この本の著者の方に偶然新年会でお会いしていただきました。読んでみたらとても読みやすく、これから起業しようとしている人の精神的支えになるような本だったのでご紹介します。
“起業”というと世の中の人は大層な事と思う方もいると思います。身内が起業すると言ったら心配する人も実際のところ多いです。多くの人が「起業とはハードルの高い大きなチャレンジだ」と勘違いしていると著者は言っています。それは多くの起業した人の失敗を目にしているからというのもありますが、うまくいかない訳は2つあるといいます。1つは無謀なチャレンジをしてしまうこと。もう1つは、怖くて一歩も進めないというパターンだそうです。
成功する人は起業に大きなチャレンジは必要ないことを知っていて、大きな目標に達成するために細かな階段を作っているということらしいです。この文章を読んだ時、びっくりしました。私もそう思うからです。私の事務所のホームページのトップページには「確かな一歩の積み重ねを大切にします」とありますが、まさにそういうことなのです。
この本は上記の考え方を基礎にして具体的に起業1年目から成功するコツのようなものが書かれています。この本を読んだら”起業”に関して怖くて一歩も進めない人の背中を押すのではないかと感じました。しかも思い切り押すのではなく、優しく後押しする感じです。読み進めていくと、そうだ!そうだ!その通り!と思う事ばかり書いてあるのですが、1つ思い知らされたというか、はっとしたことが書いてありました。それは第9章に書いてあった「売れていないときから人に任せる」というものです。著者の知り合いの整体師の方は月20万円の売上の時に仕事の一部を人に任せたところ売上が5倍の月100万円になったのです。人に仕事をお願いしたい時、損した気分になるのは計算方法が間違っているらしいです。例えば人に1万円を支払って誰かに仕事を委託したとしてスピードやクオリティが自分より低いのでこの仕事なら3,000円でできると相手の仕事の価値を低く評価しがちです。この場合7,000円損した気分になるわけです。しかし実際は1万円支払うことで自分が別の仕事をする時間が増えます。その時間で10万円の仕事が取れたら、委託した仕事の価値は10万円とまではいかなくても軽く1万円は超えてくるといいます。委託費用を計算するときは、その仕事単体ではなくトータルでどれだけの売上が増えるのか。という考え方ができるようになると、お金を払った分を取り戻そう!と俄然やる気がでるそうです。自分と同じレベルの仕事ができる人を探していると一生見つからないまま終わってしまいます。経営者は任せる練習をすることも大切らしいです。経営者の仕事の7~8割は売ることです。売るという重要な仕事に専念するためにもその他の仕事は他人にお願いするということも大切な考え方だと知りました。
手が届きそうなアイディアや考え方が沢山詰まった本です。起業というハードルを低いものにしてくれます。起業をするかどうか迷っている方、一度目を通してみることをお勧めします。