印紙税の非課税および軽減措置

令和4年度税制改正により印紙税の軽減措置が延長されています。具体的には不動産の譲渡契約書や建設工事請負契約書が2024年3月31日まで軽減されています。また、新型コロナウィルス感染症等により経営に影響を受けた事業者に特別貸付を行う場合の消費貸借契約書も2023年3月31日まで非課税となっています。そして学生の学資資金の貸付けに係る消費貸借契約書も2025年3月31日まで非課税となっています。当事務所にも印紙税の本がありますが、上記は時限立法の法律なので本とは違います。しばらくは下記を参考に判断して下さい。↓
印紙税額(R4.4現在)

相続登記における登録免許税

相続により土地を取得した人が相続登記を行わず死亡した場合には、令和4年3月31日までは登録免許税を課さないというものがありましたが、こちらが税制改正により令和7年3月31日まで3年間延長されました。

また、不動産価額が100万円以下の土地にかかる登記についても、不動産免許税の免税金額は10万円から100万円に引き上げられたことから、以前は市街化区域外の土地に限られていましたが、今後は市街化区域内の土地も免税対象とされました。

詳しくは下記の法務省のホームページで説明しています。このキャラクターのキツネはトウキツネというらしいです。
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00343.html

退職所得の受給に関する申告書

2022年4月より「退職所得の受給に関する申告書」の形式が変更になっています。それがこちらです。↓
2022.4退職所得の受給に関する申告書
退職所得の受給に関する申告書は長い間同じ様式でしたが、今年の1月と4月に改正があったので用紙も変わりました。1月に改正があったのは勤続年数が5年以下の従業員の退職金について退職所得控除額を控除しても300万円以上ある場合には、その超える部分には1/2課税ではなく全額課税になります。

そもそも退職所得控除額は20年以下の勤務の場合、1年当たり40万円ですから勤続年数が5年だと40万円×5=200万円までの退職金については税金がかかりません。この控除後の金額が300万円以上あるということは最低でも500万円を超える退職金を5年しか勤務していない人にあげるというものです。ちょっとおかしいですよね。これが公務員の天下りでよく行われていました。給与は安く年金をあまり減らされないようにして、退職金をガボっともらい、また天下る。税金を上手く利用したやり方です。それはちょっと違うだろうということで改正されました。

4月改正は確定拠出年金法の改正が2022年4月から施行されまして、老齢給付金の受給開始時期が70歳から75歳に延長されたのでそれに合わせてこちらも改正されました。確定拠出年金は受取りに関して一時金か年金かいずれかが選択できます。年金として受け取る場合は雑所得ですが、一時金として受け取る場合、退職所得になります。その関係で退職所得の受給に関する申告書も変わりました。前回は民法(18歳以上成人)の改正で税法が変わった点をお話しましたが、今回は確定拠出年金法の改正で税法が変わりました。

もうすぐ春

税務には特別控除や税額控除などがあります。ただ、その適用を受けるためには、まず適用要件を満たしていることを確認して、様々なデータや必要書類をかき集め、要件に合致した別表や付表に正確な数値を記載しなければなりません。ものにもよりますが、要件を満たすので散々計算した結果、適用除外なんてこともあります。要件や計算方法はかなり複雑でこんな計算素人には絶対できないと思うようなものばかりです。

適用になればやった甲斐がありますが、それでもこの適用を受けるためにかなりの時間を費やして調べたり集計したり別表や付表を作ったりします。私は税理士だからプロとして勿論やりますよ。でも毎年毎年改正になって複雑化する税法は何とかならないでしょうか?まぁ頑張った人の特典として特別控除や税額控除があるような気がします。

でもこんなに時間をかけてやっているって顧問先には伝わっていないだろうなぁと思います。報われない恋のようです。でもプロとして頑張ります!春が近づいていますが、寒くなったり暖かくなったり寒暖差が激しい季節ですが、皆さまもお身体ご自愛くださいませ。季節の中で一番好きなのは春です。もうすぐ春です。あと少し頑張ります。

怒っている

今年も確定申告の時期になりました。当事務所は1月中に書類を送ってもらえると割引をすることにしているので早々と書類が送られてきました。1月中は法定調書・支払報告書・償却資産税の申告があるので月末までバタバタでしたが、お客様が1月中に確定申告の書類を送ってくれたおかげで2月1日からスタートダッシュで確定申告をすることができます。本当に有難いです。

