ポルトガル映画の巨匠マノエル・ド・オリヴェイラ監督の古いフィルム作品を没後10年記念として、現在の4Kデジタル映画に補修復元して作られた作品です。OLIVEIRA2025として5作品復元されましたが、その1作品がカニバイシュです。私が見に行った日だけ上映後トークショーがあったので観ました。正直な感想は「なんじゃこりゃ」です。小学校5年生くらいの男の子が考えたようなそんな映画でした。
全ての言葉がオペラで歌われるので物語の展開が早いのですが、解説らしきものもオペラで歌われます。前半は1人の女性を巡って三角関係が発生しているようでした。B氏は女性を好きで、女性はA氏を好きで、でもA氏は一身上の都合でそれを拒む。それでも女性に押されて結婚しますが、結婚初日で一身上の都合を知り女性は拒絶、A氏は自殺。後半はもうハチャメチャ。どちらかというと壊しにかかっているような映画。終わってから何が言いたかったんだろう。と放心状態になっている時にトークショーが始まります。
あっ私だけじゃないんだ皆そう思っているんだと安心してトークショーを見ました。トークショーの最後にこの映画は1回観ただけでは分かりません。2回目を見てください。それでも分からなければ3回目を見てください。何かが見えてくると思いますというトークショーの締めくくりでした。いや。内容が分からないわけじゃないのです。時代背景が違い過ぎるから分からないのか。異国の地だから分からないのか。色々考えましたが何を言わんとしているのか分かりません。ただ、この映画を2回とは見たくないと思ったのが正直な感想です。