製品志向とは、その製品の性質のみに着目して自社の事業の目的を考える志向で、例えば鉄道会社が自社の目的を「鉄道事業」と考えることや、化粧品会社が自社の目的を「化粧品の製造販売」と考えることなどが例示としてあげられます。
それに比べ市場志向とは顧客の視点に立ち、鉄道会社であれば自社の目的を「輸送事業」と考えることや、化粧品会社が自社の目的を「ライフスタイルと自己表現」と考えることなどが掲げられます。
製品志向でものを考えると違ったタイプの異業種が現れた場合、ライバルだと気が付かず、対策が遅れる場合があります。例えば鉄道会社が自社の事業を鉄道事業であると考えると同じ鉄道事業に対しては対策をしますが、同じ方面に行くバス会社や航空会社には目を向けない可能性があります。
顧客にとっては、目的地に行ければ鉄道にこだわる必要がなく、料金や利便性や時間などを比較してバスや飛行機で行くことも選択するのです。ですから、顧客の立場に立ち市場志向で考えることは重要となってきます。