このブラックなタイトルになんとなくドキドキして本を手に取ってしまった私です(笑)
読んでみると、目が動く方向によって何を考えたか分かる。例えば上に向くと視覚的イメージ、真横だと音や言葉、身体に何か感じた時は下というように・・・人は興味があるものを見ると瞳孔が開くなど・・・つまり、心に思ったり感じたりすると人は無意識に身体のどこかにそれが素直に現れてしまうというのです。だからその微妙な動きを察知できれば何を考えているか分かるのだそうです。この本の扉の裏に「心を透視するのに超能力はいらない。なにより必要なのは観察力だ」と書いてあります。
ほほぅと感心しつつ読み進めていくと、そんなことが書いてあるのは、前半だけ・・・始めは他人の観察から入っていった内容は次第に自分自身に向けられてきて、本は意外な方向に転換していきます。
途中から、ザ・シークレットや7つの習慣を読んでいるような感覚になってきます。自己暗示はいかに影響するかから、メンタル・トレーニングで夢を実現する方法まで・・・大分想像していた本の内容と違ってきました。
終わりに近づくと著者のメッセージを感じ取ることができます。「始めるのに、遅すぎるということはない」ということです。習うなら若いうちなんでウソだと言っています。成功した事業家が40歳で事業を売却して素人だけどやりたかった指揮者に転身して成功した話しを例に出して、こう言っています。
だから、誰から何を言われても、意欲を失わないでほしい。
あなたが何を考えるか、そして何を志すかは、あなた自身に権利がある。今の状況でも、いつでも、複数の選択肢があることをしっかりわかっていれば、先に進まずにはいられないだろう。あなたは行動したい、今の人生をもっとよくしたいと思っている。一人ひとりにとっての成功は必ずある。
予想外の展開にちょっと戸惑いましたがブラックなイメージからかけ離れた良い本でした。