バランス・スコアカード


経営の数値だけ見ていても、全く経営がよくならない時ってありますよね。財務的視点は勿論大事です。経営状態が悪いと企業の存続も危ぶまれるからです。でも、経営成績だけがすべてでしょうか?

財務的問題がどうにもならない時、他の視点で経営を見るというのが大事です。

バランス・スコアカードはキャプランとノートンがあみだした戦略的マネジメント手法です。それは、短期的に企業を見るのではなく、短期的にも長期的にも企業の成長を促し、トップの経営戦略を現場に落とし込むといった手法です。

財務的視点・顧客の視点・業務プロセスの視点・学習と成長の視点のそれぞれの視点から企業を見つめ、組織力をUPし結果的に財務的にも良くなるという方法です。

ここで最も大事なのが、経営者自らの経営理念です。全従業員が一丸となって企業のあるべき姿に邁進すれば良くなることは目に見えています。

ただでさえ、ルーチンワークで辟易している現場に余分な仕事が増えたと感じさせずに、わくわくした未来を与えることができれば、成功への道を掴んだようなものです。

バランス・スコアカードのマネジメント手法は上記の図のように行います。

孫子の兵法 経営戦略


孫子の兵法を基に中小企業の立場に立って、69の教えを説いています。今、日本では、頑張れば売れる。いいものを作れば売れる。安くすれば売れるという時代が終わったと著者は言っています。日本は人口減少、マーケット減少、デフレスパイラルの閉塞状況にあり、なんかしらの手を打たないといけない時代です。そんな時代に中小企業が勝つポイントのようなものが書かれた本です。気になった項目を4つ紹介します。

「孫子曰く、戦いの地を知り、戦いの日を知らば、千里なるも戦うべし。」
自社がいつから、どこで戦うかを決めることができれば、準備もできるし、多少遠い道のりでも進んでいくことができる。そのためには長期・中期・短期の経営計画を持つ必要がある。

「孫子曰く、兵の情は速やかなるを主とす。人の及ばざるに乗じ、虜(はか)らざるの道に由(よ)り、其の戒めざる所を攻むるなり。」
相手が大きくても戦い方は必ずある。相手が強大であればあるほど生じる弱点がある。例えば意思決定のスピードだ。そこを突け。

「孫子曰く、火を以て攻を佐(たす)くる者は明なり。水を以て攻を佐くる者は強なり。」
客が減る時代だからこそ水攻め(既存顧客を守ること)の他に火攻め(新規ビジネスモデルによる新規開拓)が必要である。

「孫子曰く、利に非(あら)ざれば動かず、得るに非ざれば用いず、危うきに非ざれば戦わず。」
やらないよりやった方がいいという妄想が企業を倒産に導く。利益をもたらさない軍事行動は起こすべきではなく、勝算がなければ兵を動かしてはならない。

資金係数(減債基金係数)


X円をY年後に貯めるには、毎年いくら積み立てなければならないか?を計算するための係数が減債基金係数です。

例えば、10年後に1,000万円貯めるために2%運用で毎年いくら積み立てなければならないか?

1,000万円×0.0913=913,000円

つまり、10年後に1,000万円のお金を貯めるためには、2%運用だと、毎年913,000円積み立てる必要があるということです。

上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除

上場株式等について譲渡損が生じた場合、3年間繰越できることは有名ですが、下記のような事例の場合どうしたらいいか分からなくなるケースが多いのでここでお話しようと思います。

前提1上場株式ではない株式の譲渡による所得が50万円ある
2特定株式の譲渡による譲渡損失の金額△30万円
3上場株式等の譲渡による損失の金額△60万円
4上場株式等に係る配当所得の金額10万円

まず、1の所得50万円から2の所得30万円を控除します。その時点で1の所得は20万円になります。その後、2の所得の60万円をさらに控除します。20万円から60万円を控除するので、40万円の損失(△40万円と表示します)となります。そこから4の10万円を足します。そうしますと△40万円+10万円=△30万円となり、今年度の上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除は、30万円となります。

ジーン・ワルツ

海堂尊シリーズのチーム・バチスタの栄光とジェネラル・ルージュの凱旋を両方とも劇場で観た私は楽しみにして「ジーン・ワルツ」を観に行きました。見た感想は前2作とは全く違った作風でした。副題として医療ミステリーの衝撃作とありましたが、そもそも前2作と違ってミステリーではありません。ミステリーではないけれど、産婦人科が抱えた問題やそれにまつわる日本における医療の法規制に向き合った、いわば社会問題を取り上げた映画です。

