有料老人ホームのルール見直し

厚生労働省では現在、「有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会」を開催し、有料老人ホームの運営ルールの見直しを進めています。背景には、高齢化の進展に伴う有料老人ホームの増加と、それに伴うさまざまな課題があります。特に議論されているのが、入居者保護の強化です。契約内容や費用体系が分かりにくいケース、介護サービスの利用実態が十分に説明されていないケースなどが指摘されており、今後は重要事項説明や情報開示の充実が求められる見込みです。

また、「囲い込み」と呼ばれる問題も大きなテーマとなっています。これは、有料老人ホームが特定の訪問介護や訪問看護事業所の利用を事実上誘導し、利用者の選択肢が狭められてしまう状況を指します。検討会では、利用者が自らサービスを選択できる環境づくりや、ケアプランの適正化についても議論されています。今回の見直しは、単なる規制強化ではなく、「利用者本位の介護サービス」を実現することが目的です。

医療法人や介護事業者にとっては、サービス内容の透明性や説明責任がこれまで以上に求められる時代になるでしょう。今後の制度改正の動向は、高齢者施設の運営のみならず、医療・介護業界全体に大きな影響を与える可能性があります。引き続き注目していきたいテーマです。

診療報酬改定

2年に1度診療報酬改定が行われますが、2年前の改正が病院にとってはかなり厳しく病院にとってかなり厳しい改正でしたが、2026年度診療報酬改定は、物価高騰や人件費上昇により厳しい経営環境に置かれている医療機関を支援するため、30年ぶりとなる3%超の診療報酬本体プラス改定が実施されました。今回の改定の最大の特徴は、医療従事者の賃上げと病院経営の安定化を強く意識した点にあります。

具体的には、急性期一般入院料や地域一般入院料などの入院基本料が大幅に引き上げられたほか、光熱費や医療材料費の高騰に対応するため「物価対応料」が新設されました。また、ベースアップ評価料も大幅に拡充され、医療従事者の処遇改善に必要な財源の確保が図られています。

一方で、医療DXの推進、地域医療構想を踏まえた病床機能の見直し、在宅医療の充実など、医療提供体制の効率化や高度化に向けた施策も引き続き進められています。しかし、改定全体を俯瞰すると、従来の制度改革中心の改定というよりも、物価高や人材確保といった喫緊の課題への対応を優先した色彩が強い改定といえます。そのため、2026年度診療報酬改定は、「医療機関の経営改善」「医療従事者の賃上げ」「物価高対策」を三本柱とする、近年では異例の経営支援型の改定として位置付けることができます。

継続的な賃上げ

継続的に賃上げを実施している医療機関について、より高い点数を算定できる仕組みが示されました。2026年6月以降は、継続的な賃上げを実施している保険医療機関について、高い点数を算定できるようになります。対象となるのは、2026年3月31日時点でベースアップ評価料を届け出ている保険医療機関です。

一方、2026年3月までにベースアップ評価料を届け出ていなかった場合でも、同等の賃上げを実施していれば対象となる可能性があります。その場合は、2026年度改定においてベースアップ評価料で求められる賃上げ水準に加え、2024年度改定で求められていた2.3%の賃上げ水準を上乗せした水準の賃上げを行っていることが条件となります。詳しくはこちらをご覧ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00053.html

かかりつけ医機能報告

医療機関は毎年1月~3月に医療機能情報提供制度の定期報告がありますが、病院、診療所は今年度から「かかりつけ医機能報告制度の定期報告」も始まりました。こちらの報告は全ての病院と歯科を除く診療所が対象となっています。かかりつけ医という概念もない美容整形外科や企業内の診療所も対象となります。

報告内容な1号機能として日常的な診療を総合的かつ継続的に行う機能についての報告があります。一定の事由に該当する場合は2号機能の報告も必要です。2号機能は、通常の診療時間外の診療、入退院時の支援、在宅医療の提供、介護サービス等と連携した医療提供、その他検診・予防接種・地域活動・教育活動等・今後の意向などです。詳しくはこちら↓
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000123022_00007.html

