TPPと医療

今月は仕事が忙しく月7本書いているブログが書けなくなるかと焦りましたが、何とか書くことができました。

今回は環太平洋戦略的経済連携協定、いわゆるTPPが医療業に与える影響について考えてみたいと思います。おそらく医療業にTPPが解禁になったら、諸外国は日本の保険制度に参入してくるでしょう。混合診療解禁も訴え、社会保険診療報酬は財源もないので縮小されます。そうすると自然に自費診療が増えます。社会保険診療報酬は疾病に応じて保険点数が決められていますので自然と自己負担額の3割部分も算出されますが、自費診療は基本的に価格は自由に決められます。

自費診療が増え価格の高い自費診療を個人レベルで払えなくなるので、民間の医療保険に入ることになります。現在医療行為は医療法人や個人経営病院・診療所に与えられた特権ですが、社会保険診療報酬があまりなくなれば、例えば自費診療などは株式会社に解禁するような圧力がかかるでしょう。社会保険診療報酬並みの医療収入ではとても病院はやっていけないので自費診療によって医療費の負担はどんどん高くなります。社会保険を払っていても意味がないので社会保険診療報酬制度は崩壊します。そうすると、民間の医療保険に入ることとなり、その民間の保険会社と手を組んだ株式会社病院での診療行為のみ保険を出しますと言います。既存の医療法人の経営は悪化し次々と潰れていきます。そんな夢を見ました。悪夢です。

私はほとんど風邪をひかず病院にはお世話になりません。だから現在、自分が負担している健康保険料より、窓口負担を除いた医療費の方が明らかに少ないです。つまり、現在は負担している保険以下の医療しか受けていないので、一見損しているように感じます。だからといって社会保険料の負担がなくなって自費診療一本になっていいかというとそうでないような気がします。社会保険診療制度は国が管理していますので、とても安い医療費で医療を受けられます。それが自由に設定できてみんなが一斉に値上げしたらどうなりますか?どこで受けても高いなら高いところで受けざるを得なくなります。高い医療費にビビッて民間医療保険に入ったらどうでしょう?今の社会保険負担額と変わらない、むしろ高いかもしれません。そう考えると健康保険料という国の制度から民間の保険に変わっただけで医療費そのものはものすごく高騰しそうな気がします。考えすぎでしょうか。

下町ロケット



夢を諦めきれない中小企業の二代目社長が様々な困難に立ち向かいながらも夢を持ち続けて仕事に奮闘するお話です。

つくだ製作所の2代目社長である佃社長には夢があります。それは自分が作ったエンジンを搭載したロケットを飛ばすこと!佃社長は宇宙科学開発機構で研究員をしていました。自分が研究員だったとき、1度ロケット打ち上げに失敗しています。中小企業の社長になった今でもロケット部品の開発をし続けています。

ある時もともとはつくだ製作所がつくった製品について先に特許申請した大手の企業から特許侵害で訴えられます。そっちが真似したんじゃないか・・・佃社長は憤ります。実はその企業は、小さくても技術があるつくだ製作所の買収を画策していたのです。訴えられたつくだ製作所の得意先は離れていきます。経営難になり、企業内部からも利益を生み出さないロケット開発研究は止めるべきだという声が上がります。でも、佃社長は夢を諦めたくないのです。自分が手がけた部品でいつかロケットが打ち上げられる日を夢見ています。特許訴訟に強い弁護士と出会い、勇気をもらい大企業と戦います。

他の大手企業からロケット開発研究によって特許を取得しておいた製品について、売ってくれというオファーを受けます。特許の使用料という形で契約しても、多くのお金が入ってきます。でも佃社長は自社の製品としてロケットに搭載したいという希望があります。

いわれのない特許侵害訴訟、大手企業の下請けいじめ、経営難になった企業への銀行の冷たさ、従業員や家族の気持ちと自分の夢との乖離、様々な困難を乗り越えて夢を達成します。胸が熱くなり目頭が熱くなるお話でした。沢山あるトラブルの一つ一つに正面から向き合い、それでも夢を諦めないで熱い心を持ち続ける。夢はいつか叶うんだと確信させてくれた本でした。

仕事から得られる感動がたくさん詰まった本です。電車の中で号泣しませんようおうちで読むことをお勧めします。

遺族年金

会社員の夫が亡くなった場合、18歳未満の子供がいれば遺族基礎年金と遺族厚生年金がもらえます。子供がいなくても遺族厚生年金は受け取ることができます。

遺族厚生年金はなくなった人がもらえるはずだった老齢厚生年金の報酬比例部分の3/4を受け取ることができます。ですから、貰える額は、亡くなった方の収入と被保険者期間で変わってきます。ただし、被保険者期間が25年未満の場合は25年加入していたとして計算されます。

18歳未満の子供がいる場合の遺族基礎年金は定額で、子供2人までは1人につき年間226,300円です。子供が全員18歳以上になると遺族基礎年金は無くなりますが、妻は65歳まで厚生年金から中高齢寡婦加算が年額589,900円支給されます。中高齢寡婦加算は夫が死亡した時、妻が40歳以上であれば子供がいなくとも、または子供がいて18歳以上であっても受け取れます。

遺族年金は貰った側の税金は金額に関係なく非課税となります。

達成感・充実感

先日知ったのですが、このブログは多くの資格取得勉強中の方に読まれているようです。今までどちらかというとテクニカル的なお話をしてきました。資格取得はテクニカル的なことも大切ですが、メンタル面はもっと大事です。たまにはそちらの側面から見てみたいと思います。

