外国人患者対応

オリンピックどうなるのでしょうね?開催も1年延長にした方が良いというトランプ大統領の発言も気になりますね。外国人が日本国内で医療機関に受診する場合の規定などは、病院やクリニックにありますか?外国人旅行者などは日本の保険証を持っていないから自費診療(保険でいうと10割診療)で良いのか?と思っている方もいると思いますが、外国人旅行者への医療費請求は診療報酬規程に縛られません。医療機関の自由裁量になります。日本人が保険証を忘れた時は10割診療ですが、外国人の場合、文化や宗教などの違い(例えば輸血をできない)や言葉の壁によって、通常日本人より多く手間がかかることが予想されるからです。

事前準備としては、報酬規程を整備しておく。これについては厚生労働省が出している「外国人患者の受入れのための医療機関向けマニュアル」や、「訪日外国人の診療価格算定方法マニュアル」や、日本政府観光局の「訪日外国人の診療価格算定方法マニュアル」が役に立つと思います。それと、外国人は手持ち日本円を持ち合わせていない場合が多いのでキャッシュレス決済を取り入れるか否かの検討。検査や治療前に医療費の概算を患者に提示するなどの配慮も必要かと思われます。オリンピックもどうなるか分かりませんが、このような準備をすることはいずれ必要になりますのでこの機会にご検討下さい。厚生労働省マニュアルhttps://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000501085.pdf
外国人診療価格算定マニュアル

高齢者の住宅の現状

医療法人の経営は10年前よりかなりきつくなっています。特に病院は人手不足と診療報酬の減額で赤字経営も多く、利益が2%出ればかなり優秀です。ただ、高齢者は増える一方。高齢者になれば病気やけがをするリスクも高くなります。国は病院ではなく在宅で介護をすることを推奨していて様々な高齢者住宅の提供があります。

このたび国土交通省が「高齢期の居住の場とサービス付き高齢者向け住宅の現状に関する調査報告」を発表しました。それがこちらとなります。⇒高齢者住宅の現状PDFで36ページの大作で無料で見れるのが有難い産物です。

高齢者住宅にはどんな種類があるのか?どのくらいの施設が今あるのか?年齢による地域別人口推移なども載っていて、今後の医療法人の経営にも熟読すれば役に立ちそうです。高齢者住宅は医療法人でなくても経営はできますが、医療法人グループが行えば入居者にとっていざという時に安心ですよね。是非ご検討下さい。

健康保険オンライン資格確認制度

あと1年、令和3年3月からオンライン資格確認制度が始まります。これはマイナンバーカードや健康保険証により、オンラインにて資格情報を確認する仕組みです。患者本人の同意を得て他の医療法人で診療した薬剤情報や特定検診情報の閲覧ができるようになります。これによって、患者と医師や薬剤師の間で正確な情報が共有でき、業務の効率化や適切な診療・投薬が期待できると言われています。

これは各医療機関の任意で導入は義務ではありません。医療制度にマイナンバーを紐付けることを医師会は猛反対してきました。ただこう言った形で導入されます。マイナンバーカードのICチップを利用するため医療機関が患者のマイナンバーを取り扱うことはありませんし、支払基金・国保中央会から医療機関に資格情報等が提供されますが支払基金・国保中央会が医療機関のレセコン等の診療情報等を閲覧することはできない仕組みです。

オンライン資格確認と特定検診情報の閲覧は令和3年3月から、薬剤情報の閲覧は令和3年10月から始まります。さぁ医療機関としてどうしますか?この制度に参加しますか?しませんか?今から検討する必要があります。

認定医療法人制度延長

このブログでも過去に何回も認定医療法人制度については、書いています。認定医療法人制度は医療法人版事業承継制度で事業承継した場合の相続税や贈与税を納税猶予するものです。詳しくは私のブログの右下の「Search」に認定医療法人と入力して確認してみて下さい。

