起業家・ベンチャー企業 支援の実務


ベンチャー企業とはどのような企業でしょうか?早稲田大学院松田教授によると「成長意欲の強い起業家に率いられたリスクを恐れない若い企業で、製品や商品の独創性、事業の独立性、社会性、さらに国際性を持ったなんらかの新規性のある企業」といっています。また、この本では「革新性という特徴をもった(又はもつための努力をしている)中小企業」と定義しています。

このようなベンチャー企業の定義から始まり、法制度、支援制度、IPOのメリットデメリットなどが書かれています。そして、開業前の事業計画や開業支援、会計や税務、資金調達や人事・労務について書かれています。
終盤になると企業評価の方法(DCF法や税務上の評価)や株式公開、資本調達、ストック・オプション、持ち株会、事業承継、M&Aにまで及びます。

ベンチャーではなくても起業しようとしている人は目を通しておくと良いかもしれません。

今年も一年お世話になりました。来年もよろしくお願いいたします。
それでは、良いお年を・・・

2011年映画鑑賞

今年は映画を44本観ました。その中で最も印象が残った私の好きな映画「BEST3」はこの映画です。

1位 八日目の蝉・・・2011.5.3のブログに載せた作品です。ブログにも書きましたが何しろ号泣もので女性の生命力というか力強さをまざまざと感じた作品でした。

2位 RED・・・これは今年の2月に観ましたが、2月のブログにはジーン・ワルツを書きました。なので感想は書いていません。。REDとはRetired(引退した)Extremely(超)Dengerous(危険人物)の略で、ズバリ全く期待しないで観に行った映画です。年金受給者が暴れる映画くらいにしか思っていませんでした。主演のブルース・ウィルスはじめモーガン・フリーマン、ジョン・マルコヴィッチ、ブライアン・コックスなど魅力溢れる人間味のある人たちが沢山出てきます。特にその位の年代で唯一の女性ヘレン・ミレンの何とスタイルの良さとカッコよさに惚れ惚れした映画でした。こんな風に年を経たらどんなに素敵だろうと思わせてくれた映画でした。

3位 ワイルド・スピードMEGA MAX・・・2011.10.21のブログにも書きましたが、気分爽快になる映画でした。これも人間味の溢れる人たちが沢山出てきます。

来年も沢山の映画を観てブログに載せるつもりです。

受動喫煙防止対策助成金

平成23年10月1日から受動喫煙防止対策(注1)をした事業主(注2)については、喫煙室の設置等に係る費用の1/4(上限200万円)の助成金を受けることができます。そのためには、都道府県労働局労働基準部健康安全課に申請書等を提出することが必要です。

(注1)①一定の要件を満たす喫煙室の設置をした場合
②喫煙室以外には受動喫煙を防止するための換気設備の設置等の措置をした場合

(注2)労働者災害補償保険の適用事業主であって、旅館業、料理店又は飲食店を経営する中小企業事業主であること(料理店又は飲食店は、常時雇用する労働者の数が50人以下又はその資本金が5,000万円以下、旅館業は、常時雇用する労働者の数が100人以下又はその資本金が5,000万円以下である事業主)

例えば、上記の対象となる事業主が喫煙室を900万円かけて設置したとします。
900万円×1/4=225万円>200万円 ∴200万円
この場合200万円が助成金となります。
設置費用が720万円だったら、720万円×1/4=180万円<200万円∴180万円
この場合は180万円が助成金となります。

注意点としては、工事をする前に「受動喫煙防止対策助成金関係工事計画」を所轄の都道府県労働局長に提出し認定を受ける必要があるということです。

ゲーム論(パレート最適)

パレート最適とは、ナッシュ均衡のように自分のみを動かすのではなく、全体の状態を動かしてもいいとする考え方で、簡単に言えば全体合理性を考えた概念です。2011.8月のゲーム論(囚人のジレンマ)のブログ
http://www.hy-tax.com/blog/2011/08/post-100.html
の図でいくと、パレード最適はどのパターンでしょうか?