まず、自分が経験したことで達成感を感じたことは何でしょう?思い浮かべてみて下さい。

どうでしょうか?多くは困難な事を達成した時に感じたのではないでしょうか?人間はわがままな生き物で 5分ですぐできてしまう事には不思議なことに全く達成感は感じないそうです。困難なら困難なほど、時間がかかればかかるほど、それを達成したときに達成感や充実感を感じるそうです。

ですから、そんなに簡単に目標は達成しないほうが実はいいのです。達成感や充実感のない人生なんて味気ないですよね。目標や夢を達成して、過去を振り返った時、何故か大変だったあの時がとても輝いて見えるものです。だから目標や夢は変更することはあっても、決して捨てませんように・・・

県庁おもてなし課

何とか県内に人を呼ぼうと観光促進を目指す高知県を舞台に、県庁おもてなし課が奮闘するお話です。発足されたばかりのおもてなし課は4人だけの小さな組織です。

観光を促進するため香川県のうどん県を宣伝している要潤氏のように、高知県出身の観光特使を探すことから始めます。多くの高知県出身の著名人にお願いするのですが、そのうちの作家吉門氏からも観光特使の承諾を受けましたが、1か月後、その吉門氏から電話があります。「その後どうなった?」と・・・「まだ具体的には何も」と答えるも、1か月以上ほったらかしにして、途中経過の報告もない。君たちに足りないものは’民間感覚’だと叱責されます。君たちだけでは企画は成功しない。公務員でない民間の若い女性を雇う事。20数年前のパンダ誘致事件を提案した人だったら、君たちが考えつかない壮大な計画を考えてくれるとアドバイスされます。

それで女性アルバイトを雇い、誘致事件の当事者である方のアドバイスを受け、奮闘するというお話です。

高知にあるすばらしい自然に触れ、実際に体験することを教えられ何がダメなのかということを身を以て体験することにより分かるということをアドバイザーから教えられます。

アドバイザーは女性アルバイトに聞きます。「どうだった?」と・・・女性アルバイトは答えます「とても素敵でした。でもあの場所は男の山小屋です。トイレもないし、食べるところもない。女性だったら1度は行っても2度目は行かないと思います」

そこで自然を残しながらも居心地のいい空間を作るように努力しようと決意します。県庁の予算は決まっていてわずかな予算で何ができるか考えようとします。そんなお話です。時折出てくる高知の素晴らしい自然に行きたいなぁと思わせる映画でした。

実は高知県には観光振興部おもてなし課が実在します。そのHPを見たら、「おもてなしトイレ」というカテゴリーがあり、覗いてみると観光客が利用するトイレをきれいにしているトイレを公募で紹介していました。そこにはきれいにしている人々とトイレの写真も載っています。実際、お金をかけずそれでいて観光に必要なきれいなトイレを増やそうとしている努力を感じました。

決算後すぐに移転した場合の申告書の提出先

3月決算法人が決算後まもなく移転した場合の税務申告書はどこに提出すればよいのでしょうか?
例えば平成25年3月31日決算法人が平成25年5月2日に移転したとします。移転前の所在地は埼玉県新座市(朝霞税務署、朝霞県税事務所、新座市役所)です。移転後は埼玉県富士見市(川越税務署、川越県税事務所、富士見市役所)だった場合を例に挙げて説明します。

税務申告書の提出期限は通常2か月以内です。5月20日に税務申告書が作成できたとします。5月20日の所在地は埼玉県富士見市なので、法人税・消費税の申告書は川越税務署に提出することになります。

しかし、法人県民税・事業税・法人市民税は現在の所在地ではなく、事業年度終了の日の所在地で判断しますので、法人県民税と事業税は朝霞県税事務所に、法人市民税は新座市役所に提出することになりますので注意が必要です。

マシュマロ・テスト

先月読んだ本の中からもう1つ実験を紹介します。スタンフォード大学の心理学者ウォルター・ミシェルは、4歳の子供たちにマシュマロをすぐに1個もらうか、15分待って2個もらうかを選ばせました。実験の説明をすると、子供の目の前にマシュマロ1個とベルを置いて部屋を出ていき、子供を一人にします。15分待てたら子供はマシュマロを2個もらえます。もし、待てなければベルを鳴らして食べてよいというルールです。

この実験では、待てなかった子供はマシュマロをじーっと見つめ、どんな味がするのかと想像していました。待てた子供は、マシュマロを見ないようにしていました。待てば2倍得するのに、つまり頭では理解しているのに目の前に報酬が置かれるとつい手を出してしまうというのは、人間の本能のようで、私たちの合理性には限界があるということです。これを限定合理性といいます。そして肝心なときに意志力が働かなくなるのです。これを限定意志力といいます。

このテストはこれだけではありません。この4歳児たちの10年後まで調査したのです。一番長く待てた子供たちは、10年後人気が高くて成績もよく、ストレスにもうまく対処しており、学力検査のスコアも高く、前頭前皮質の機能を測定する神経心理学のテストでも良い成績を収めたということです。

つまり、不愉快なことをいっとき我慢して、長期的な目標を達成することができるかどうかということ。この個人差によって、子供の時であれ、大人になってからであれ、人生が大きく左右されるということでした。