繁忙期

5月は税理士業が一番忙しい時期です。なぜならば世の中3月決算法人が多いからです。しかも決算が複雑な法人が多いです。もうバタバタでブログを書く暇がないほど・・・楽しみにしている読者からは何かありましたか?と心配される有様です。本当に申し訳ございません。今年の5月は大学院の資料作りとプライベートな家の事もWで忙しくこんなに忙しい5月はもう二度とないと思います。せめて心配されない程度には更新していきたいと思います。私は忙しいけど身体は元気です。6月から少しは時間できますのでまた、よろしくお願い申し上げます。

PEST分析

PEST分析とは、企業や組織を取り巻くマクロ環境を「Politics(政治)」「Economy(経済)」「Society(社会)」「Technology(技術)」の4つの観点から分析するフレームワークです。自社の外部環境を広い視点で捉えることによって、長期的な戦略立案やリスク回避、事業機会の発見に役立てることができます。

Politics(政治)は、政府の政策、法規制、税制、政権交代、外交関係など、政治的な要因が企業活動にどのような影響を与えるかを分析します。たとえば、最低賃金の引き上げや輸入関税の変更などが該当します。
Economy(経済)
 金利、為替、景気動向、失業率、物価上昇率、所得水準など、経済全体の動きがビジネスに与える影響を評価します。たとえば、景気後退が消費支出を減らす可能性があるため、新商品の投入タイミングなどに影響します。
Society(社会)
 人口動態、教育水準、ライフスタイル、価値観の変化など、社会的な要因を分析します。たとえば、高齢化の進行が医療や介護市場の成長を促す一方で、若年労働力の減少に課題をもたらします。
Technology(技術)
技術革新のスピード、新技術の普及状況、特許、研究開発への投資など、技術的な要素を分析します。たとえば、AIやIoTの進化によって、製造業や小売業のビジネスモデルが大きく変わる可能性があります。

PEST分析は、外部環境を俯瞰的にとらえることで、新規事業や海外展開の市場調査、業界動向の把握と中長期戦略の策定、法改正や社会変化へのリスクマネジメント、事業機会(オポチュニティ)の発見のような目的に利用されます。このようにPEST分析は、ビジネスの外部要因を体系的に整理する強力な手法です。市場や業界を大局的に理解したいときに有効です。

カフネ

2025年の本屋大賞受賞作品です。この本の題名になっている「カフネ」はポルトガル語で「愛する人の髪にそっと指を通すしぐさ」の事だそうです。ある男性が亡くなってその姉である生真面目な薫子と、相続人の一人に指名されていた不愛想な元恋人のせつなが中心となった物語。そんな二人が家事代行サービス会社「カフネ」での様々な人との出会いを通じて過ごす時間を描いています。

今世の中にある社会の問題、例えば、不妊治療や離婚、育児放棄、ジェンダー、社会格差、教育の不平等、など山盛りに盛り込まれています。二人は育ってきた環境が違う事から考え方も違く衝突もしますが、次第に心通わせてきます。多分世の中的に言うとせつなは嫌われそうな性格です。でも私はせつなにとても惹かれました。どんな環境にいても、どんな生活であっても美味しいご飯を食べると嬉しくなり、一時でも幸せな気分になります。そんな魔法のような料理を作ってくれるせつな。そして生真面目な性格から掃除をやらせたら天下一品な薫子は良い相棒になっていきます。

読み終わってから思ったのですが、亡くなった弟は姉と元恋人にプレゼントを送っていました。しかも元恋人には直接ではなく、真面目な姉に送って元恋人にも渡してほしいという手紙を添えて・・・もしかしたら弟はこの二人にはお互い性格は違うけど出会ったらよい相乗効果を生みそうだと感じ、敢えて出会わせるようなきっかけを作ったのかとも思ってしまいました。生活の基本は食事です。大事にしないとと感じられた作品でもありました。

医療法人財務諸表統計

社会保険の財源も厳しくなってきたこともあり、医療法人も何も考えないで運営していたら赤字になる時代になっております。医療法人の財務諸表分析には様々な手法がありますが、その一つに他院比較があります。同じような規模の病院やクリニックと比較することで当院はどの部分の収入が強いのか、またどの部分の経費が嵩んでいるのかが分かる場合があります。でもそれってどうしたら比較できるのでしょう?という質問をいただきました。医療法人は決算届(事業報告書等)を都道府県知事に提出しますがその中身が細かくなったことにより統計が取りやすくなっています。あと数年もしたらもっと厳密な統計を公開するかと思いますが、今のところは下記が参考になるのではないでしょうか。是非おためしあれ。

厚生労働省:医療経済実態調査
https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/database/zenpan/iryoukikan.html

内閣官房:医療経済実態調査のデータ分析
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kouteki_kakaku_hyouka/dai7/sankou2.pdf

一般社団法人:日本病院会
https://www.hospital.or.jp/pdf/06_20231127_01.pdf

独立行政法人福祉医療機構:医療法人のデータベース
https://www.wam.go.jp/content/wamnet/pcpub/top/iryojigyoresult/top.html

