持続化給付金ー実務編①

持続化給付金は今年、前年同月比で売上が50%減少した場合、最大200万円(個人事業なら100万円)貰える給付金です(詳しくは2020.5.23のブログを参照)が、この中身を見たとき、あまりの簡単さ分かりやすさに感動したのですが、実務を実際にやってみるとそうではなかったです。その感想を今日は述べたいと思います。当事務所ではあまりにも簡単なので出来るだけ顧問先に自分でやってもらうようにしています。ただ、チェックなどはしたりしているのですが、苦労した事例を1つ紹介します。

添付資料などのチェックや指導は当事務所でしたので完璧です。あとは顧問先が直接インターネットにて申込しました。苦労点①会社の銀行口座名を入れる欄があるのですが、それが半角カタカナで入力しなければならないようです。そもそも半角カタカタを入力するにはどうしたら良いのか?→まず会社名をカタカナにして文字を選択後、F8を押します。そうするとカタカナがカタカナになります。ここまではまだまだ楽勝です。それで1回目の申請をしました。何と次の日の夕方に《通帳の写しの口座名義と、申請いただいた口座情報(口座名義)が一致しておりません。口座名義を修正するか、正しい書類を添付して、再申請して下さい》という内容でした。

持続化給付金のシステムはそもそも口座名が30文字までしか入力できません。でもその法人はカタカナにすると30文字以上あったので、1回目の申請は入力できるところまで入力して申請したとの事でした。私も試してみましたが、苦労点②確かに30文字までしか入力できません。そこで相談窓口に電話するも毎回「只今電話が大変込み合っています」というアナウンスで電話が切られてしまいます。一日30回以上電話してもすべてそんな感じです。それが1週間以上続きました。スペースも半角でということでしたが、もしかしたら1回目はスペースだけ全角だったかもということで、スペースも半角にしてできるところまで入力して2回目の再申請をしました。3日後、また口座相違で返却されました。今度は通帳のコピーもつけろという指示もついていました。え?1回目の通帳のコピーは無効になってしまうの?苦労点③まだまだ電話は通じません17時までだったコールセンターが19時までになりましたが、それでも通じません。

30文字以上ある場合はどうすればよいのだろう?という疑問のまま、今度はシャダンホウジンの部分をシャ)に変更して法人名をすべて入れて申請しました。申請修正画面を見ると通帳のPDFは付いていますが、前回のエラーもあるので再度PDFを添付して申請です。なぜQ&Aを作らないのだろうという疑問があります。実務をすると様々なパターンがあるので審査する方も正しくスムーズに審査するために必要になってくると思います。同時期に始まった厚生労働省管轄の雇用調整助成金FAQが毎日のように更新されています。今では何十ページにも及ぶ大作になっています。でも持続化給付金にはそれがありません。実際には実際にやった仲間同士の情報でしか細かい情報は入手できないのです。仲間がその事例をやっていない場合、電話で聞くしか方法がないのです。エラーメッセージメールの返信に1回目も2回目も30文字以上ある場合どうすればよいかと聞いても返事がないのできっとこれは送信専用なのかと思います。審査する方もいわゆるマニュアルがなくてどうやっているのだろうか?と疑問です。(続く)

持続化給付金

現在コロナ関係で様々な融資や補助金・助成金が出ています。その中でも一番手続きが簡単な割に額が大きいのが「持続化給付金」です。ご存じの通り2019年に比べ2020年のいずれか1か月が昨年の同じ月より売上が50%以上減少した場合、法人なら最高200万円、個人事業なら最高100万円出るものです。対象者は資本金10億円以上の大企業以外であればほとんどの法人が対象になります。補助金は医療法人や一般社団法人は対象外とされることが多い中、医療法人や農業法人、NPO法人、合同会社、合資会社、一般社団法人なんでもOKです。ただし、持ち分の定めのない医療法人や一般社団法人は元々資本金(出資金)という概念がないので、従業員が2,000人以下であれば対象となります。

その他の要件としては2019年以前から事業をしていて、今後も事業を継続する予定であることです。ですから今年の4月に設立したけれど、コロナの影響で全く売り上げがないという場合や、この給付金を貰ったら退職金をもらって会社を解散するという場合は対象になりません。似ている名前で持続化補助金というのもありますが、これはまた別の補助金です。ややこしい名前ばかりです。持続化給付金については☟こちらのサイトを見てください。
https://www.jizokuka-kyufu.jp/
このサイトから直接申し込みできます。

ページは行ってすぐに電子申請操作ガイドを動画で見ることができます。それを一度見てから申請するとまごつかず申請できるかと思います。動画を見ると分かりますが、法人であれば法人番号が必要ですし、個人であれば本人確認書類が必要です。確定申告書の必要ページや通帳のコピーも必要だったりするので、あらかじめ見て準備をしてから申請すると良いかと思います。個人的にはかなり頑張ってサイトを作ったなと思います。過去にない分かりやすさです。申請代行に2万円~5万円取る税理士もいるようですが、こんなに簡単なのですから是非ご自分でやることをお勧めします。

電話・オンライン診療に対応していますか?

