事業継続力強化計画の認定

税理士吉田久子事務所は6月に事業持続力強化計画の認定を受けました。これを受けたからって助成金が受けられるわけでもありませんし、何か得することがあるかというとそうでもありません。強いて言えば防災設備などを購入した場合特別償却(20%)の税制措置を受けられることでしょうか?まぁこれも減価償却の先取りに過ぎないのでそんなにメリットあるわけではありませんが・・・

最近、コロナや大雨などの震災が相次いでいます。そこでこれらが生じた時、事務所としてどう対応するかを多角的に計画するのがこの制度です。自分の事務所を第三者的に見て、冷静に計画し、実際に災害が起こった時に備えるというものです。これに対して経済産業大臣が認定する制度なのです。申請書はA4で6ページ作成しました。

具体的メリットとしては、①中小企業庁で公表され、認定ロゴが使用可能になること。(これによって防災・減災の取組を行っているというアピールになる)②先ほど言った防災設備を購入した際に20%の特別償却を受ける事ができる。③ものづくり補助金や小規模事業者持続化補助金などの審査の加点項目になる。④低利融資を受ける事ができる。(設備資金融資の基準金利から0.9%引き下げ)くらいです。そんなに凄いメリットはありませんが、自社の弱みや災害時にどうするかを見直す良いきっかけになったと思います。

クスノキの番人

東野東吾氏の作品ですが、殺人事件などはありません。人生やや投げやりになっている青年(玲斗)が警察に捕まったところ、亡くなった母の腹違いの姉(千舟)がクスノキの番人をやるという条件で助けてくれます。特にやる事がなかった玲斗はその条件を受けます。クスノキの番人というのが何なのか分からないまま・・・

伯母の千舟はクスノキの番人をやっていましたが、高齢な事と自分に子供がいないので後継ぎがいません。唯一血が繋がっている玲斗を後継者としたかったのです。神社の裏に大きなクスノキがあってその幹に大きな穴が空いています。そこで満月と新月の夜に予約制で祈念が行われるのです。その番人です。祈念が何か分からず千舟に聞いてもそのうち分かるとしか言われながらも祈念に来る人と接していきます。

それは血のつながったもの通しでしか経験できない不思議なクスノキのパワーです。念を預ける行為を祈念、受け取る行為を受念といいます。これは良くも悪くも全ての念が伝わります。文章では表現しきれない微妙な感情まで伝わります。音でさえ伝わります。この本を読み終えたとき、こんな木が日本のどこかにあるような気がしてしまいました。ほっこりする東野ワールドがそこにありました。

癒しのころろみ~自分を好きになる方法~

新卒で入社したブラック企業の広告代理店で仕事に挫折した主人公里奈(22歳)が退職届を出したその日街をぶらぶらして、セラピーのイベントに立ち寄ります。そこでカリスマセラピストの施術を受け、「身体と心は繋がっている。身体が元気になると、心も元気になる」ということを実感します。未経験者ですが、自分もお客様を喜ばせる仕事がしたいと思いセラピストになります。

ある日、過去の試合でのデッドボールのトラウマから打てなくなり戦力外通告を受けたプロ野球選手の施術をした時、「おたく、この仕事向いていないんじゃないの?」という言葉を浴びせられ、その後その選手の心の病を治したいという一心であれこれ行いお客様だけではなく本人も成長するというお話でした。

身体と心は繋がっているとはうまく表現した言葉で、実生活で色々こんがらがってしまった場合、森林セラピーなどに行って自然に触れ合う事で本来人間がもっている能力が開花され、ストレスなどがリセットされるそうです。確かに緑に囲まれたところにいるとリラックスしますよね。心が元気がない時、まず身体から整えるといいのですね。

医療・介護従事者コロナ慰労金

コロナウィルスがなかなか終息せず、医療現場・介護現場でも疲弊しつつあります。この度そんな医療従事者への支援として慰労金が支給されることになりました。慰労金以外にも下記のような支援がありますので該当医療機関は手続きお願いします。↓
コロナ支援(医療)
マスク等の医療物資の配布の他、おそらく全医療機関に対象になるのが7ページ目の「新型コロナウィルス感染症対応従事者慰労金交付事業」です。医療従事者に最低でも一人5万円支給されます。まず、医療機関が申請をして入金されたら医療従事者に支払います。これは非課税所得となりますので、給与と一緒に支給する時は課税にならないよう、また年末調整や社会保険の算定の基礎にならないよう注意して支給作業する必要があります。

顧問先からの質問で役員である医師についても支給対象か?という質問をいただきましたが、役員であっても医療従事者なので支給対象になります。ただし、非常勤役員で病院などに勤務していない場合は対象外となります。その他、病院や診療所ではなく、介護施設で働いているスタッフは対象にならないのか?という質問もいただきました。介護職員については、また、別の制度があり、制度内容は同じ(最低5万円支給)ですが、別申請で都道府県に申請します。名称も「新型コロナウィルス感染症緊急包括支援交付金(介護分)」という名称になります。詳しくはこちらをご覧下さい↓
慰労金(介護)