詐欺電話

先ほど詐欺電話がかかってきました。普通に事務所の電話が鳴ったので出たら電子音声で「電話料金が支払われていません。詳しくは回線を押してください」と言われつい押してしまいました。そうすると担当者が出て「NTTドコモです」と出ました。私NTTドコモ使っていないのですぐに詐欺だと思いました。

「詐欺ですね。通報します」と言いましたら、「おかしくないですか?お客様から電話かけてきたのですよ。そちらはどなたさまでしょうか?」という回答。すぐに電話を切り#9110に電話しましたが、詐欺電話が沢山あるようで回線が混んでいるので後程電話してくださいと電子音で言われて切られました。

電話を切っていから着信履歴で電話番号を調べたら、89653407829という電話番号でした。国際電話です。896はモンゴルみたいです。危ない危ない。皆様もお気を付けあそばせ。

ロスト・イン・トランスレーション

主人公はアメリカ人ですが、一人はサントリーウイスキーのCMを日本に撮りに来た中年俳優ボブで、もう一人は写真家の夫の仕事の付き合いで一緒に東京に来た若い女性シャーロット。東京で過ごす日常が描かれています。二人とも異国の地、東京のパークハイアット東京で偶然知り合い、慣れない異国で孤独を深めていた二人が恋愛未満の絆を深めていくお話しでした。アカデミー賞やゴールデングローブ賞などを受賞した作品ですが、特に何か事件があるわけでもなく、空虚感のある日常が過ぎていきます。

ただ、外国人が日本をロケ地として撮っているので、日本がどんな風に外国の人から映るのか分かりました。東京を中心に数々の風景が映し出されますが、渋谷や新宿のネオン街、渋谷スクランブル交差点、パークハイアットホテル、東京タワー、祐天寺でのお経シーン、浅草商店街、京都など外国人が注目すべき風景を多く撮っていました。また、生け花やお経のシーン、しゃぶしゃぶの肉が全部同じに見えるとか、カラオケシーン、病院など、外国人から見るとそういったところに注目するのだなと思いました。

2つ気になったシーンがありました。1つはパークハイアットホテルのエレベータの中の日本人が喪服のようなものを着ていましたが、襟合わせが右前でした。生け花などのシーンの着物は左前でした。喪服でも生きている人は左前なのでは?と思いました。亡くなった方に着せるときは右前なので勘違いしているのでは?と思ったのと、パークハイアットホテルの就寝シーンで夜中にいきなり奥様からファックスが入るシーンがありました。ホテルの個室にファックスあるの?それとも自前で設置?とこの2つのシーンが気になりました。主人公二人の会話で、シャーロットが日本人はRとLの発音の違いができないのはなぜ?と聞き、ボブがわざとやっているんだ。それを楽しんでいるんだというセリフには吹き出してしまいました。

年収の壁

最近、顧問先様から年収の壁について改正があったみたいだけれど、テレビを見ていても良く分からないので教えてくださいと言われることが多くなってきました。経理担当者もパート従業員からそのような質問を受けるようです。今まで所得税が課税される給与収入の年収ラインは103万円と長い間いわれていて、世の中のパートスタッフもこれを把握していたようです。今後は160万円になると聞きましたが本当ですか?と聞かれるというのです。本当です!ただ、注意点がいくつかあります。配偶者の扶養になっている場合です。本人は160万円の給与収入までは税金がかかりませんが、配偶者が扶養している場合の配偶者控除も変わらないのかというと変わってきます。今までは配偶者が103万円以下でしたら配偶者控除が受けられました。それが123万円までなら受けられるようになります。では123万円を超えてしまったら、今度配偶者控除ではなく配偶者特別控除の対象になります。配偶者特別控除は38万円が満額控除額ですが、今までは150万円まで少しずつ控除額が減っていって150万円を超えると配偶者特別控除も0円になりましたが、今度は123万円から160万円まで少しずつ減って160万円を超えると配偶者特別控除も0円になります。

複雑ですよね。ですから本人だけの所得を考えると確かに160万円までは税金かかりませんが、配偶者の配偶者控除や配偶者特別控除の事を考えるとまた段階的に控除額が変わってきます。まとめると、160万円までは本人の所得税がかからない。123万円を超えると、扶養控除ができなくなる。150万円を超えると特定親族特別控除(大学等の一定の子を扶養する場合の控除)の満額適用(63万円)ができなくなる。188万円を超えると特定親族特別控除ができなくなります。その説明をすると経理事務員の方は、えー!!複雑すぎて分からないので年末当たりにパートの人から聞かれるのでその時また相談しますと言われました。

住民税がかからない給与年収の壁は110万円です。また、社会保険がかかってくるか否かのラインは従業員が51人以上の会社でしたら106万円まで、それ以外の中小企業でしたら130万円でその部分は今のところ改正がありません。そこまで聞くとお腹いっぱいですね。はい。聞いてください!と言うしかありませんでした。