ふるさと納税見直し

平成31年度税制改正大綱では、指定を受けた自治体以外への寄附はふるさと納税制度の対象外となります。指定を受ける基準とは、①返戻割合は寄付額の3割以下であること。②返礼品は地場産品であること。この2つの要件を満たさないと、ふるさと納税の対象とはならなくなります。

総務省はこの度、この要件に違反している自治体(実質3割超52団体)(地場産品以外100団体)を発表しました。
それがこちらとなります。総務省ふるさと納税
この取り扱いは平成31年6月1日以後に支出された寄附金から適用されます。ですから今後はふるさと納税の選べる品や種類が限定されてきます。

これは平成27年頃から、ふるさと納税の受入額と受入件数が大幅に伸びて、平成27年度には受入額1,652億円(件数191万件)から平成29年度には受入額3,653億円(件数1,730万件)にまで増えて、自治体同士の返礼品の充実に力を入れ始めたことと、利用しやすい制度改革が大きな要因となります。特に返礼品の充実は過熱の一途をたどり、ふるさと納税という本来の趣旨から逸脱した返礼品合戦になりました。そこで総務省はこのような要件を出したのです。今後大幅にふるさと納税制度が変わりそうです。

国際観光旅客税

今月1月7日より国際観光旅客税が課税されています。これは、日本から海外に出国する際に一人1回1,000円の税金を徴収するというものです。実際には航空券に上乗せする形で強制的に徴収されます。日本人が海外に行く場合は行く時に、外国人が日本に来るときには帰る時に課税されることになります。

ただし、非課税になる場合があります。それは出国する時の年齢が2歳に満たない子供や、日本を乗継として利用する場合(24時間以内に出国する場合に限る)の乗継旅客、天候が悪化したため日本に緊急着陸しその後出国した場合には非課税とされています。

また、楽器などの座席スペースを確保するために1人で2席分の航空券を購入した場合は1人分の国際観光旅客税で済むことになっております。国際観光旅客税の創設により初年度は60億円の税収を確保し、平年度は430億円の税収を確保することを目標としています。

金融庁是正勧告

金融庁が生命保険各社に「可及的速やかに見直してほしい」と是正勧告をしました。1つは、法人向け定期保険でもう1つは、ドル建て一時払い終身保険です。

法人向け定期保険は節税目的で日本生命がプラチナフェニックスという保険を発売したのですが、それがバカ売れしました。こちらの保険は保険料全額を損金算入できるもので、付加保険料を契約期間の後半に厚めに乗せるといった過度の調整を行うことにより解約返戻金の返戻率が高くなる商品。

もう一つは、ドル建て一時終身保険ですが、こちらの貯蓄性保険は運用コストや実質的な利回りが分かりにくく、パンフレットに載せている積立利率があたかも実質利回りのような誤認をさせる可能性があることを踏まえ改善の必要性を求めました。

保険会社と金融庁または国税庁とは、いつもイタチごっこです。保険会社は売れる商品を開発し、金融庁(または国税庁)は行き過ぎた節税商品を封じ込めます。まぁ経済の原理で仕方ないですかね。これはこれからも変わらないのでしょうね。

年末調整が始まります

そろそろ、人事や会計事務所に年末調整の書類を提出して下さいと言われる時期になりました。ちなみにうちの事務所は既に2つの法人から書類を受け取っています。今年の年末調整の書類は昨年までと大幅に変わっています。特に変わったのは「給与所得者の配偶者控除等申告書」(マル配)です。

これは新設された書類で書き方も複雑です。配偶者がいる場合、配偶者の所得だけではなく、本人の所得も細分化して配偶者控除額や配偶者特別控除額を記載するからです。ちょっと難しいので書き方について詳しく説明した見本を添付します。是非ご活用下さい。
配偶者控除等申告書書き方

この申告書は、結婚している人で本人の合計所得金額が1,000万円以下(給与のみなら年収1,220万円以下)で、かつ、本人の配偶者の合計所得金額が123万円以下(配偶者が給与のみなら年収201万6千円未満)の場合に記載することになります。

事業承継税制の背景

我が国の中小企業は平成11年には483万社でした。ところが年々減少し、15年後の平成26年には380万社になっております。この15年間で約100万社もの中小企業がなくなりました。また、平成7年には経営者年齢のボリュームゾーンは47才でしたが、平成27年には経営者年齢のボリュームゾーンは66才になっております。これは20年前の経営者がそのまま当時のボリュームゾーンがそのままスライドした形になっています。

今後10年間に代表取締役が70才以上になるのが254万社あり、そのうち半分が後継者が決まっていないというのが現状です。そうしますと、2025年には650万人の雇用が失われることになり、GNPが22億円減少します。しかも利益が出ていて有能な会社でも後継者がいないという状態です。

そこで国が立ち上がりました。650万人の雇用が失われGNPが22億円も減少したら大変だ!と・・・いわば政府が後継者をなかなか決めない中小企業に痺れを切らして、今回の太っ腹税制が誕生したのです。確かに今の経営者は生涯現役を目指す方も多く、後継者をはっきり決めるということは自分が立ち退くということを前提に決めるので腰が重いというのも事実です。この税制ができたおかげで税理士としても後継者問題の話がしやすくなりました。

振り込め詐欺は雑損控除できるか?

平成29年の振り込め詐欺被害は378.1億円となっています。銀行でもテレビでも雑誌などでも盛んにPR活動しているにもかかわらず、一向に減る気配がしません。それでは振り込め詐欺は税務上の救済措置(雑損控除)はあるのでしょうか?

