医師といってもそれぞれ得意な診療科目があり、医師の専門性に関する資格等を取得している医師は全体の6割強です。厚生労働省の医師・歯科医師・薬剤師統計によると、一番多い専門医資格は総合内科専門医です。二位は消化器病専門医です。三位は眼科専門医です。まぁそうだろうなと納得の結果です。何でも専門家しています。歯科もインプラントだけ行う歯科もいますし、税理士も相続税だけやる税理士がいます。国家資格取得者も細分化されて益々どう生きるか、何を選択するかを選択しなければならない時代になってきました。
カテゴリー: 医療法人
医療機関の経営状況を比較
厚生労働省保険局医療課によると医療法人経営情報データベースで集計した病院の経営状況は2023年に比し、2024年は医業利益率、経常利益率いずれにしても減少しています。当事務所の顧問先様も病院経営を行っている法人様も全て、マイナスになっています。一般病棟は収益の増加以上に費用が増加して、療養型病棟と精神科病院は収益が減少した上に費用が増加したことでかなりの赤字となっています。費用は特に給与費と材料費、そして光熱費などの増加です。
クリニックは赤字ではないですが、利益率は減っています。医業利益率は7.9%から4.5%へ減少し、経常利益率も9.8%から5.8%へ減少しています。これは入院施設の無いクリニックでの指標ですが、入院施設があるクリニックはもっと厳しい状況です。最近不合理に思う事が多いです。人のために真面目に患者と向き合っている医師が勤務する医療機関が財務的に厳しく、こう言っては何ですが、美容クリニックや審美歯科などが儲かっています。そして医師そのものもそういった診療科目に流れています。何ともやるせなく悔しい思いになります。
医療制度の改革が必要だと感じます。特に病院は早く診療報酬改定で増額改定にならないとさらに潰れる病院が出てくるのではないかと思われます。
国民医療費48兆円
国民医療費は48兆円を超え過去最高になりました。中でも薬局調剤医療費の増加が大きいようです。65歳以上の医療費が60.1%を占め、一人当たり医療費では65歳未満が218,000円なのに対し、65歳以上は797,200円です。そう言えば確定申告をしていても医療費控除をするのは65歳以上の人が多いです。
病院の経営状況も厚生労働省の審議会(医療法人経営情報データベースから入手)で示されたデータによると医業利益率、経常利益率、いずれも悪化しています。やはりな!という感じです。当事務所の顧問先である病院も軒並み利益率ダウンです。特に療養型病院と精神科病院は収益が減少した上に費用(材料費・給与費・水道光熱費)が増加したことにより益々赤字になっています。
非常に悩ましい状況です。診療報酬を下げるわけにはいきません。むしろ上げるべきです。ただ、そうすると国民医療費がさらに増加。国民の負担も増加します。さて、どうするか。政治家の腕の見せ所です。
東京都にある医療法人の皆様へ
東京都生産性向上・職場環境整備等支援事業補助金
https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/iryo/jigyo/productivity
こちらの補助金は100%いただける補助金です。病院や有床クリニックであれば許可病床数×4万円が支給額で無床診療所や訪問看護ステーションでれば18万円がマックスですが、補助率100%なので間に合えば是非申請してください。タブレット端末や床ふきロボット、監視カメラなども対象になるので、対象になるのであれば是非申請してください。締切日が12月31日なのでその点だけ注意です。
医療通訳
外国人観光客増加により外国人が国内で診療を受けることも多くなり、また、日本の診療の確かな技術を受けるためにわざわざ外国から医療観光で来訪する外国人も多くなっています。それに伴って日本でも外国人受け入れ促進のための医療通訳のセミナーが行われることになりました。こちらではオンライン講座に加え、ロールプレイ演習、医療機関や観光地での実地研修などもやるそうです。外国人の患者の対応を強化しようとしている医療法人様にも是非受けていただきたい講座です。なお、募集期限は2025年12月3日となります。詳しくはこちらまで
医療通訳
外国人患者受け入れ医療コーディネータ養成研修
医療機関の管理者向けに表題の研修が無料で行われます。日時は令和7年12月12日(金)14時30分~16時30分までの2時間です。ZOOMでのオンライン開催ですので地方の方も受講できます。興味ある医療法人の方は是非ご受講下さい。詳しくは
