対面セミナー

先週対面セミナーを行いました。今年はまだ一昨年ほどセミナーは全て解禁になったわけではありませんが、昨年やらなかったセミナーも今年は何個か開催できました。ただ、今までやったセミナーは全てWebセミナーでの開催でした。先週は今年初めての対面セミナーでした。講師側の意見を言いますと、対面セミナーの方がずっと楽です。

対面セミナーは勿論会場に行かなければならないという時間的ロスもありますが、それを差し引いても精神的に私は対面セミナーの方が安心できます。セミナーは相手があることですから、相手の顔を見ながらやるというのはとてもやりやすいのです。相手が頷きながら聞いてくれたりすると、俄然やる気もでます。また、分からなそうな素振りを見せれば深堀して話すことも可能です。

対面セミナーに懐かしさを覚えるものの、やはり対面セミナーが一番良いなとつくづく感じました。受講する側もWebセミナーよりも集中できると思います。来年のセミナー講師依頼ももう来ていますが、できれば対面セミナーに復活するといいなと思っています。(独り言です。)

最強の心理学

ちょっとブラックな香りのする表題ですが、中身は至って真面目な内容でした。これを読んで心理学ってマーケティング手法の一部に活用されているのだと改めて思いました。「フレーミング効果」や「バンドワゴン効果」「認知の不調和」「サンクコストの呪縛作用」など、マーケティングでも使われる手法が多数書いてあります。

ビジネススクールに通っていたときに、マーケティング初学者だった私はすぐにマーケティングの楽しさに目覚めましたが、この本にもそんな楽しさがありました。しかも難しい用語ではなく、とても具体的な事例で説明しているので、とても分かりやすい本でした。45の心理術について書かれています。特にビジネスに関連する部分は面白かったです。

男女の感じ方の違いなども触れ、的を射る内容にちょっと笑ってしまいました。男性側の底流にある男尊女卑の風潮を逆手に取るやり方などはやるなぁと思ってしまいました。税理士などはどうしても男性の割合が多いのですが、男性社会で働く管理職の女性などにもとても参考になる内容だと思います。

補助金に係る消費税仕入税額控除の届出

仕入税額控除の届出
↑令和2年4月1日から令和3年3月31日までの経費について、新型コロナウィルス感染症感染拡大支援事業の補助金を貰った医療機関には、このような手紙が着ているかと思います。補助金を受けた事業者様については必ず報告するようにして下さい。まず、消費税仕入税額控除の届出(添付資料2ページ目)で自院がどのカテゴリーに該当するのか確認して下さい。その結果1(→免税事業者)、2(→簡易課税事業者)、3(→公益法人等で特定収入割合5%超)に該当したら、この消費税仕入税額控除の届出のみ提出して下さい。

4か5に該当した場合、添付書類がそれぞれ異なります。添付書類については、添付資料3ページに記載があります。4の場合は消費税仕入税額控除の届出(添付資料2ページ目)と消費税の申告書のコピーだけでいいので簡単です。5の場合ちょっと厄介です。まず、提出書類1は、上記の仕入税額控除の届出(添付書類2ページ目)です。提出書類2は、手紙に記載してある様式をダウンロードして入力た後、印刷します。提出書類3は、消費税の申告書のコピーです。提出書類4は、消費税の申告書の付表2-1、2-2のコピーです。

注意点は、補助金申請の経費が入った消費税の申告書を提出することです。今回は令和2年4月1日~令和3年3月31日の経費ですから、3月決算法人の場合は、令和3年5月末までに申告した申告書1部で済みますが、それ以外の決算月の法人様については、決算月をまたいで経費補助を受けている場合、2期分の消費税の申告書のコピーが必要になります。こちらについては補助金申請者と顧問税理士とで協力して忘れずに期限までに作って提出してみて下さい。

電子帳簿保存制度その2

東京税理士会法対策部の今年の支部共通課題は税理士法の改正についてと相続贈与一体課税についてです。その他にも各自が改正要望を出せます。そのその他で一番多かったのが電子帳簿保存制度についてでした。この制度はあまりにも突然だったし事前告知もあまりないまま実行しなかったら青色申告取消要件になるという随分と無理のあるものでした。そりゃ全国の税理士が反発します。私も電子帳簿保存制度については要望書を記載しました。

この制度は大きな法人だけでなく、1人でやっている青色申告者でも対象になるので、その人達に周知されないまま来年1月から制度が実行されて、タイムスタンプの機能を備えたソフトウェアをすぐ購入できるくらいの組織ならまだしも、そこまでお金をかけられない事業者が大多数のまま実行してしまっていいのだろうか?と思っていました。税理士会の反発が多かったからかどうかは定かではありませんが、国税庁が11月12日付けで下記の通知を出しました。↓
国税庁通知R3.11.12