今年からふるさと納税が電子添付できるということだったので、さっそく試してみようと思いました。ほとんどのサイトが2月1日から電子化データを発行するということだったので、スタート一番で試したのです。そうしたら、なんと、税理士が代理送信する場合はできないという事が発覚しました。マイナポータル経由でないと電子発行の証明書が添付できないのです。は?これで少しは楽になると思っていたのに何だよ!と怒っています。

昔紙で申告していた時は、丁寧なお客様だと医療費控除をエクセルで集計してくれていたりして、私は合計額を申告書に入力してあとはお客様に作ってもらったデータを添付するだけでした。それが電子申告になってから再び税務ソフトに入力しなければならず二度手間!で怒っていたのです。それが今回のふるさと納税の寄付金控除も結局使えないのなら全部入力しなければなりません。昨年9月からデジタル庁発足しましたが、本当に多くの国民にデジタル化を促進しているのでしょうか?高額所得者は税理士が代理送信することが多いので税理士が使えないなら意味ないのです。改善を求めます。

相続時精算課税が進まない理由

令和5年税制改正で相続と贈与の一体課税が検討されています。今は暦年贈与と相続時精算課税は選択適用ですが、国としては相続時精算課税一本にしたいようです。相続時精算課税は何故利用する人が少ないのか?それはいくつもの不都合があるからです。

①相続時精算課税は贈与時の評価が相続時においても採用されます。ですから実際の相続になった時に、評価が上がっていればあの時贈与しておいて良かったねとなりますが、その逆だと納税者はとっても損をした気分になり、それを提案した税理士にもとばっちりが来そうです→この場合、相続時と贈与時の評価の選択適用とすれば相続時精算課税制度はもの凄く増えると思います。②一度相続時選択制度を利用したらその後の少額贈与についても暦年課税は使えず全て相続時精算課税になってしまいその度に贈与税の申告が必要になる。→相続時精算課税と暦年贈与が選択制である限りこの不満は解決しません。③相続時精算課税では小規模宅地の特例が使えない。→この点も税理士がお勧めできない点の一つです。④相続がいつ起こるか分からないので例えば50年後になったりすると税理士が管理できない。→履歴の管理は税務署等がやるようにしない限りこの点は難しいのではないかと思います。

上記のような問題点を解消した上での相続時精算課税なのか。それとも相続時精算課税はスパンが長すぎるので相続前10年以内贈与(今は3年です。10年は例えばです。)は相続財産に含まれるとするのか。どちらがましかというと、相続前〇年以内贈与ですが、相続時精算課税一本にするなら上記不都合点の改正も要望します。

電子帳簿保存制度その3

日経新聞に電子保存義務化2年猶予の記事が出ました。来年1月から電子取引について電子保存を義務化するという改正でしたが、やはり無理だと思ったのか2年延長になりました。東京税理士会豊島支部の法対策部でもこちらについては各部員が「突然すぎて無理がある」「中小企業の事務負担が大きい」「青色申告取消とは何事か」と意義を申しておりました。おそらくうちだけではなく全国の税理士や納税者から批判が殺到したのだと思います。

それでもうちは税理士事務所ですから、顧問先様がどうすれば一番やりやすくて負担なくできるのかを夏くらいから検討に検討を重ねていて、やっと良い案が完成して12月から各顧問先に連絡を済ませたところでした。ですから、この記事を見た時、正直ドテーという感じでした。ただ、この記事では「2年間は引き続き紙での保存も容認する。企業の申し出に応じて税務署長が判断する。」となっています。

ですから、電子帳簿保存制度そのものが無くなったわけではなく、届出により2年間時期を延ばせるのかもしれません。近いうちに国税庁から通達がでると思いますが、当事務所はもうシステムを用意してしまったため、このまま顧問先がやる気があれば電子取引だけは電子帳簿に移行します。顧問先様には2年後に備えて電子帳簿保存のやり方に慣れていただき、できれは2年後には電子取引だけでなく、帳簿取引も含めて電子化できれば良いかと思っています。最近、助成金や税務改正に振り回されっぱなしです。