https://cf20bdb8.form.kintoneapp.com/public/iryocoordinator-kanrisha-kenshu-apply
また増えた
下記をご覧下さい。これは毎年、厚生労働省が医療法人の種類別に数を推移表にしたものです。また、増えました。他の業種ではどちらかというと減少している業種の方が多いような気がしますが、医療法人は増えています。いったいどこまで増えるのでしょうか?今一番オーソドックスな医療法人設立形態は社団(持分なし)です。令和6年には22,115法人でしたがたった1年で23,268法人になり過去最多になりました。人口は減っていますが高齢者が増えて、疾病が複雑化して増えている影響でしょうか?主たる診療科目で何が増えているのかも知りたいところです。意外と美容外科だったりして・・・もっと細かい情報を開示してもらいたいものです。
医療法人推移
死因究明拠点整備モデル事業実施団体の公募
皆さんは「監察医 朝顔」というテレビを見たことがあるでしょうか?上野樹里さんが法医学者朝顔先生を演じているのですが、毎回亡くなった方の死因を究明する仕事っぷりに深い感銘を受け、また、医者である朝顔先生と警察官である夫との関係性が理想的で子供やおじいちゃんとも同居しているのですが、家族として理想的な関係性を構築していて、働く女性としても家族を大事にする女性としても見習うべきものがあり、そのテレビは私に癒しを与えてくれました。のだめカンタービレの時もそうでしたが上野樹里さんの何とも言えないほんわかした雰囲気の中に強い意志を持つ女性というのが共通していてそれは私にとってもあこがれの女性像でした。
それに少し関係ある「死因究明拠点」のモデル事業を実施することになり公募が始まります。応募期間は8月19日から9月5日と短いですが、興味のある医療機関は是非応募してみて下さい。詳しくはこちら↓
死因究明拠点整備モデル事業公募
出産費用無償化へ
厚生労働省は2026年度をめどに出産費用の無償化を検討しています。それは良いことだと思いますが今までも出産育児一時金が引き上げられてきたこともあります。その後も出産費用は上昇していて妊産婦の実質的な経済的負担を削減するということが主な目的らしいですが、産婦人科を経営する産婦人科医からは、毎年毎年最低賃金が値上がりし、人件費が増大している。例えば今回の出産費用無償化とは自費を保険診療にするということであれば収入が落ちるような気がする。今でも多額な人件費でやりくりが大変なのに、保険化されたら経営を継続させられるか自信がないという意見です。
確かに妊産婦側から見たら無償化は大変喜ばしい事です。でも低額な保険でカバーされてしまうなら産婦人科経営は成り立たなくなります。どうか、妊産婦にとっても医療機関にとってもお互いに良い制度設計になることを願っております。私の事務所は様々な診療科の顧問先がおりますが、私が実感するに一番ハードな診療科目は産婦人科だと思います。特に個人クリニックレベルだと、常勤医師は一人だけでたまに非常勤医師が対応しているという環境ですと、常勤医師はほぼ365日24時間拘束です。計画出産でもしなければいつ生まれるか分からないためです。以前産婦人科医の奥様がおっしゃっていました。結婚してから海外旅行に行ったことがない。いつ、お産で呼び出されるか分からないからです。とおっしゃっていました。どうか妊産婦にも医療法人にもお互いにメリットがある制度設計になりますように。
電子カルテ情報共有サービス
政府は2030年までにすべての医療機関に電子カルテを普及することを目標としています。そのためそれを誘導するために「医療DX推進体制整備加算」と「在宅医療DX情報活用加算」があります。医療DXを促進するためにオンライン資格確認、電子処方箋、電子カルテ情報共有ビスの3つが施設基準に組み込まれて段階的に経過措置が設けられてきました。2025年9月に経過措置期間が終了します。
日本医師会の調査によると電子カルテの使用割合は62.6%(2024年秋)で、院長の年齢と使用割合に相関関係が見られました。しかし70歳以上の階層でも4割以上が使用していました。一方で23.7%が今後も使用する予定なしとも回答しています。医療DXに向けてIT導入補助金等の支援策も活用できるので引き続き最新情報に注目して検討していただければと思います。