電子帳簿保存法が施行され、最近では以前ほど話題に上がらなくなってきました。では、実務ではどの程度対応が進んでいるのでしょうか。電子取引データの保存についても一定の対応が求められており、特にメールで送られてきた請求書や領収書、インターネット上からダウンロードした取引書類などは、電子データのまま保存することが基本となっています。
では、実際の税務調査では、電子帳簿保存法についてどの程度確認されるのでしょうか。私はここ数年、何件か税務調査に立ち会っていますが、これまで調査官から電子帳簿保存法について具体的に質問されたことは、一度もありません。もちろん、だから対応しなくてもよいということではありませんが、少なくとも現時点では、税務調査の中心的な確認事項になっているという印象はありません。
一方で、電子メールで受け取った請求書などを紙に印刷して保存するだけでは、制度上問題となる可能性があります。また、クラウド会計を利用していても、会計データの保存と電子取引データの保存は別の問題です。電子帳簿保存法への対応は、「税務調査で聞かれるかどうか」だけで判断するものではありません。自社の取引実態に合わせ、無理なく継続できる方法で電子データを適切に保存しておくことが大切です。

