電子帳簿保存制度

来年1月から電子帳簿保存制度が始まります。大きな会社からはソフト会社から営業が来ている。どうすれば良いか?というお問合せがあります。まぁ、資金的に余裕がある企業はそれでも良いかと思いますが、多くの中小企業はそうはいかないと思います。ずばり、ソフトを買わなくてもなんとかなります。取引には、帳簿取引と書類取引と電子取引の3種類あって1月から強制適用されるのは電子取引のみです。帳簿取引と書類取引については、原則は紙保存で特例として電子保存でも認められていますという立場です。電子取引とは初めからデータでしかない取引の事で、例えばインターネットを通じて購入したインターネット上に請求書等があるものや銀行取引で通帳がなくダウウンロードしたものなどです。下記参照↓
帳簿書類の保存方法(図解)

ですから慣れるまでは帳簿取引と書類取引については現行のまま紙保存をしてとりあえず、電子取引についてどうするかを考えればよいかと思います。市販のソフトを使うと電子データにタイムスタンプなどを付すだけで保存データになりますが、基本料の他に1データに付き10円ずつ割増しでかかってくるケースがほとんどです。ですからお金をかけたくない会社は自分でPDF化してそのデータファイル名に受領した日付、相手先、金額を付しましょう。例としては「20220602/(株)国税商事/165,000」のような感じです。それを取引の相手先や各月などの任意のフォルダに格納して保存します。そして国税庁のサイトから事務処理規程をダウンロードして作成し備え付けます。これで当面の間、凌いでください。こちらは弥生会計が公開している小規模事業者向けの事務処理規程です。カスタマイズしてお使い下さい。↓
02_適正事務処理規程(スマホ小規模企業者)

きみはなぜ働くか。

私は長いこと働いていますが、税理士になって21年、40年が社会人としての人生だとしたら、社会で言えば中堅です。社会人後半に突入しつつある段階でなぜ働くのか?という事を身近に感じたくてこの本を手にしました。

結論から言えば、この本は私のような中堅に向けた本ではなく、どちらかというと新卒というか社会人になってまだ浅い人に向けた応援メッセージのような本でした。そう言えば税理士になりたての頃は、頑張ろうという気合と重い責任の仕事に押しつぶされそうになりながら、自分の力のなさに落胆したりしながら仕事をしていたのを思い出しました。それでもお客さんのありがとうと言う言葉を聞くと嬉しくなったり、様々な感情の中で仕事をしていました。

独立してからはスタッフの事をお客様の事以上に考えなければならなくなったりもして、まだまだ色々頑張らないといけません。それでも自分は今後どのように税理士として生きていくかというのも考える時期にもきています。初心忘るべからずを思いだすきっかけになった本でした。後半戦に突入した仕事人生、過渡期にきている税理士の仕事についても、まだまだ色々考えなくてはなりません。もう少し頑張ってみます。

新しいセミナー形式

今年になってからのセミナー講師の仕事は対面形式ではなく、WEB形式というのを何回かやっています。昨年はセミナーの仕事はコロナの影響で1回もなかったのですが、一昨年までは100%対面方式でした。今年はまだ全てのセミナーが復活したわけではありませんが、WEBセミナーが2件、対面セミナーが1件です。

対面セミナーはまだ安心できないという事で受講者が一昨年に比べて激減しています。大体1/5くらいの人数になっています。そりゃそうです。地方から東京に来るのは怖いと思います。WEBセミナーは1つは受講生の顔が何人か見えるものでしたが、もう1つは受講生の顔が全く見えなかったので、様子を汲み取る事ができなかったのが難しかったです。

WEBセミナーは受講する側からすると気軽で便利な制度ですが、講師側からするとかなり難しいセミナーだと感じました。少ない人数のセミナーでしたら全員の顔を見てセミナーもできますが、人数が多いとそれもできず、今後の課題となりました。世の中コロナ禍でどんどん変わります。

奨学金制度

セミナー講師をしなくてはならなくて、奨学金制度の復習をしました。ご存知の通り、日本学生支援機構の奨学金には貸与奨学金(利子あり/利子無し)と給付奨学金があり、給付奨学金は学業が優秀なのに世帯収入が低い学生に渡される返還不要な奨学金です。貸与奨学金は就職してから返済しなければならない奨学金で利息があるものと無いものがあります。成績が良くて世帯収入も一定以下ですと無利子の奨学金、その他は有利子の奨学金です。有利子と無利子は併用で借りることもできます。