専門医

医師といってもそれぞれ得意な診療科目があり、医師の専門性に関する資格等を取得している医師は全体の6割強です。厚生労働省の医師・歯科医師・薬剤師統計によると、一番多い専門医資格は総合内科専門医です。二位は消化器病専門医です。三位は眼科専門医です。まぁそうだろうなと納得の結果です。何でも専門家しています。歯科もインプラントだけ行う歯科もいますし、税理士も相続税だけやる税理士がいます。国家資格取得者も細分化されて益々どう生きるか、何を選択するかを選択しなければならない時代になってきました。

医療機関の経営状況を比較

厚生労働省保険局医療課によると医療法人経営情報データベースで集計した病院の経営状況は2023年に比し、2024年は医業利益率、経常利益率いずれにしても減少しています。当事務所の顧問先様も病院経営を行っている法人様も全て、マイナスになっています。一般病棟は収益の増加以上に費用が増加して、療養型病棟と精神科病院は収益が減少した上に費用が増加したことでかなりの赤字となっています。費用は特に給与費と材料費、そして光熱費などの増加です。

クリニックは赤字ではないですが、利益率は減っています。医業利益率は7.9%から4.5%へ減少し、経常利益率も9.8%から5.8%へ減少しています。これは入院施設の無いクリニックでの指標ですが、入院施設があるクリニックはもっと厳しい状況です。最近不合理に思う事が多いです。人のために真面目に患者と向き合っている医師が勤務する医療機関が財務的に厳しく、こう言っては何ですが、美容クリニックや審美歯科などが儲かっています。そして医師そのものもそういった診療科目に流れています。何ともやるせなく悔しい思いになります。

医療制度の改革が必要だと感じます。特に病院は早く診療報酬改定で増額改定にならないとさらに潰れる病院が出てくるのではないかと思われます。

国民医療費48兆円

国民医療費は48兆円を超え過去最高になりました。中でも薬局調剤医療費の増加が大きいようです。65歳以上の医療費が60.1%を占め、一人当たり医療費では65歳未満が218,000円なのに対し、65歳以上は797,200円です。そう言えば確定申告をしていても医療費控除をするのは65歳以上の人が多いです。

病院の経営状況も厚生労働省の審議会(医療法人経営情報データベースから入手)で示されたデータによると医業利益率、経常利益率、いずれも悪化しています。やはりな!という感じです。当事務所の顧問先である病院も軒並み利益率ダウンです。特に療養型病院と精神科病院は収益が減少した上に費用(材料費・給与費・水道光熱費)が増加したことにより益々赤字になっています。

非常に悩ましい状況です。診療報酬を下げるわけにはいきません。むしろ上げるべきです。ただ、そうすると国民医療費がさらに増加。国民の負担も増加します。さて、どうするか。政治家の腕の見せ所です。

東京都にある医療法人の皆様へ

東京都生産性向上・職場環境整備等支援事業補助金
https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/iryo/jigyo/productivity

こちらの補助金は100%いただける補助金です。病院や有床クリニックであれば許可病床数×4万円が支給額で無床診療所や訪問看護ステーションでれば18万円がマックスですが、補助率100%なので間に合えば是非申請してください。タブレット端末や床ふきロボット、監視カメラなども対象になるので、対象になるのであれば是非申請してください。締切日が12月31日なのでその点だけ注意です。

医療通訳

外国人観光客増加により外国人が国内で診療を受けることも多くなり、また、日本の診療の確かな技術を受けるためにわざわざ外国から医療観光で来訪する外国人も多くなっています。それに伴って日本でも外国人受け入れ促進のための医療通訳のセミナーが行われることになりました。こちらではオンライン講座に加え、ロールプレイ演習、医療機関や観光地での実地研修などもやるそうです。外国人の患者の対応を強化しようとしている医療法人様にも是非受けていただきたい講座です。なお、募集期限は2025年12月3日となります。詳しくはこちらまで
医療通訳

外国人患者受け入れ医療コーディネータ養成研修

医療機関の管理者向けに表題の研修が無料で行われます。日時は令和7年12月12日(金)14時30分~16時30分までの2時間です。ZOOMでのオンライン開催ですので地方の方も受講できます。興味ある医療法人の方は是非ご受講下さい。詳しくは
https://cf20bdb8.form.kintoneapp.com/public/iryocoordinator-kanrisha-kenshu-apply