認定医療法人制度は来年の9月までの期限付き制度でしたが、この度発表された税制改正大綱で令和5年9月30日まで延長するということでした。まだ理事長が若いのでどうするかを検討していた医療法人も再び検討する余地がありそうです。

医療法人の事業承継を考えているならこの制度は過去にないくらいの太っ腹制度です。是非検討いただき、分からないことは当事務所に相談してください。

令和2年厚生労働省税制改正要望

毎年12月には翌年度の税制改正大綱が出て何もない限りは翌年の3月に国会を通って可決されます。税制改正大綱が出される前に各省庁から要望書が出されます。厚生労働省が医療に関することについて出された要望書で気になるものがありました。

現在、認定医療法人制度(認定医療法人については2017.10.14のブログをご覧ください)が進行中ですが、持分あり医療法人から持分なし医療法人の基金拠出型医療法人に移行する際、出資持分をそのまま基金に拠出しようとすると、剰余金部分がみなし配当課税される制度となっております。ですから含み益があまりにも大きい医療法人については、一度出資持分を放棄してから新たに少額を拠出したりしています。(拠出額の方がみなし配当の税金より安いから)お金を受け取ったわけでもないのに税金を払うという何とも言い難い制度なので、厚生労働省は「基金が拠出されるまでの間、みなし配当課税を納税猶予する特例措置」を要望したのです。現在は出資を拠出に変えただけでみなし配当がされるのですが、実際に基金を拠出(つまり払戻し)した時まで納税を猶予してくれというお願いです。これが通れば今よりもっと基金拠出型への移行がしやすくなりますね。

もう1つ気になる要望は上記持分なし医療法人の移行は3年間の時限措置でした。現在進行形ですので令和2年9月30日までの制度です。これを3年間延長してくれという要望です。現在、認定医療法人への移行は厚生労働省が予想していたよりかなり少ないです。また、株式会社でも時限措置の事業承継税制が進行中です。これが通れば株式会社の事業承継税制も延長されるのではないでしょうか?12月の税制改正大綱で考慮されるか注目されます。
厚生労働省の税制改正要望はこちら↓
令和2年度税制改正要望(厚生労働省)みなし配当の納税猶予については5ページ、制度延長については3ページに載っています。

VISIT10月28日よりWeb申請開始

通所リハビリテーション事業所と訪問リハビリテーション事業所は、リハビリテーション計画等のデータを提出するとリハビリマネジメント加算(Ⅳ)が取れます(平成30年度介護報酬改定)が、このデータ提出には「VISIT」というシステムが使われていますが、この利用申請はサービス事業所から厚生労働省に直接メールする方法が取られていました。

本日より専用Webサイトから利用申請が出来るようになります。
利用申請受付専用URLは以下のとおり↓
https://visit.mhlw.go.jp/visit/usage-registration/register
いずれはこちらに全て移行されると思うので、実務が暇なうちに手続きすることをお勧めします。

10月からの消費税負担(病院)

病院の主たる収入は社会保険診療報酬なので消費税はかかりません。それに比して経費は人件費以外は消費税がかかるものばかりなので、経費の負担は大きくなります。政府はそれを考慮して社会保険診療報酬を消費税分だけ増やしたと言っていましたが、本当にそうなったのか当事務所の顧問先で確認しました。

7月分の収入をベースに10月以降になったらどのくらい社会保険診療報酬が増えるかという計算をしてもらいました。その結果約18万円ほど増えることが判明しました。では、消費税の支払の方の負担はどのくらい増えるのかという計算を私の方でしました。その法人は1カ月当たり約3500万円の課税仕入れをしているので、1カ月当たり64万円位の消費税負担が多くなるというのが分かりました。

1カ月当たり約46万円支払いが多くなることになります。これは直接キャッシュフローに結び付き、年間にすると550万円もキャッシュフローが減る事になります。診療科によっても違いそうですが、早めに把握してキャッシュフロー対策をする必要がありますね。