電子帳簿保存制度その2

東京税理士会法対策部の今年の支部共通課題は税理士法の改正についてと相続贈与一体課税についてです。その他にも各自が改正要望を出せます。そのその他で一番多かったのが電子帳簿保存制度についてでした。この制度はあまりにも突然だったし事前告知もあまりないまま実行しなかったら青色申告取消要件になるという随分と無理のあるものでした。そりゃ全国の税理士が反発します。私も電子帳簿保存制度については要望書を記載しました。

この制度は大きな法人だけでなく、1人でやっている青色申告者でも対象になるので、その人達に周知されないまま来年1月から制度が実行されて、タイムスタンプの機能を備えたソフトウェアをすぐ購入できるくらいの組織ならまだしも、そこまでお金をかけられない事業者が大多数のまま実行してしまっていいのだろうか?と思っていました。税理士会の反発が多かったからかどうかは定かではありませんが、国税庁が11月12日付けで下記の通知を出しました。↓
国税庁通知R3.11.12

こちらの最終ページに問42の補足説明として付記されました。「これらの取扱いについては、従来と同様に、例えば、その取引が正しく記帳されて申告にも反映されており、保存すべき取引情報の内容が書面を含む電子データ以外から確認できるような場合には、それ以外の特段の事由が無いにも関わらず、直ちに青色申告の承認が取り消されたり、金銭の支出がなかったものと判断されたりするものではありません」どてーっという感じです。人騒がせな・・・まぁ良かったのでしょうけど、こっちは大騒ぎですよ。まったくもう。。

電子帳簿保存制度

来年1月から電子帳簿保存制度が始まります。大きな会社からはソフト会社から営業が来ている。どうすれば良いか?というお問合せがあります。まぁ、資金的に余裕がある企業はそれでも良いかと思いますが、多くの中小企業はそうはいかないと思います。ずばり、ソフトを買わなくてもなんとかなります。取引には、帳簿取引と書類取引と電子取引の3種類あって1月から強制適用されるのは電子取引のみです。帳簿取引と書類取引については、原則は紙保存で特例として電子保存でも認められていますという立場です。電子取引とは初めからデータでしかない取引の事で、例えばインターネットを通じて購入したインターネット上に請求書等があるものや銀行取引で通帳がなくダウウンロードしたものなどです。下記参照↓
帳簿書類の保存方法(図解)

ですから慣れるまでは帳簿取引と書類取引については現行のまま紙保存をしてとりあえず、電子取引についてどうするかを考えればよいかと思います。市販のソフトを使うと電子データにタイムスタンプなどを付すだけで保存データになりますが、基本料の他に1データに付き10円ずつ割増しでかかってくるケースがほとんどです。ですからお金をかけたくない会社は自分でPDF化してそのデータファイル名に受領した日付、相手先、金額を付しましょう。例としては「20220602/(株)国税商事/165,000」のような感じです。それを取引の相手先や各月などの任意のフォルダに格納して保存します。そして国税庁のサイトから事務処理規程をダウンロードして作成し備え付けます。これで当面の間、凌いでください。こちらは弥生会計が公開している小規模事業者向けの事務処理規程です。カスタマイズしてお使い下さい。↓
02_適正事務処理規程(スマホ小規模企業者)

令和4年度税制改正要望書

各省庁から来年(令和4年度)の税制改正についての要望書が提出されました。それが以下となります。https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2022/request/index.htm

これを踏まえて来年の税制改正大綱が完成するわけで、年末に国としての税制改正大綱が決まり来年3月の国会を経て4月から施行となるのが通常のパターンです。今年秋には東京税理士会はもう令和5年度の税制改正要望を出していきます。

税制改正要望書をじっくり読むと未来の税務が見えてきます。要望は必ず通るわけではありませんが、各省庁の考えが良く分かります。事業を営む者にとって、経営マネジメント力も大事ですが、こういった未来の税制を読むことで事業転換していくことも重要かと思います。中小企業の方は財務省や経済産業省の要望書だけでも見ておくと参考になります。また、医療法人についてはさらに厚生労働省の要望書を見ることをお勧めします。この国がどういう方向に行こうとしているのか少し分かります。