沈黙のパレード

この映画は東野圭吾氏のご存知ガリレオシリーズの作品です。本も以前に出ていて、本の感想は2019年12月23日のブログに書いています。本を読んだ時、いずれは福山雅治氏の主演で映画になるだとうと予測していましたが、とうとう映画化されました。本で読んでいたので内容は大体把握していましたし、本のイメージと映画のイメージは一致していました。

結論も二転三転します。本で読んでいた時は二転三転し過ぎて頭が混乱しましたが、映像で見ると明確になり良かったです。やはり、本と映画両方を観ると相乗効果があってより理解が深まるし、別の意味で楽しめます。話が二転した時は絶望的な気持ちになりましたが三転して少し救われました。でも最初から明らかにされなかった方が良かったのでは?と思ってしまいます。容疑者Xの献身の時のような虚しさもあります。

学びを結果に変えるアウトプット大全

何とドライアイになりまして、10日くらい目薬を点したりコンタクトを止めたりしていましたが、本が読めません。パソコンでさえ長時間は痛くなる。スマホなんて無理という感じでした。その時契約したのが、オーディオブックです。一言でいうと便利。寝る前に部屋を暗くしてから眠る前まで聞けるし、朝の準備をしている時や通勤時(電車に乗っている時間だけではなく歩いている時間まで)も聞けるので、隙間時間を利用すると無理しなくても聴けます。デメリットは本の中に表や図がある場合、見られない点でしょうか。表や図が多い本には向かないかもしれません。小説などには向くのではないでしょうか。

オーディオブックで最初に読んだのがこの本です。世の中、セミナーを聞いたり、本を読んだりインプットをしている人は多いですが、アウトプットをしないと折角の情報や内容も忘れてしまうということです。いかにアウトプットをするか。アウトプットをしないと折角インプットした情報が定着しないだけではなく忘れてしまい意味のないものになってしまうということで、この本では具体的なアウトプット方法を80個も掲げています。

偶然私がやっていたのは、朝事務所に着いたら、一日の予定を箇条書きにして机の近く見えるところに紙で置いておき、できたら豪快に消すという部分でした。正に私がやっていることでビックリしました。スマホなどのアプリでTo-Doリストを使用しているという人もいますが、スマホは誘惑が多いのでそれではダメで手書きもしくはプリントアウトした紙を出力して、終わったら豪快に(二重線で)消すというのがいいらしいです。

それととても為になったのが、例えばセミナーをする時、アイディアなどを名刺よりは少し大きなメモのような紙に1つ1つ書いていく。30枚くらいアイディアが出たらそれをタイプ毎に分けてグループ化して、それを基に構成していきパソコンにまとめるというものです。本を書くなら100枚くらい書くといいようです。おーこれは使えるなと思いました。その他にもアイディア満載なので誰でも自分が欲しいと思った具体例がいくつか見つかるかと思います。

雑所得改正2

雑所得改正1(2022年9月6日ブログ参照)でお話しましたが、雑所得改正についてはパブリックコメント(この改正について国民から意見を頂戴する行い)を募集していて私も、単に金額基準だけで判断すべきではない。と意見したところですが、パブコメの意見は全国で7059通もの意見があり、パブコメの意見により通達が変更されました。それがこちらです。→雑所得改正(修正版)修正前が見たければ、雑所得改正1のブログに添付してありますのでご覧ください。また、それが載っている国税庁のHPはこちらです→https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/kaisei/221007/index.htm

ちょっと感動しました。パブコメによって国税庁もちゃんと修正してくれるんだ!という思いです。要は、最初(パブリックコメント募集前)は特に反証が無い限り300万円を超えない場合には業務に係る雑所得として取り扱って差し支えないという。なんとも金額基準で判断するような書き方でした。私は反証を考えて対抗するつもりでしたが、それでもトラブルが起こりやすい例示だと思っていました。

それがパブコメ後には、取引を記録した帳簿書類の保存がない場合には業務に係る雑所得に該当する。となったのです。これを別な読み方をすると、300万円以下であってもちゃんと取引記録を帳簿書類として保存している場合には事業所得として申告しても良いよということです。事業所得として計上するからにはちゃんと取引記録を帳簿書類として保存しているでしょ。とも読めます。私だけではなく多くの税理士や国民が同じような意見をしていたから反映されたのだと思います。個々の力は微力でもみんなで団結すれば何とかなるものですね。

72の法則

72の法則とは、元金が2倍になる期間が分かる便利な算式です。これは「72÷金利=お金が2倍になる年数」という算式です。例えば、銀行に100万円預けて金利が0.02%だった場合、72÷0.02=3,600年となります。銀行で0.02%の金利で100万円預けた場合、200万円になるまでには3,600年かかるということです。もう死んでいますね。では金利3%の運用資産に預けた場合は、72÷3=24となり、24年で2倍になります。まだなんとか生きています。ただ、24年間のインフレに対応できる環境かどうかも問題になります。

これは借金をする場合にも計算できます。法律上の上限金利は18%ですが、これを算式に当てはめたら72÷18=4となり、100万円借りてそのまま元金を返済しなければ4年で200万円に膨れ上がるということになります。ですから、お金を借りる時にも参考になります。この算式を知っていると、お金を借りる時にも慎重になるのではないでしょうか。