コロナウィルス感染拡大により、4月20日より電話・オンライン診療が始まりました。今まではオンライン診療は再診のみでしたが、初診から電話やオンラインで診療できるという画期的な制度です。詳しくは⇒https://www.mhlw.go.jp/content/000621247.pdfこちらは時限的・特例的措置なのでコロナウィルスが収束したら今まで通り再診のみで、かつ、慢性疾患のみになるかもしれません。

ただ、一部処方できない薬(麻薬や向精神薬など)もありますし、実際にやる側としたら、再診の場合は良いが初診のときの本人確認の方法はどうすればよいのか?とか処方箋の取り扱いの不安などもあるかと思います。詳細は上記リンクに細かく記載されていますのでご参考までに・・・

電話診療の場合には特に新たな設備等は最小限ですみますが、顔などを見てより症状が把握できるオンライン診療の場合、設備等に多少手間がかかります。しかし将来はオンライン診療もメインとなってくるので今からやっておくというのも良いかもしれません。まずは電話診療から初めて徐々にオンライン診療に移行していくというのが一番スムーズかもしれません。

外国人患者対応

オリンピックどうなるのでしょうね?開催も1年延長にした方が良いというトランプ大統領の発言も気になりますね。外国人が日本国内で医療機関に受診する場合の規定などは、病院やクリニックにありますか?外国人旅行者などは日本の保険証を持っていないから自費診療(保険でいうと10割診療)で良いのか?と思っている方もいると思いますが、外国人旅行者への医療費請求は診療報酬規程に縛られません。医療機関の自由裁量になります。日本人が保険証を忘れた時は10割診療ですが、外国人の場合、文化や宗教などの違い(例えば輸血をできない)や言葉の壁によって、通常日本人より多く手間がかかることが予想されるからです。

事前準備としては、報酬規程を整備しておく。これについては厚生労働省が出している「外国人患者の受入れのための医療機関向けマニュアル」や、「訪日外国人の診療価格算定方法マニュアル」や、日本政府観光局の「訪日外国人の診療価格算定方法マニュアル」が役に立つと思います。それと、外国人は手持ち日本円を持ち合わせていない場合が多いのでキャッシュレス決済を取り入れるか否かの検討。検査や治療前に医療費の概算を患者に提示するなどの配慮も必要かと思われます。オリンピックもどうなるか分かりませんが、このような準備をすることはいずれ必要になりますのでこの機会にご検討下さい。厚生労働省マニュアルhttps://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000501085.pdf
外国人診療価格算定マニュアル

高齢者の住宅の現状

医療法人の経営は10年前よりかなりきつくなっています。特に病院は人手不足と診療報酬の減額で赤字経営も多く、利益が2%出ればかなり優秀です。ただ、高齢者は増える一方。高齢者になれば病気やけがをするリスクも高くなります。国は病院ではなく在宅で介護をすることを推奨していて様々な高齢者住宅の提供があります。

このたび国土交通省が「高齢期の居住の場とサービス付き高齢者向け住宅の現状に関する調査報告」を発表しました。それがこちらとなります。⇒高齢者住宅の現状PDFで36ページの大作で無料で見れるのが有難い産物です。

高齢者住宅にはどんな種類があるのか?どのくらいの施設が今あるのか?年齢による地域別人口推移なども載っていて、今後の医療法人の経営にも熟読すれば役に立ちそうです。高齢者住宅は医療法人でなくても経営はできますが、医療法人グループが行えば入居者にとっていざという時に安心ですよね。是非ご検討下さい。

健康保険オンライン資格確認制度

あと1年、令和3年3月からオンライン資格確認制度が始まります。これはマイナンバーカードや健康保険証により、オンラインにて資格情報を確認する仕組みです。患者本人の同意を得て他の医療法人で診療した薬剤情報や特定検診情報の閲覧ができるようになります。これによって、患者と医師や薬剤師の間で正確な情報が共有でき、業務の効率化や適切な診療・投薬が期待できると言われています。

これは各医療機関の任意で導入は義務ではありません。医療制度にマイナンバーを紐付けることを医師会は猛反対してきました。ただこう言った形で導入されます。マイナンバーカードのICチップを利用するため医療機関が患者のマイナンバーを取り扱うことはありませんし、支払基金・国保中央会から医療機関に資格情報等が提供されますが支払基金・国保中央会が医療機関のレセコン等の診療情報等を閲覧することはできない仕組みです。