医療にかかる消費税

医療法人の自費収入は10月1日以降消費税を8%→10%に変更すれば事は足ります(ただし老人ホーム等の場合は注意:詳しくは2019年6月18日のブログ参照)ただし、仕入については注意しなければなりません。窓口で売っているマスクや歯ブラシ等の物品は仕入れについても10%です。薬品費の内、医薬品、医薬部外品、再生医療等製品は10%ですが、経口補水液や服薬ゼリーなどは8%となります。

栄養ドリンクについては医薬品・医薬部外品でないものについては8%です。医薬品・医薬部外品に該当しないのど飴、サプリメント、健康食品、特定保健用食品、栄養機能食品、デンタルガムなどの口腔衛生用食品も8%です。

10月1日以降は軽減税率対象のある場合には、レシート(領収書)などを見て税率ごとに分けて会計入力する必要もあります。仕訳でいうと、
借方 薬品費(8%) 10,800円  貸方 現金 21,800円
借方 薬品費(10%)11,000円
このような仕訳になります。このように経理は混合仕訳を入力しなければならなくなります。手間ばかりかかりますね。

特定医療法人と認定医療法人の温度差

今、認定医療法人の申請をしているのですが、どうも気になって仕方ないのは、厚生労働省の甘さです。何だか甘々なんだよなぁという感じです。特定医療法人も認定医療法人も「特別な利益供与」という判断があるのですが、特定医療法人はそりゃあそりゃあ厳しかったのに、認定医療法人は甘々でこれで本当に大丈夫?という感じなのです。

特定医療法人の管轄は財務省ですから税務や特別な利益供与という部分では詳しく、私は特定医療法人の申請もしていたものですから、どうも財務省に鍛えられてしまっていて、判断が財務省ベースですが、厚生労働省は税務に詳しくないからか、認定医療法人を増やしたいからか、どうも判定が甘々で拍子抜けしてしまいます。

特定医療法人は通常の医療法人より法人税率が低いですから、それを認めるというのは、国税が足りなくなるわけですから、余程公共的な医療法人でないと認可しません。でも、厚生労働省の目的は持分なし医療法人を増やす事ですし、税務にも疎いですからその辺が甘くなるのでしょうか?本来、特定も認定も特別な利益供与という判断は同じはずです。でもその温度差を感じてしまう今日この頃です。

老人ホーム等の食事代は10月以降も8%?

10月に消費税が10%になりますが、軽減税率(8%)の対象として有料老人ホーム等での食事の提供が挙げられています。軽減税率の対象となる施設は、「有料老人ホーム」と「サービス付き高齢者向け住宅」です。対象者はその施設に入居している①60歳以上の者②60歳未満で要介護認定又は要支援認定をうけている者③上記①と②の配偶者(実質婚含む)が軽減税率の対象者となります。

金額基準もあって1食当たり税抜きで640円以下、1日当たり税抜きで1,920円以下という限度額が設定されています。合計して1,920円を引けば良いのではなく、食事単位で課税か非課税かに区分されます。例えば、朝食550円、昼食550円、おやつ300円、夕食640円の施設があったとします。1食当たり640円以下の基準にはなっていますね。でも合計すると2,040円になります。この場合1,920円が8%で120円が10%とはなりません。このような場合は朝食550円、昼食550円、夕食640円の合計1740円のみを8%で設定しおやつの300円は始めから軽減税率の対象とならない旨告知して、おやつ代は330円(税込)にする必要があります。

ちょっと複雑過ぎはしませんか?私は法対策部の部員として税務署にこの実務の煩雑さをどうするか?という問いかけをしましたが、回答は面倒でもやるしかないということでした。現場は相当混乱しそうです。有料老人ホーム等については、もうそろそろ消費税について検討する必要があります。有料老人ホーム等であっても現場で食事を作らない場合は軽減税率の対象外になるということも知っておかなければなりません。詳しくは下記を参考にして下さい。特にP24の問60と問63は有料老人ホームについて書かれています。P.25の問62は病院食についてです。
国税庁軽減税率Q&A