私の顧問先にも産婦人科があるので、産婦人科の大変さは分かっていたつもりでしたが、現在の産婦人科医の減少などとともに周産期医療が抱えた問題も浮き彫りにしています。

また、代理母出産についての問題も提起していて、子供を産めない体になった主人公の女医は、自分の卵子を使って自分の母に代理出産をしてもらうという話です。これを知った仲間の医者が女医に聞きます「君のしたことは正しいと思っているのか?」女医は言います。「正しいとか正しくないとかじゃなくて、医者も患者と同じように沢山の矛盾を抱えた一人の人間なのよ。」・・・やられました。。深すぎます。。。

日本では代理母出産は認められていません。その理由は、第三者に懐胎、分娩などの危険を負わせることをはじめ、遺伝的問題、宗教的問題、契約的問題、法律上の問題、etc…確かにリスクを挙げればキリがない。これだけ多くのリスクを掲げられる以上、現実問題として法制度化するのは難しいと思います。逆に法制度化して様々なリスクを法制限したら、今よりもっと代理母出産は難しくなるような気がします。

このケースでは、代理母となった実母も幸せを実感している。実母に生命の危険が結果的になかった。女医は幸せを感じている。自分の精子を勝手に使われた男性はそのことをうすうす気が付いているという点が唯一の問題といえば問題ですが、女医が高い志を持っている限り問題は表面化しない感じでした。

代理出産の是非を問う部分もある映画でしたが、結論は映画を観ている個人に委ねられているような気がします。関係ないですが、私はこの映画を観て泣きませんでしたが、一緒に観た友人は終始泣きっぱなしでした。

CFP

CFPとは、Certified Financial Planner のことで、日本FP協会のホームページによると  「CFP資格は1992年に日本FP協会とCFPボード(米国)との業務提携により我が国に導入されたファイナンシャル・プランナーのプロフェッショナル資格です」 とあります。

試験科目は①金融資産運用設計 ②不動産運用設計 ③ライフプランニング・リタイアメントプランニング ④リスクと保険 ⑤タックスプランニング ⑥相続・事業承継設計 の6科目です。

6科目はバラバラに受験することができ、6科目全てに合格すれば、エントリー研修などを経てCFP登録することができます。

私は税理士のためAFPは簡単な資格取得試験で取得できますが、CFPは正規なルートでの試験でしたので、AFPをまともに勉強していない飛び級受験だったので大変でした。それでもかなり業務にかぶっていた部分が多く、楽しく勉強することができました。

CFP試験は春と秋の年2回あります。金融資産運用設計以外の5科目は2007年の秋の試験で一発合格しましたが、金融資産運用設計だけ落として、翌年の春の試験で合格しました。

CFP試験を受験しての感想は、兎に角ためになる!ということです。生活に必要なお金に関する知識が漏れなく勉強できます。日本はお金に関する勉強は何故か避ける傾向にありますが、こんな世の中だからこそ、お金に関する知識は必須だと思います。また、税理士試験のように過酷な試験ではありませんので、楽しみながら知識を吸収することができます。

医療法人における基金の返還

前回カテゴリー”医療法人”でお話しました基金ですが、定款の定めにより返還することができます。定款にどう書かれているのかがポイントになりますが、殆んどの場合、モデル定款と同様と思われますので、定款がモデル定款と同じだったということを前提にお話しします。

貸借対照表上の簿価純資産額(純資産の部)が下記の合計額を超える場合にのみその超過額を返還額の限度額として、基金の返還をすることができます。

①基金(代替基金も含む)
②資本剰余金
③資産につき時価を基準として評価を行ったことにより増加した貸借対照表上の純資産額

例えば、帳簿純資産額(純資産の部)が20,000千円で基金が10,000千円、代替基金が2,000千円、資本剰余金と時価評価額の増加が0円とした場合、20,000千円-(10,000千円+2,000千円)=8,000千円なので8,000千円以下の返還なら行うことができます。基金のうち半分の5,000千円を返還することとした場合の仕訳は下記の通りとなります。

(借方)基金         5,000千円  (貸方)現金預金  5,000千円
(借方)繰越利益剰余金 5,000千円  (貸方)代替基金  5,000千円