暇な夏

税理士は夏は暇です。税務のイベントは年末調整やら法定調書・支払報告書・償却資産税、確定申告など冬に集中しています。法人の中でも3月決算は一番多いので申告期限の5月まではまぁまぁ忙しいのです。でもそれを過ぎると急いでやらないといけない仕事というのが激減します。個人の確定申告はその年1月1日~12月31日までの所得について翌年の3月15日までに申告納付するのは有名なお話ですが、法人の決算時期は定款で定めていてバラバラです。任意で決めて良いのですが、お勧めは6月~10月決算です。

何故なら税理士が暇だからです。暇というと語弊があるかもしれないので別の言い方をすると冬より余裕があるからです。先ほどお話したように冬は期限が決まっている税務イベントが目白押しですから、それと同時並行で法人決算も行わなければいけません。6月~10月は差し迫った税務イベントがないので法人決算に集中できます。そうするといつも以上に時間をかけてどの方法が一番会社にとって良い方法か検討する時間ができます。同じ決算料を払うのであれば沢山検討してもらったほうがお客様にとってもメリットがあるはずです。これから法人設立を考えの方は是非夏決算にしてみてはどうでしょうか。

今年の税理士試験は8月2日、3日、4日です。勤務受験者にとっても夏受験の方が有難いですね。今までの努力を出し切ってその後に待っている夏を存分にお楽しみください。

蝉がいない

夏なのに蝉が鳴いていません。池袋も自宅近くも・・・以前は交差点の街路樹の木などにも蝉がいて、交差点で信号待ちをしている時に蝉の鳴き声が響いて夏らしかったのに、今はただ暑いだけで夏の音がしないのです。これは環境破壊が原因なのか異常気象が原因なのか。不安になって調べてみました。

2つの説がありました。1つ目は虫は35度以上になると育たないという説。夏の虫の適温は28度で35度を過ぎると虫でさえ過ごせなくなる環境になるという事(環境破壊)。もう一つは、今年は梅雨が短く一気に暑くなったがその後また梅雨のような雨になり、生き物である虫の育つ過程でも孵化などの時期が個体によって変化してしまったという事(異常気象)。

私の子供の頃は汗をかきながらも夏は外で遊びながら走り回っていました。それが今は毎日のように携帯電話に「熱中症情報:危険(12時)運動は中止しよう」というメールが届きます。昼間の公園は誰もいません。もはや人間が自由に動けなくなる季節になってしまいました。私は個人として何ができるだろう。人間は1つの生物としてどこを目指すべきだろうと考えずにはいられない夏になりました。

P.S 近所の公園に行ってみましたらここは蝉が鳴いていました。ちょっとだけ安心しました。

ベイビー・ブローカー

この映画は韓国映画で主演もソン・ガンホ氏なので、「パラサイト半地下の家族」(2020.2.29のブログ参照)に似たような映画なのかなと思いながら観に行きました。貧困層の目線から描かれた映画ということや闇の部分を含んだ映画という部分では似ていましたが、監督が是枝監督なので、内容というか撮り方が全く違いました。是枝裕和監督の映画らしく悪党の人にも善の部分があり、表現が不器用という部分ではどちらかというと、「万引き家族」(2018.6.15のブログ参照)の方が似ています。

しかも余韻があるという意味でも、解釈を押し付けないという意味でも万引き家族に似ていました。やっていることは法律違反ですが、捨てられた子供が幸せになるために子供を欲しがっている家庭に提供して何が悪いと言われるとそうかなと思ってしまいますが、やり方というか手段が悪いのです。でも子供の幸せを考えて相手によっては売らないという判断をしたり子供に対しても大事に扱っています。殺人犯の子供にしたくないと思う若い母親、捨てられた過去を持つ青年、家族に見捨てられた中年、自分も養子として貰ってほしい少年、それぞれの立場から色々な感情が交差する映画でした。

祝祭と予感

この本は以前読んだ「蜂蜜と遠雷」(2018年2月3日のブログ参照)のスピンオフ版です。蜂蜜と遠雷はその後映画化もされて、読んで観て楽しんだ作品です。その時登場した3人の主人公、風間塵、栄伝亜夜、マサル・カルロスの3人は登場しますがその周りの人物に焦点を当てている本です。また、いろんな角度から短編小説で〇〇と△△というカテゴリーを振って書かれています。蜂蜜と遠雷のファンにはたまらないという感じです。ただ、蜂蜜と遠雷を読んでいないと何が何だか分からないかもしれません。

本の後ろの方に番外編としてエッセイも載っています。本の本篇は縦書きでエッセイは横書きなので本篇とは違うのは分かりましたが、エッセイの方は作者目線で書かれていて、蜂蜜と遠雷を書く際の苦労した点なども書かれていました。蜂蜜と遠雷を読んだ時、何故か頭の中に音楽が流れたのは、作者が実際にピアノが弾ける人であったことの他にも本の中の誰に何を弾かせようかと試行錯誤しながら実際に音楽を聴いたり、音楽コンクールを見学したりして頭の中だけではなく、実際に体験して感じて文字として表現したから出来たのでした。こんな裏話も書かれていて何か楽しい本でした。

インボイス制度その1(売り手の視点)

インボイス制度は来年の10月から始まりますが、インボイス発行業者となるための適格請求書発行事業者の登録はもう始まっています。とりあえず、来年の3月31日までに登録申請書を提出すればスタートの10月1日から適格請求書発行事業者になることができます。インボイスの事は耳にするけど、当社は適格請求書発行事業者になるべきなのかならなくて良いのか、なった方がいいのか、ならない方がいいのか分からないという質問をよく耳にします。