モヤモヤ税制

最近モヤモヤしたことが多く税制面でもそう思うことがあります。まず、持続化給付金を貰った時の税務上の取り扱いです。元々事業所得で申告していた人は事業所得の収入金額。雑所得で申告していた人は雑所得の収入。給与所得で申告していた人は一時所得の収入になります。そもそも給与所得と雑所得で申告していた人は追加で摘要になりました。つまり、給与所得と雑所得で申告していたけど、実質事業所得と同じような事業内容だから事業所得とみなして持続化給付金をあげますよ。という取り扱いです。ところが、給付金を貰った時は事業所得と雑所得で申告していた人は総合課税で給与所得で申告していた人は一時所得(50万円控除後1/2のみ課税)です。100万円貰ったとして、事業所得と雑所得で申告していた人は100万円丸々税金がかかるのに給与所得でたまたま申告していたら25万円しか税金がかからないっておかしくないですか?という話です。申告時、事業所得とみなしたのだから、給付金受給時も総合課税にするべきです。つまり給与所得で申告して持続化給付金を貰ったら雑所得として課税すべきです。給与所得で申告するのが一番楽なのに楽した人が一番得するって変じゃない?と思います。

もう1つ、雇用調整助成金を貰った時の取り扱いです。雇用調整助成金は会社が従業員に休業手当を支払った時、それを補填する意味で会社がもらえる助成金ですが、従業員はこの休業手当は(当たり前ですが)所得税の課税対象になります。ところが会社が休業手当をくれなくて、自分で直接国に申請して休業手当もどきを貰った時は何と非課税になるのです。この休業手当もどきは新型コロナウィルス感染症対応休業支援金という名前になっていかにも非課税っぽい名前になっていますが、実際は給与補填で休業手当と何も変わりません。貰える額が80%となるだけで何も変わりません。それなのに非課税です!非課税というのは所得税も住民税もかからないし、社会保険加入の130万円ラインにも抵触しません。そんなことなら100%会社からもらって、年間130万円を超えてしまって社会保険に加入するより非課税で8割貰った方が得だったという人も現れそうです。これも資金繰りに苦労して従業員に休業手当を払ってあげた会社より、何もしないで非課税収入を貰えるという苦労した側が報われない事例です。こんなことが多くてとてもモヤモヤしています。

公正世界仮説

公正世界仮説という言葉聞いたことありますか?これは良い事をしたら幸せになり、悪い事をしたら罰が当たるという考え方です。この考えは多かれ少なかれ人々の心の中にあるのではないでしょうか?公正世界仮説がプラスに働くこととしては、努力すれば報われると信じることなどです。それを信じ辛い事でも実行することにより物事を達成することがあります。

でも公正世界仮説はマイナスに働くことがあります。例えば性被害に遭った人が性被害をした人を訴えたとします。その場合、性被害に遭った人は何も悪い事をしていないのにそんな目に遭ったというのは公正世界仮説の考え方に合わなくなります。従って、例えばそんな人を信じて一人で付いて行った被害者が悪いとか、誘惑するような服装をしていたのではないかとか、そんな風に考えてしまうことです。

被害者には何の落ち度もありません。でも他者が公正世界仮説を前提に考えると被害者なのに批判されることがあるのです。これは注意しなければいけません。公正世界仮説は良く働くこともあれば、悪く働くこともあるという前提で私たち一人ひとり行動し、考える事が大事です。

飛沫防止シート

ここ数ヶ月、顧問先とはできるだけWEB会議で対応していますが、どうしても来たいという顧客もいますので、6月に会議室に飛沫防止シート作ってみました。買ったものは東武百貨店に入っているニトリで120㎝×150㎝厚さ0.3㎜のテーブルクロスのみです。当事務所のお風呂は倉庫なので使いません。お風呂にあった洗濯干す竿(アルミでできている)に透明のビニールテープで120㎝の側面だけ巻き付けて出来上がりです。照明器具の棒の部分にこれまた事務所にあったS字フックを2つひっかけて飛沫防止シートをかけてみました。

照明の下にS字フックを下げたのでシートが照明に当たります。LED照明なので火事になることはありませんが、照明にぶつかることでシートがゆがむので、その脇にテーブルクロスが巻き付けてあった芯の空洞部分にピクチャーレールのピクチャーをつるすためのワイヤー(これも事務所にあったもの)を入れて両端から竿にひっかけました。これで照明とシートが離れて、かつ、ゆがむことなくストレートにシートを下ろすことができました。我ながら良いアイディアだと思いました。

この作業をしていて経営と似ているなと思いました。準備をして作成して実行するまでは良くても実際にやってみると不都合が生じたりします。それをどう改善していくか?それは実際にやってみないと分からないものです。しかもケースバイケースで何が起こるか分かりません。経営もそうですよね。事前準備はばっちりでも実際にやってみると不都合が生じたりします。しかもその不都合は多種多様です。夕暮れ時にこんなものを作りながらこんなことを考えていました。