オンライン資格確認と特定検診情報の閲覧は令和3年3月から、薬剤情報の閲覧は令和3年10月から始まります。さぁ医療機関としてどうしますか?この制度に参加しますか?しませんか?今から検討する必要があります。

認定医療法人制度延長

このブログでも過去に何回も認定医療法人制度については、書いています。認定医療法人制度は医療法人版事業承継制度で事業承継した場合の相続税や贈与税を納税猶予するものです。詳しくは私のブログの右下の「Search」に認定医療法人と入力して確認してみて下さい。

認定医療法人制度は来年の9月までの期限付き制度でしたが、この度発表された税制改正大綱で令和5年9月30日まで延長するということでした。まだ理事長が若いのでどうするかを検討していた医療法人も再び検討する余地がありそうです。

医療法人の事業承継を考えているならこの制度は過去にないくらいの太っ腹制度です。是非検討いただき、分からないことは当事務所に相談してください。

令和2年厚生労働省税制改正要望

毎年12月には翌年度の税制改正大綱が出て何もない限りは翌年の3月に国会を通って可決されます。税制改正大綱が出される前に各省庁から要望書が出されます。厚生労働省が医療に関することについて出された要望書で気になるものがありました。

現在、認定医療法人制度(認定医療法人については2017.10.14のブログをご覧ください)が進行中ですが、持分あり医療法人から持分なし医療法人の基金拠出型医療法人に移行する際、出資持分をそのまま基金に拠出しようとすると、剰余金部分がみなし配当課税される制度となっております。ですから含み益があまりにも大きい医療法人については、一度出資持分を放棄してから新たに少額を拠出したりしています。(拠出額の方がみなし配当の税金より安いから)お金を受け取ったわけでもないのに税金を払うという何とも言い難い制度なので、厚生労働省は「基金が拠出されるまでの間、みなし配当課税を納税猶予する特例措置」を要望したのです。現在は出資を拠出に変えただけでみなし配当がされるのですが、実際に基金を拠出(つまり払戻し)した時まで納税を猶予してくれというお願いです。これが通れば今よりもっと基金拠出型への移行がしやすくなりますね。

もう1つ気になる要望は上記持分なし医療法人の移行は3年間の時限措置でした。現在進行形ですので令和2年9月30日までの制度です。これを3年間延長してくれという要望です。現在、認定医療法人への移行は厚生労働省が予想していたよりかなり少ないです。また、株式会社でも時限措置の事業承継税制が進行中です。これが通れば株式会社の事業承継税制も延長されるのではないでしょうか?12月の税制改正大綱で考慮されるか注目されます。
厚生労働省の税制改正要望はこちら↓
令和2年度税制改正要望(厚生労働省)みなし配当の納税猶予については5ページ、制度延長については3ページに載っています。

VISIT10月28日よりWeb申請開始

通所リハビリテーション事業所と訪問リハビリテーション事業所は、リハビリテーション計画等のデータを提出するとリハビリマネジメント加算(Ⅳ)が取れます(平成30年度介護報酬改定)が、このデータ提出には「VISIT」というシステムが使われていますが、この利用申請はサービス事業所から厚生労働省に直接メールする方法が取られていました。

本日より専用Webサイトから利用申請が出来るようになります。
利用申請受付専用URLは以下のとおり↓
https://visit.mhlw.go.jp/visit/usage-registration/register
いずれはこちらに全て移行されると思うので、実務が暇なうちに手続きすることをお勧めします。

10月からの消費税負担(病院)

病院の主たる収入は社会保険診療報酬なので消費税はかかりません。それに比して経費は人件費以外は消費税がかかるものばかりなので、経費の負担は大きくなります。政府はそれを考慮して社会保険診療報酬を消費税分だけ増やしたと言っていましたが、本当にそうなったのか当事務所の顧問先で確認しました。

7月分の収入をベースに10月以降になったらどのくらい社会保険診療報酬が増えるかという計算をしてもらいました。その結果約18万円ほど増えることが判明しました。では、消費税の支払の方の負担はどのくらい増えるのかという計算を私の方でしました。その法人は1カ月当たり約3500万円の課税仕入れをしているので、1カ月当たり64万円位の消費税負担が多くなるというのが分かりました。

1カ月当たり約46万円支払いが多くなることになります。これは直接キャッシュフローに結び付き、年間にすると550万円もキャッシュフローが減る事になります。診療科によっても違いそうですが、早めに把握してキャッシュフロー対策をする必要がありますね。