まず、自分の会社が消費税の課税事業者なのか否か、また顧客はどのような方達なのかによって変わってきます。自分の会社が消費税の課税事業者で課税売上が5,000万円以上ある場合、適格請求書発行事業者にならないメリットはないので繁忙期をさけて出来るだけ早めに適格請求書発行事業者になっておきましょう。売上の取引先が会社などの場合で自分の会社が消費税課税事業者の場合も適格請求書発行事業者になった方が良いかと思います。売上の取引先が個人の場合、例えば美容院などのBtoCである場合は適格請求書発行事業者になる必要はありません。BtoBで自分の会社が課税売上1000万円前後か消費税免税事業者の場合は、検討が必要になります。

自分の会社が適格請求書発行事業者にならないと取引先が消費税を全額仕入税額控除できなくなります。(ただし、インボイス開始後3年間は80%、その後3年は50%控除できます)適格請求書発行事業者になるという事は、消費税課税事業者になることなので、そのメリットとデメリットを早めに把握して、どうするかを検討しなくてはならなくなります。免税事業者が適格請求書発行事業者になり課税事業者となる場合は助成金などの制度もありますので早めに顧問税理士に相談した方が良いかと思います。

未来の映画館

コロナ禍で映画館がここ2~3年低迷しています。事務所がある池袋には日本で一番最新の映画館があるので先週末に行ってみました。その名はグランドシネマサンシャイン、何とビルの4階から12階まで全部で12のスクリーンがありますが、そのスクリーンも最新です。まず①IMAX…これは比較的有名ですね。スクリーンが大きく画像が鮮明でパワフルなサウンドが特徴です。通常料金+700円で観ることができます。次に②4DX…こちらは体験型シアターで座席が左右上下に動き、水や風、香りやフラッシュなどを感じる事ができます。ディズニーランドのアトラクションに似ています。通常料金+1,100円です。そして③SCREENX…こちらは画面が正面だけではなく左右にもあるので見渡す限り画像となります。通常料金+600円です。④4DX SCREEN…こちらは②と③を合体させたもの、3面画像でありながら座席も動きます。通常料金+1,500円です。⑤BESTIA…画像が綺麗(特に黒色がはっきりしている)で音響も細かい音まで出せるようです。通常料金+200円です。⑥3D…こちらも知名度は高いですね。3D眼鏡をかけて画像が立体的に見えるものです。通常料金+400円です。

トップガン・マーベリックをIMAXで見ようかと思っていましたがせっかくなので初体験の④4DX SCREENで観てきました。凄かったです。映画というよりアトラクションですね。動くし、風も耳元や足元から出るし、水しぶきはどこからか飛んでくるし、スモークも出るし、しかも前だけでなく左右も画像だったりして凄いとしか言いようがありませんでした。ただ、凄すぎて物語に集中できないというか。私は2回目なので1回目に散々色々考えながら観ていましたがそういった色々考える余裕はありません。身近過ぎて落ち着いて観られないので、私のように同じ映画を2回見る場合の2回目とするのが良いと思いました。1回目は通常版(画像が綺麗なものはIMAXかBESTIAで)で見て、2回目に4DXや4DX SCREENで観るというのがおススメです。1回目は涙ぐんだシーンも多くありましたが、2回目は忙しくてあまり涙ぐまなかった気がします。

グランドシネマサンシャインのIMAXのスクリーンは日本一大きい(6階建てのビルの大きさ)らしいので今度はIMAXで観てみたいと思います。あと、私は映画をよく観ますし、仕事が早く終わった時など気まぐれでぷらっと映画館に立ち寄ることも多いのですが、グランドシネマサンシャインは特殊スクリーンのものは予約をしないと見られません。ちなみに日曜日の予約は2日前の金曜日0時から予約できますが、土曜日の様子を見ていたら2日前の朝ですべて満席だったので、これは大変と思い、色々調べたら年会費500円を支払うと会員になれて、3日前の夜9時から先行予約をできるという情報を入手したので、会員になって3日前の夜9時を待ちました。9時と同時にアクセスして入りましたが、回線が混線していて実際席を選ぶところまで入れたのは夜9時半ですでに一番良い席で前から3列目でした。それ以降は全てソールドアウトでそれにも驚きました。翌朝一般販売を見たら既に満席でした。わーこんなに混んでいる映画館あったんだーとびっくりしました。せっかく会員になったので、今度は画像が綺麗そうな映画をIMAXで観てみたいと思います。未来の映画館は全てこんな感じになるのでしょうか。

データヘルス改革

データヘルス改革は電子カルテ情報を共有し、全国的に閲覧可能とするための改革です。今年度は集中改革プランとしてACTION1~ACTION3が実行されます。ACTION1は9月からスタートしますが、手術情報以外を医療機関・薬局へ共有を開始します。また、マイナポータルで患者が自身の保健医療情報を閲覧できる仕組みについては、手術情報も含めたところで運用開始となります。

医療機関や薬局への手術情報の共有も個別に同意を得た後に開始する予定で2023年5月を目標としています。これらのシステム構築には電子カルテの利用が欠かせません。電子カルテシステムの普及は厚生労働省の発表によると、2020年の時点で、病院で57.2%、診療所で49.9%だそうです。かなり少ないですよね。当事務所の顧問先はほとんど電子カルテを導入していますからこの数値にはびっくりしました。

データヘルス改革では電子カルテの導入が必要不可欠ですから、国も電子カルテの導入に補助金を用意しています。IT導入補助金(デジタル化基盤導入枠)や他の助成金による支援も検討されています。オンライン資格確認については来年の春から原則義務化される方針が示されています。今度の医療改革動向にも注目しなければなりませんね。