こちらの最終ページに問42の補足説明として付記されました。「これらの取扱いについては、従来と同様に、例えば、その取引が正しく記帳されて申告にも反映されており、保存すべき取引情報の内容が書面を含む電子データ以外から確認できるような場合には、それ以外の特段の事由が無いにも関わらず、直ちに青色申告の承認が取り消されたり、金銭の支出がなかったものと判断されたりするものではありません」どてーっという感じです。人騒がせな・・・まぁ良かったのでしょうけど、こっちは大騒ぎですよ。まったくもう。。

何だかとっても難しい

先日のブログで東京税理士会(本会)の調査研究部に所属した旨をお話したと思います。今、調査研究部では再来年(令和5年度)に向けた税制改正要望書を作成しています。これがまた難しいです。私は東京税理士会豊島支部の法対策部にも所属していますが、支部レベルではこうしてほしい!ああしてほしい!というレベルの要望で事は足ります。

ところが調査研究部にそれがあがると、改正課題について、1つの事を改正するとした場合、それに対して、国レベルでどうなのか?課税の公平の見地から適切か?それが実行された場合、どのくらいの増税額(または減税額)になるか?法律のどの部分を変えるか?など緻密な資料が必要になります。

一つの要望はたった4~5行ですが、その裏付けは膨大な資料によります。従前の要望を検討した上で新しく要望するのは1つが限界というところで、思い付きや独りよがりでは通りません。私は医療法人の顧問先が多いのでどうしても医療法人目線になりがちですが、国家全体でみてどうか?を常に考えなければ要望すら通らないのです。法律を変えるのはとんでもない作業なのですね。

現金つかえません

私が通勤時、池袋駅から事務所まで歩いてくる道のりに「現金つかえません」と大きく表示されたイタリア食材屋さんがあります。テイクアウトコーヒーも売っています。何ヶ月前にこれを見た時、「おおっ!」と思いました。小売業ですよ。小売業!とうとう時代はここまで来たかと思いました。以前から思っていましたが小売業や飲食業が売上を完全に電子マネーに出来れば、釣銭間違えや従業員の不正が行われにくくなります。昔、オーナーが店長である従業員を完全に信用して任せていたところ帳簿上は儲かっているのに現金が全くなくて後々スタッフの不正が見つかったという事例がありました。そんな悲しい結末をむかえないためにも売上100%電子マネー決済はいいですね。

この場合、消費者の立場から考えたらどうなのか?電子マネーを持っていないお年寄りは?ところが私の知っている人でも70歳以上でもスイカくらいは持っています。そう考えると完全に現金でなくてもいいのかなと思います。まだまだ地方では電子マネーを持っていない人も多いかと思いますが、関東1都3県では70歳以上でも電子マネー1つ位はもっていそうです。そういえば生活している中で以前は1万円以上の買い物はクレジットカードでそれ以下は現金で支払っていましたが、最近では1万円以上の買い物はクレジットカードでそれ以下は電子マネーで支払う事が多くなってきました。今現金払いするのは病院くらいではないでしょうか。

今から7年前にフィンランドに行った時、駅ナカでシナモンロールを買った時も、駅で切符を買った時も全て電子マネー(クレジットカード)でした。そう考えると日本は、世界的にみても遅れているのですね。日本でも近い将来小銭を持たない世界になるのでしょうか。2カ月前の9月1日にデジタル庁が発足しましたから、今後デジタル化していくことは間違いないですね。そう考えると個人情報の保護がとても大事になってきます。進んだ方が良いのか悪いのか微妙な選択です。電子化の流れは避けられそうにありませんが、変な方に進まないことだけを願っています。

護られなかった者たちへ

この映画は東日本大震災と生活保護という問題に焦点を当てた作品でした。殺人事件を追ううちに少しずつ分かってくるのですが、私は東京に住んでいるのでそこまで身近に体験をした人が居ません(帰宅困難者の体験はありますが)、宮城県では随分と多くの人が亡くなっているんだと実感しました。みんな家族や職場を失い見えないストレスを抱えて生きていました。

そんな中でも血が繋がってもいないのに、性別・年齢を超えた繋がりが生まれたり、護らなければならない人ができたりしますが、それでも日々生きる事に精一杯な人々がいます。宮城県の津波災害があった地区では職場を流され職を失った人が仙台市に移住して、生活保護を求める動きもあります。もちろん、受けなければならない人もいれば、働けるのに不正受給する人もいます。

生活保護申請をする人が多くいる中、何をもってそれを決めるのかはとても難しいです。原理原則に従って不受給にしたとしてもその原理原則自体にやむを得ない事情がある場合もあります。だからといって例外をことごとく認めていたら不正受給も増えるでしょう。生活保護の在り方をとても考えさせられたし、東日本大震災で残された人々の痛みもよく分かった映画でした。