前回お話したナッシュ均衡は自分のみの損得を考える非協力ゲームなので、自白と自白がナッシュ均衡となります。

しかし、パレート最適は全体合理性を考えた概念、つまり双方は協調することになります。したがって、黙秘と黙秘がパレート最適ということになります。

厚生労働省税制改正要望(医療法人関係)

平成24年度の税制改正において厚生労働省は様々な要望(医療、年金、たばこ、雇用、子供等)を出しています。その中で特に医療法人に重要な要望は以下5つです。①社会保険診療報酬に係る事業税の非課税措置の存続 ②医療継続に係る相続税・贈与税の納税猶予等の特例措置の創設 ③社会医療法人に対する寄付に係る寄付金控除等の創設 ④研究開発税制(増加型・高水準型)の恒久化 ⑤社会保険診療等に係る消費税のあり方の研究

①は医療法人は株式会社等に比べ事業税が少ないです。なぜならば社会保険診療報酬は事業税法上非課税となっているからです(法人税法上は課税です)。また、医療法人は特別法人なので普通法人(株式会社等)より400万円を超える所得については税率が少し優遇されています。これを廃止する動きが一部でありますが、存続させるべきという意見です。私の意見も同様です。ただでさえ民間医療法人は公的医療機関に比べ税金の負担が多く同じ土俵で戦っていないのです。これ以上公的医療機関に差をつけるのは不遇すぎます。

②については、持分あり社団医療法人の出資者に相続が起こった時に3年以内に持分なし社団医療法人に移行すれば、出資にかかる相続税が猶予されることを要望するものですが、これが通ったところで相続税法第66条4項のみなし贈与の問題は消えません。医療法人は事業承継税制の対象外なので、今後も相続に関しては問題が山積みです。

③と④については当然の要望です。こちらは要望しないと認められないので自己主張が大切です。

⑤については、消費税創設以来の医療法人消費税損税問題の見直しです。今後税率が上がってくるのでますます重要な問題となります。社会保険診療報酬を課税にすれば損税問題はなくなりますが、おそらく医療法人の不満は増えると思います(消費税の納税額が増えるから)。社会保険診療報酬について、非課税ではなく0%課税か免税にすれば、条件としては1番良いのですが、これも難しいでしょうね。免税は今のところ輸出免税等しかありませんので、そこに医療だけいれるのはどうかと思います。0%課税というのは今のところありませんが、次の消費税改正で入れることができれば医療法人にとっては安泰です。

1級FP技能士

1級FP技能士は正確には、ファイナンシャル・プランニング技能士1級というらしいです。日本FP協会のAFP・CFPとの関係を聞かれることがありますが、AFP・CFPは国際資格で、2級FP・1級FPは国家資格(技能士)です。レベル的にはAFPと2級FPが同等で、CFPと1級FPが同等ですが、ややAFP・CFPの方が難しいと言われています。

1級FPは学科試験と実技試験がありますが、CFPを持っていると学科試験が免除になるので、実技試験の合格だけで、1級FPを取得できます。私はCFPを持っていたので実技試験だけ受けました。1回目の試験で合格しましたが、私が合格した時(2008年9月)の実技試験の合格率は75.6%でした。学科試験の合格率は10%~15%なので、CFPを取ってから受験すると楽に合格できます。

勉強方法は独学です。CFPの試験にかぶっているのでCFPのテキストの見直しと過去問を何回か解きました。CFPの試験でいうとライフプランニング・リタイアメントプランニングの問題が中心だったように思います。合格証書は厚生労働大臣の名前で受理されるので、ちょっと嬉しいです。

通勤手当の改正

電車や車で通勤している人は通勤手当というのを支給されている場合が多いと思います。
電車であれば実額(定期券等の金額で最高10万円までが非課税、それを超えると課税です)、車や自転車で通勤している人は、通勤経路に沿った自宅から勤務地までの片道の距離に応じて非課税枠が決められています。
その金額は次のとおり
2㎞未満・・・0円
2㎞以上10㎞未満・・・4,100円
10㎞以上15㎞未満・・・6,500円
15㎞以上25㎞未満・・・11,300円
25㎞以上35㎞未満・・・16,100円
35㎞以上45㎞未満・・・20,900円
45㎞以上・・・24,500 円
なお、15㎞以上で運賃相当額がその金額を超えるときは、その運賃相当額になりますが、上限は10万円となります。

車で通勤している人は上記の金額と通勤定期券の金額と比較して有利な方を採用できる特例が平成24年1月1日以後に支給される通勤手当から廃止となります。

例えばAさんは健康も兼ねて自宅から勤務地までの16㎞を毎日自転車で通っていました。通勤定期券だと15,000円です。今までは通勤手当を15,000円貰っていたとしても全額非課税(所得税法上課税の対象とされない)でしたが、来年以降も15,000円貰ったら、15,000円-11,300円=3,700円については、給与の一部とみなして課税対象となります。お気を付け下さい。ただ、私の周りの状況を見ていますと最近では実額運賃までしか支払わないという法人が多いような気がします。