発想の転換が鍵となる

日本の産業はほとんどが成熟産業と化し、飽和状態が続く中、新しい産業を見つけたらそれはそれでブルーオーシャン戦略になり波に乗って拡大させることができますが、そうそう新しい産業は見つかりません。でも、先日あるちょっとした発想の転換をしただけで、凄く儲かるようになった企業を知りました。

1つ目は1枚売り焼肉店、焼肉は通常大皿で何枚も入っていくらという商いです。でもそうすると例えば2人で行った時そう何皿も食べれません。そこで1枚売り190円とか220円とかにすれば色々試せますし、1人でも立ち寄ることができます。しかもカウンター席しかなく店の広さも9坪程度。そうなると家賃もあまりかかってこなく人手もそんなに要らないので利益率が良くなります。

もう一つは、他企業とのコラボしたコーヒーショップです。コーヒーショップは有名どころが数々あるので新参者は入り込む余地が無い感じですが、本屋さんの1階のスペースに入店したり、洋服屋さんの片隅に入店したりして、あえて有名どころや人気ショップと組むことで自社のコーヒーショップの知名度も上げていくというもの。そういった発想の転換ならまだまだありそうですね。

民法改正(配偶者居住権)

配偶者に対する民法が40年ぶりに改正されます。現在においては様々な家族の在り方があって1人の人が何回か結婚することも増えてきました。そこで、相続財産が家などしかないと、後妻が住んでいるにもかかわらず、前妻の子供である相続人が家を処分して法定相続分通りに遺産を相続したいなどと言い出したりします。そうなると後妻は住んでいる家を出ていかなくてはならないといったトラブルが発生してしまいます。そこで今回、「配偶者短期居住権」と「配偶者居住権」が新設されます。

まず、配偶者短期居住権は、遺産分割が終了するまでの期間(相続開始の日から6カ月を経過する日と居住建物の所得者が確定した日のいずれか遅い日まで)、配偶者はそのまま無償で居住建物に住むことができる権利です。この権利は相続開始があった場合もれなく発生する権利となります。

もう一つは、配偶者居住権です。こちらは長期の居住権で居住建物を終身無償で使用・収益できる権利となります。こちらは次のいずれかの要件に該当する場合に取得することができます。①遺産分割において、配偶者が配偶者居住権を取得したとき。②配偶者に、配偶者居住権が遺贈されたとき。③被相続人と配偶者間に、配偶者居住権を取得させる死因贈与契約があるとき。
配偶者居住権は登記することができるので赤の他人の第三者にも対抗できます。配偶者居住権は配偶者短期居住権と違い財産的価値に相当する価額が相続税の評価対象となります。②と③の違いを聞かれますが、②は遺贈なので遺言書により記載されます。ですから配偶者の意思は関係ありませんが、③は死んだらあげるよという夫と妻の契約なので、あげる側ももらう側も同意の上成り立ちます。

かがみの孤城

ゴールデンウィークに読み終えました。2017年本屋大賞受賞作品です。私は本屋大賞には一目置いています。直木賞や芥川賞のように読んで落ち込んだり考え込んだりする本がないからです。様々な理由で同じ中学校に行けなくなった子供たち(いわゆる引籠りの子もいます)7人が自宅の鏡に引き込まれお城にやってきます。そこには自分の個室がありそれぞれが自由な空間。通常なら学校に行っている日本時間の朝9時から夕方5時までこの不思議な城に入れます。来年の3月までに願いの部屋に入る鍵を探して願いを1つ、1人だけ叶えることができるという特権があります。願いが叶った時点でこのお城は閉鎖されますが、鍵が見つからなくても来年の3月30日に閉鎖されます。

本を読み進めているとあれ?これいつの時代の話?とか時間の感覚とかあれ?と思うことも描かれています。でも当初の設定が設定なので気にせず読み進めていると最後の章でビックリするような展開になります。そうか。あの不思議な感覚はそういうことだったのか・・・そんなことならもっと注意深く読めば良かったと後悔します。そんな本です。終わり方も現実の世界での次の展開が想像できるような良い終わり方です。不登校になる理由は人それぞれ、それを理解している大人ってあまりいません。唯一ズバリ理解していたあの人が実は〇〇さんだった。知り合う前から知り合いだったという温かい気持ちで読み終えます。流石本屋大賞!という作品です。

事業承継税制1

平成30年税制改正の大きな目玉は何といっても「事業承継税制」です。今日本の中小企業の経営者は、高齢化が進み何らかの形で自分の会社を誰かに引き継ぎたいと考えていますが、子供の問題だったり税制の問題だったりしてうまく引き継ぎができなくなっています。2017年に団塊の世代が70歳代になったことにより「2017年問題」として話題になりました。中小企業のほとんどが70歳過ぎても社長を続けていて、20年前には経営者年齢の山は47歳でしたが、今は66歳になっています。2020年までに新たに70歳に達する経営者は約31万人います。最大の問題は後継者不在です。50歳代で後継者が決まっていないのは約75%ですが、60歳代でも54%、70代でも44%、80歳以上でも3分の1が後継者不在になっています。このままでは日本の多くの中小企業が潰れます。会社が無くなるということは税収も少なくなり雇用もなくなりGNPも減少します。これは国家のためにも国民のためにも大惨事なのです。

そこで今回、事業承継税制の抜本的改革が行われました。昨年10月に医療法人の事業承継税制である認定医療法人制度もびっくりするくらい画期的でしたたが、中小企業を対象にした今回の事業承継税制はそれ以上に画期的で大盤振る舞いの制度です。自社株を後継者に譲る場合通常何らかの税金がかかってきますが、事業が上手く引き継げて雇用を維持してくれたら無税にするよ!(実際には要件を満たしてくれたら無税にするので納税猶予といいます)という制度です。これは期限が決まっていて平成30年4月1日から平成35年3月31日までに事業承継計画を都道府県知事に提出して認定を受ける必要があります。今までも事業承継税制はありましたが、全株式対象ではなく総株式数の3分の2までで税金の猶予はその80%でした。ですから100%全て経営者が持っていたとしても100%×2/3×80%の53.3%しか納税猶予されなかったのが100%納税猶予となります。また後継者は1人でしたが今回の改正で最大3人の後継者が選べるようになりました。雇用確保維持要件などもゆるくなりかなり使いやすくなりました。中小企業の経営者様には是非活用していただきたい税制です。次回の税務のカテゴリーで内容を詳しく説明します。