雑損控除は「災害」「盗難」「横領」による損失があった場合です。振り込め詐欺は盗難のような横領のような気もしますが、こちらはどちらにも当てはまらなく雑損控除は受けることができません。なぜならば自分の意思で振込送金しているかららしいです。

それに対して、パソコンのウィルス感染によるネットバンキングでの不正送金による損失は「盗難」に該当するので雑損控除の対象となります。詐欺は雑損控除できなく盗難はできるのです。ご注意下さい。

災害義援金

連日の酷暑に引き続き、7月には豪雨や台風の大きな被害もありました。西日本を中心に広い範囲で災害救助法が適用されて、被災自治体への義援金以外にも日本赤十字社や中央共同募金会などに対する寄付も「ふるさと納税」として取り扱われます。

ふるさと納税にはサラリーマンなど年末調整だけで事が足りる人に限ってはわざわざ確定申告をしなくても寄付金控除ができるように「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が利用できますが、この度の災害義援金はふるさと納税に該当するものであってもこのワンストップ特例制度は利用できません。ですから災害義援金を行って税額控除を受けたい方は確定申告をする必要があります。

また、被災地の救援活動や救護活動などを行っている認定NPO法人などに対する寄付金は、ふるさと納税ではなく「認定NPO法人に対する寄付」となります。これは税金の負担を軽減することはできますが、ふるさと納税には該当しません。

仮想通貨業者からの金銭返還額

仮想通貨が不正アクセスにより平成29年には6億6240万円もの被害が出ました。仮想通貨業者は信頼を失わないために、顧客に金銭によって補償を行うケースもありました。この金銭返還は所得になるのでしょうか?

損害賠償金は通常非課税所得となりますが、このケースは損賠賠償金になるのでしょうか?こちらについては、先日、国税庁のタックスアンサーで明らかになりました。

仮想通貨業者から受けた返還金は貰った金額で仮想通貨を売ったものとみなして雑所得により課税されるということです。つまり返還額を雑所得の収入金額としてそもそもその仮想通貨を購入したもともとのお金を費用として、収入から費用をマイナスした金額がプラスなら雑所得となしますし、マイナスなら雑所得のマイナスになるので他の所得と損益通算できませんが、同じ雑所得同志であれば、内部通算することができます。ご参考までに・・・

民泊収入は何所得?

政府は2020年のオリンピックに向けて訪日外国人旅行者を受け入れる施設としてホテル等の他に「民泊サービス」が期待されています。では、これらを貸したことによって得る所得は何所得でしょうか?

一般的に不動産を賃貸することによる収入は不動産所得ですが、民泊の場合は、「一般的に、利用者の安全管理や衛生管理、また、一定程度の観光サービスの提供等を伴うものですので単なる不動産賃貸とは異なり、その所得は、不動産所得ではなく、雑所得に該当します」としています。ですから、確定申告時には不動産所得ではなく雑所得となります。

不動産所得にしても雑所得にしても税率は同じ(所得税法による超過累進税率)ですが、不動産所得は青色申告を行うことができ、かつ、他の所得と損益通算(例えば給与所得から不動産所得が赤字だった場合給与所得から不動産所得の赤字部分を控除できる)できますが、雑所得は例え赤字だったとしても損益通算できません。

一戸建ての場合は構いませんが、マンションの場合、民泊禁止している物件もありますので注意が必要です。ちなみに私が知っているすべてのマンションは民泊禁止です。もともと年末調整だけで確定申告をする義務がない人は年間民泊収入が20万円以下の場合については確定申告をしなくても構いません。

事業承継税制1

平成30年税制改正の大きな目玉は何といっても「事業承継税制」です。今日本の中小企業の経営者は、高齢化が進み何らかの形で自分の会社を誰かに引き継ぎたいと考えていますが、子供の問題だったり税制の問題だったりしてうまく引き継ぎができなくなっています。2017年に団塊の世代が70歳代になったことにより「2017年問題」として話題になりました。中小企業のほとんどが70歳過ぎても社長を続けていて、20年前には経営者年齢の山は47歳でしたが、今は66歳になっています。2020年までに新たに70歳に達する経営者は約31万人います。最大の問題は後継者不在です。50歳代で後継者が決まっていないのは約75%ですが、60歳代でも54%、70代でも44%、80歳以上でも3分の1が後継者不在になっています。このままでは日本の多くの中小企業が潰れます。会社が無くなるということは税収も少なくなり雇用もなくなりGNPも減少します。これは国家のためにも国民のためにも大惨事なのです。

そこで今回、事業承継税制の抜本的改革が行われました。昨年10月に医療法人の事業承継税制である認定医療法人制度もびっくりするくらい画期的でしたたが、中小企業を対象にした今回の事業承継税制はそれ以上に画期的で大盤振る舞いの制度です。自社株を後継者に譲る場合通常何らかの税金がかかってきますが、事業が上手く引き継げて雇用を維持してくれたら無税にするよ!(実際には要件を満たしてくれたら無税にするので納税猶予といいます)という制度です。これは期限が決まっていて平成30年4月1日から平成35年3月31日までに事業承継計画を都道府県知事に提出して認定を受ける必要があります。今までも事業承継税制はありましたが、全株式対象ではなく総株式数の3分の2までで税金の猶予はその80%でした。ですから100%全て経営者が持っていたとしても100%×2/3×80%の53.3%しか納税猶予されなかったのが100%納税猶予となります。また後継者は1人でしたが今回の改正で最大3人の後継者が選べるようになりました。雇用確保維持要件などもゆるくなりかなり使いやすくなりました。中小企業の経営者様には是非活用していただきたい税制です。