先週、縁があって巨人及び阪神で4番バッターを務めた広澤克実氏の講演会に行ってきました。講演のテーマは「私の野球人生~野村、長嶋、星野監督に学んだこと~」です。この3人の監督は日本でも3大監督と言われる有名な監督ですが、その3人の元にいたプロ野球選手は広澤氏だけでそれぞれの監督の特徴などをユーモアを交えて講演していただきました。
まず野村監督は「鳴かぬなら頭を使え、ホトトギス」というタイプの監督でホトトギスは何故鳴くのかを知る。つまり物事には原因や事由があるはずでそれを突き止めて極めていくというのがプロへの道だということを学んだそうです。学ぶの語源は真似るで色々試して時には真似て極めていくということでした。
長島監督は「鳴かぬなら鳴くのを探せ、ホトトギス」というタイプで野球の技術は何一つ学びませんでしたが、誰のためにやっているのか?ということを常に意識していたそうです。家族のためというのはスケールが小さい5,000万人(これも長島監督の皮算用)の野球フアンを幸せにするためにやれということです。ベクトルを自分ではなく、常に観客(ファン)に置くというのを長島監督から学んだそうです。
星野監督は「鳴かぬなら気持ちで鳴かせよ、ホトトギス」というタイプで、若者の中で野球を諦めた人の中には監督と合わなかったという理由もかなりの割合を占めている中、星野監督だけはその人によって、タイプを色分けし、この選手は怒っていい人、この選手は怒ってはいけなく褒めて伸ばすタイプなどを人によって分けて対応していたそうです。広澤氏は星野監督にとって怒っていい人だったようで、「何やっているだ!広澤!今日の試合は何だ!」と怒られて「すいません。」と謝るも、そういえば今日の試合は自分は出ていなかったということもあったそうです。
それと、明治大学の島岡監督の話もされていました。かなり過酷な大学生活をおくっていたそうで、寒いグランドで薪を焚くのが広澤氏の仕事、そのうち火が勿体ないからということで焼き芋を作る有様。ある時レギュラーに抜擢されて、そこから夢中になって練習したそうです。1日で1,000本ノックなども行い努力も才能のうちということを気付かされた監督だそうです。監督によってかなり特徴が違いますが、共通点を言うなら自ら何かを発信する能力があるということでした。
講演の中ですごい選手だったにもかかわらず、自分をご謙遜した内容が多かったですが、講演者としてはプロでした。話をまとめる力。話を引き付ける力。誰もが良かったと思うような講演でした。その点についてもとても勉強になりました。