最近税務での専らの話題というか注目されているのは、国際税務と相続・事業承継です。相続税は平成27年より基礎控除が減額されるので、今まで相続税の心配のなかった資産層にも対象になる人が増えると言われており、私も友人などから相続について聞かれることが多くなりました。そこで、しばらくは税務のカテゴリーでは相続税についてお話します。
今日は始めてなので、相続人のお話です。誰かが亡くなったら(亡くなった人を被相続人といいます)、その方の財産について遺言などなかったら、誰がどの位受け取る権利があるのでしょうか?
まず、配偶者(正式に婚姻している場合のみ)は常に相続人となります。その他は子供がいたら子供、その場合の分配割合は、配偶者が1/2、子供は全員で1/2です。
子供がいなかったら、配偶者と直系尊属(親やおじいちゃん・おばあちゃん)が相続人です。この場合、配偶者は2/3、直系尊属は1/3です。
子供も直系尊属もいなかったら、配偶者と被相続人の兄弟姉妹(被相続人からみて兄弟や姉妹)がその相続人です。この場合配偶者は3/4.兄弟姉妹は1/4となります。
なお、配偶関係や血族関係にあっても相続人となれない者がいます。それは①死亡(相続開始前に権利者が死亡している場合)②欠格(故意に被相続人、先順位・同順位の相続人を死亡するに至らせ、または至らせようとしたために刑に処せられた者(民法891条1号)など)③廃除(民法892条の定めるところにより相続権を持つ人間に著しい非行の事実がある場合に、家庭裁判所に「推定相続人廃除調停申立て」をすることにより推定相続人の持っている遺留分を含む相続権を剥奪する制度)④放棄(相続人の意思で遺産の相続を放棄すること)
以上4つは相続人となることはできません。ただし、④放棄以外は代襲相続(例)子供が亡くなっていたら子供の子供、つまり孫が子供に代って(代襲して)相続をすることができます。
上記の相続の場合、配偶者と子供の組み合わせですと、子供が上記①②③の理由で相続できない場合、下の世代(下の世代がいなくてもそのさらに下の世代)に代襲されます。つまり、代襲は何度でも繰り返されます。
配偶者と直系尊属の組み合わせですと、直系尊属には代襲という制度がありません。
配偶者と兄弟姉妹ですと、代襲は兄弟姉妹の子供(姪や甥)までで、それより下の世代には代襲されません。