ません。甲さんが亡くなったら後妻の丙さんに財産がいくのはいいとして、すぐに丙さんが亡くなったら、丙さんの親や兄弟に財産が渡ってしまいます。そのような時に受益者(丙)が亡くなったら、甲の財産は乙の子供にいくという事が信託では可能となります。

ただし、これは信託を設定した自分(甲)の財産に限り、30年間という期限付きです。信託を設定してから30年経って最初の相続が起こったときまでが期限となります。

現在子供のいない夫婦は増加しています。そのような人ほど信託は有効ではないでしょうか。

春を背負って

主人公の亨(松山ケンイチ)は都会の投資銀行で働くトレーダーです。毎日何億もの金額を動かしています。ある時山小屋を経営している父が登山客を助けようとして亡くなります。亨はお葬式で実家に戻り、父がやっていた山小屋まで登ります。そこで父の後を継ぎ山小屋を営もうと思うのです。母は反対します。山小屋をやるというのはそんなに甘いものじゃないと・・・それでも亨はやるといって会社を辞めてしまいます。

山小屋経営は1回40キロから60キロの食料品を担いで山を登ります。都会の生活ですっかり軟弱になってしまった亨はそれすらできません。ゴロさん(豊川悦司)はそんな亨とは逆に荷物を楽々背負い、亨の荷物まで持って登って行きます。

ゴロさんは亡くなった亨の父が枕元に立って、亨が一人前になるまで山小屋を手伝ってくれと言われたと山小屋経営を手伝います。亨の父に山で遭難しかけたときに助けられたという愛ちゃん(蒼井優)が運ばれた食材を料理して山小屋に泊まった人たちに提供します。そうやって3人で何とか山小屋をやっていきます。

この映画は人間も自然の中に身を置いている動物の一種なのだと実感できます。都会で生活していると男も女もありませんが、もしくはできるだけ性差をなくそうとしていますが、自然の中ではやはり男は男、女は女なのです。男性じゃなくちゃ50キロもある荷物を背負って山を登ることなんてできないだろうし、女性であるから山小屋で男性は気が付かない気配りができるのです。

この映画を見て、人は自然の中で生かされ、そして生きているんだなぁと実感しました。ゴロさんが途中で言った「人は大人になるほどいろんなものを背負って生きなきゃいけない。地図も羅針盤もない状態で、それでも選択して生きなくちゃいけないんだ」というセリフが特に印象的でした。

かもめ食堂


これはDVDも観たのです。DVDで見た時、なぜ3人の女性がここに来たのか?そして、起承転結の結がないまま終わったような気がして、小説もこうなの?と気になり読んでみました。
小説では、3人の日本人女性がなぜフィンランドに来たのか。主人公の女性がどうやってフィンランドにお店を出したのか。など細かく描かれています。
いつか自分のお店を出したいと思っていた彼女がフィンランドという異国の地において単身で食堂を出します。起業の想いとかお店のコンセプトとか本を読んでみないと分からないことも沢山書いてあって、映画だけDVDだけ観た人は是非、小説も観て下さい。映画で??と思っていた謎が全て解けますよ。

日本で起業する人。特に女性で起業する人まだまだは少数派です。私も起業しましたが、外国でしかも単身で起業するなんて・・・主人公の勇気と天真爛漫さに脱帽の小説でした。