気を付けなければならない点は奨学金の振り込みは実際に大学に通うようになってから行われるという点です。つまり、受験費用や入学金、その他入学準備に必要な時期はまだ、奨学金の入金がありませんから、その期間のお金をどうするかを検討しなければなりません。学資保険が満期になって充当するとか、それまで貯めていた預金を切り崩すとか、一時的に国の教育ローンに頼るとかの方法の検討が必要です。

返済方法は卒業後から毎月同じ額を返す定額変換方式と所得に連動して金額が決まる所得連動変換方式があります。途中で病気や失業して返還が困難になった場合は一定期間減額して返還する制度や返還を猶予して先延ばしにする方法もあります。いくら借りたら良いのかは行く大学であったり、自宅通学か別居通学かにもよりますので一概には言えませんので、あらかじめ収入と支出の計画を立てて無理のない範囲内でプランニングすることが大事です。日本学生支援機構のホームページでは収支の推移(ライフプラン)をシミュレーションすることもできます。また、奨学金の制度は結構変更もありますので定期的にホームページをチェックすることも大事です。

新型コロナウイルス感染症感染拡大防止継続支援補助金

またまた出ました。医療事業者対象の補助金です。今までも似たようなものが出ましたが、今回は対象期間が令和3年10月1日から令和3年12月31日までに支出したものになります。補助金額は無性診療所8万円、有床診療所は10万円です。感染拡大防止対策に要したかかりまし費用に対して補助されます。これまでに新型コロナウイルス感染症感染拡大防止・医療提供体制確保支援補助金を貰っている医療機関も対象となります。

病院などでしたら、入院患者内に感染を広げないためにお見舞い制度を見直して直接会うのではなく、WEBを利用して面会をするように、そのための機材を購入した時なども対象になります。金額は大きくはありませんが、せっかくだから色々考えて第6波の感染を広げないためにもさらに感染拡大防止対策をするのはどうでしょうか?

Q&Aも出ましたので下記も参照して下さい。
令和3年度新型コロナウィルス感染症感染拡大防止継続支援補助金Q&A

調査研究部

今年から東京税理士会(本会)の調査研究部で活動しています。調査研究部ではもう令和5年度の税制改正要望についての検討が行われています。それぞれの部員が①法人税②所得税③消費税④相続・贈与税⑤地方税⑥納税環境整備の班に分かれて検討します。どの班になりたいかは挙手で、1つに手を挙げてもいいし、複数挙げてもいい。ただし、所属するのは1人1か所です。

今税制は過渡期なので、私としては新しい税務を研究したいという思いから、インボイス制度が始まりそうな③消費税と、相続贈与の一体課税が始まりそうな④相続・贈与税とデジタル庁の発足により大幅に手続きが変わりそうな⑥納税環境整備に手を挙げました。一つしか手を挙げない先生はそれが優先されるので私はちょっと欲張りすぎました。それで消費税は立候補者が少なかったので③消費税になりました。

そこで知りました。東京税理士会は過去においても現在までもインボイス制度には反対しているから令和5年度までは反対の立場で行くということでした。もう、ほぼインボイス制度は始まるのでインボイスの研究ができるかと思っていましたが消費税に挙手してしまって後悔しています。私もインボイス制度には反対ですが、でも反対できる環境でも無くなってきているのでそれなら、インボイス制度の問題点をどう変えていくかということを検討したかったのですが、反対という立場になるとそこも検討できません、ちょっと残念です。

総理の夫

日本ではまだ女性総理大臣が誕生していないので、総理の夫も誕生していません。日本の女性初代総理大臣とその夫の話です。こんな女性総理大臣が居たら心の底から応援したいなと思うお話でした。また、夫も理解ある夫です。女性総理大臣をはめようと夫にハニートラップを仕掛けてそれをネタに総理の地位から引き下ろそうとするときの、女性総理大臣の毅然とした態度は本当に素敵でした。

おじいさん政治家が女性総理人気にあやかって女性総理大臣に仕立てた後、消費税増税を反対して引きずり落そうとする様は本当にありそうで何か嫌な政治の世界を見てしまったなと思いました。女性総理大臣はただ、日本という国を良くしたいと思う心だけで活動します。とても純粋な政治家でした。

途中である事があって政治家を辞めるのですが、そこで続けてくれたらもっと働く女性にとって勇気を貰えたのになぁと思いました。しかし終り方がこれから再び総理大臣を目指すということでしたのでその点が救われました。未来の女性総理大臣誕生に向けて免疫を付けておくためにも観ておいた方がいい映画です。