ご存じ小説で芥川賞を取った「火花」の映画版を観てきました。お笑いコンビスパークスの一人である徳永と、その先輩でありお笑いコンビあほんだらの一人である神谷さんとの話です。自由奔放で観客目線ではなくあくまでも己のやりたい事をやる神谷さんの芸風に憧れ、徳永は神谷さんに弟子にさせて下さい!と申し入れます。そこから神谷さんと徳永の関係は始まります。
自分が面白いと思うことが観客も面白いと思うとは限らないと思い徳永は観客目線で芸風を変えていくとたまにテレビに出れるようになります。神谷さんは相変わらず我が道を行きます。神谷さんは徳永より先輩だからという理由でお金もないのに会うときは全て後輩の分も出します。サラ金に手を出し危ない状態にあることを神谷さんの相方から聞いて、徳永も神谷さんに会うのを控えていきます。
こんな二人もぱっと売れることもなく10年経ちます。徳永も相方の結婚をきっかけに解散して不動産屋に就職します。あるとき2人が再開して初めて出会った熱海に旅行します。地元のお笑い大会に一緒に出るとか出ないとか・・・そこで終わります。
ある意味斬新なお話でした。大体、映画というものは苦労したものは報われるという結末です。でもこの二人は10年経ってももがき続けたものの自分の理想とするものとはかけ離れた生活をしていました。でもね。ここからが違うのです。過去10年そして今は変えられないけどでも、それって無駄だったのか?とか、諦めたという言葉があるけど、それって完全に無になるのではなく、なんとなく芯のような部分は残り続けるのではないか?とそんなことを感じた映画でした。