また、何年で2倍にしたいという希望がある場合にも活用できます。例えば100万円を10年で2倍にしたいという場合、72÷Ⓧ=10になればよいので、72÷10にすれば良いだけです。そうすると72÷10=7.2となるので年利7.2%で運用する必要があります。この算式は全て利子にも利子が付くことを前提とした複利計算が前提となります。是非活用してみて下さい。

公開研究討論会

公開研(公開研究討論会)とは、全国15の税理士会を7グループに分けて税理士の日頃の研究結果の発表と質疑応答を行う研究討論会で毎年秋に行われる行事です。7グループとは、①東京会、②東海会・名古屋会、③九州北部会・南九州会・沖縄会、④東京地方会・関東信越会・千葉県会、⑤北陸会・近畿会、⑥北海道会・東北会、⑦四国会・中国会、のグループです。東京会だけ人数が多いので東京税理士会だけで1グループですが、他は他の会と連携して行います。東京税理士会連合会と共同で行われます。7年に1度の輪番制で、今年は10月7日に行われましたが、東京税理士会が担当でした。テーマは、第1部が「税制の歪みを糺(ただ)す」で第2部が「人生100年時代における資産形成と税制のあり方」です。

東京税理士会連合会と共同して行い、東京税理士会では調査研究部の部員の一部が中心となり発表しました。6時間にも及ぶ大討論会で聞いている方もちょっと疲れますが、なかなかためになる発表でした。日本は他の先進国に比べてデジタル化が遅れており、国も早急にデジタル化を目指しています。デジタルインボイスの話、EUを中心に30ヵ国が利用するPeppol(ぺポル)の話、EDIシステムの話、全て新鮮で刺激的な話でした。EDI(電子データ交換)とは企業間取引で発生する契約書や請求書などの帳票をインターネットなどを用いて電子データとしてやり取りするシステムですが、そんな話を聞いているだけで未来の会計や企業間取引がイメージできました。

また、最近ではシェアリングエコノミーの取引が増えており、それに伴う税務の問題なども多発しています。それを税理士としてどう考えていくか。どう不正のない明確な取引とするかなどが問題として提起され、なかなか考え深いテーマもありました。問題点を挙げるだけでなく、それに向けた解決方法(例えばプラットフォーマーに源泉徴収義務を課す)なども提案していて色々考えさせられました。GEEO(不動産販売価格予測サイト)などの活用などで国が持っている情報と個人レベルで持っている情報の非対称性を是正する案なども挙げられて、とても有意義な討論会でした。

医療版事業承継税制(認定医療法人制度)

各省庁が令和5年度の税制改正要望書を提出してきました。それがこちらです↓
/>https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2023/request/index.html
法務省や外務省は1つしか挙げていませんが、他の省庁は何個か挙げています。今回、財務省はかなりマニアックなところを責めているなとか、それは文部科学省にしか提言できないわなぁと感心してみたり色々です。一通り見てみると各省庁が何を目指しているのかが垣間見れてちょっと楽しいです。

会社経営をしている方は経済産業省や財務省を見てみると面白いかもしれません。また、医療法人だったら是非厚生労働省の要望書を見てみる事をお勧めします。厚生労働省は今回、来年の9月30日で終わってしまう医療版の事業承継税制の延長を要望しています。医療法人累計は以前医療法人社団について持分ありが98%、持分なしが2%弱しかありませんでした。平成19年から持分なし医療法人しか設立できなくなり、かつ、医療版事業承継税制を普及させたことにより持分なしが34%(令和4年3月現在)にまでなりました。でもまだ多数派は持分あり医療法人なので、医療版事業承継税制を継続させて持ち分なしを普及させたいようです。

ちなみに厚生労働省の医療版事業承継税制の延長・拡大要望は下記となります↓
厚生労働省令和5年税制改正要望
令和5年9月30日までの期限のものを令和8年9月30日までにすることを要望しています。要望理由や内容も分かるので確認してみて下さい。

パート従業員の社会保険料適用拡大

今年の10月からパート・アルバイトの短時間労働者の社会保険への加入義務が段階的に広がることになります。9月までは従業員501人以上の事業所で加入が義務付けられていましたが、今年の10月(今月です!)からは従業員101人以上、2024年10月からは従業員51人以上の事業所はパート・アルバイトの短時間労働者も社会保険に加入させる必要があります。

具体的には、①週の所定労働時間が20時間以上、②月額賃金が8.8万円以上、③2カ月を超えて雇用する見込み、④学生ではない、この4つの要件に該当した場合、社会保険に加入させないといけません。③は9月までは1年を超える雇用の見込みだったのが2カ月になったことにより多くの短期労働者に対して加入義務が生じます。今月の社会保険の適用拡大では新たに65万人の労働者が加入対象になると言われています。厚生労働省と日本年金機構は2024年までを、集中対策期間に設定して加入の強化を図ろうとしています。

今回、国は本気で加入を強化しています。1つ目の取組として、2015年より国税庁から源泉徴収に関する情報提供を受けていて、違反が疑われる事業者に立ち入り検査を強化する予定です。また、2つ目の取り込みとして雇用保険加入者の情報を基に調査先を選定して立ち入り検査を強化する予定です。いずれにせよ面倒な目に合わないためにも早めの対策をした方が良いかと思われます。顧問の税理士や社会保険労務士に相談してみて下さい。