不動産投資バイブル


明治MBAの友人からいただきました。せっかくなので感想を書きたいと思います。
一般的に不動産と株は景気によって変動します。オリンピックと株の関係図が書かれていて、1996年アトランタと2000年シドニーは開催地に決定してから株価は上がり続け、オリンピックを開催してもなお上がっています。2004年アテネと2008年北京は開催地に決定してから急激に株価が上昇しすぎて開催時には株価は下がっています。それでも決定時よりは開催時の方が上がっています。2012年ロンドンは緩やかに上昇した後3年後に一度開催決定時より下落しながらも徐々に上昇して開催時には決定時より株価は上がっています。過去5回のオリンピックの共通パターンは多少紆余曲折しながらも、オリンピック決定時より開催時の方が株価が高く、また、オリンピック終了後も上昇し続けるという点です。著者はそれらを例に上げ、景気に連動する不動産への投資をしたらどうか。と勧めています。

では、都心と郊外はどちらが良いでしょう?何となく都心かなと思う方も多いと思います。その理由として、都心は土地が余っていないので新しい物件が建つスペースがなく競争力はそれほど落ちません。郊外はまだまだ土地が開発される可能性があるので、そのエリアに1000棟あった建物が2000棟まで増える可能性があります。現在ちょうど真ん中くらいの人気の物件(つまり500番目の人気)だったとしても、新築が多く建てば通常新築の方が人気が高いですから、10年後には2000棟中1500番目の人気まで落ちる。つまり家賃を相場より下げないと借りてもらえなくなります。このような理由から競争力が下がりづらい都心の物件を進めています。

それから購入を4つのセグメントに分けどのカテゴリーの物件を買えば良いのかというのを提案しています。その4つとは①住居系/大型、②住居系/中・小型、③事業系/大型、④事業系/中・小型、です。この中で不動産投資として買っていけないのは②です。一番お勧めなのは④だそうです。その理由もほう。と納得できるものでした。理由は多分この本で一番力を入れている部分だと思いますので、興味のある方は読んでみて下さい。

猿の惑星:新世紀(ライジング)

初代猿の惑星は再放送にて見ました。前作の猿の惑星:創世記(ジェネシス)は映画館で観ましたが、何よりも今回の新世紀(ライジング)は一番楽しめました。予想以上の作品です。

舞台は2020年代の地球。猿インフルエンザが蔓延し人類の90%が死滅していました。それでも生きながらえた人類はサンフランシスコに小さな町を作って暮らしています。ある時町の電気が足りなくなり森にあるダムの修理に行きます。そこで人間とエイプ(猿)は鉢合わせてしまい、びっくりした人間はエイプを銃で撃ってしまいます。銃の音を聞きつけ仲間のエルプたちが大勢来ます。人間5~6人はすぐに周りをエイプで囲まれますが、そこにシーザー(主人公の猿:幼い時に人間に育てられた)が現れて二度と森に立ち入るなと言って人間を解放します。

エイプの中には人間に囚われ化学実験につかわれて、人間に対し嫌悪感を持つものも居ます。いわゆる内部の思想の相違が人間と関わったことにより露わになります。反逆心が高まり一番弟子のコバはシーザーを撃ちます。シーザーを銃で撃って失脚させたコバはシーザー亡き後の支配者となりますが、仲間であっても従わないものは殺します。シーザー派のエイプは牢屋に入れられます。シーザー殺しも銃があったということで人間の仕業に仕立て上げ人間の町に戦争を仕掛けに行きます。

殺されたと思われたシーザーですが、瀕死の状態でしたが人間が見つけ看病して復活します。人間の中にもエイプ(猿)と共存していこうとする人々と猿の強靭な肉体と知能におびえ殺そうとするものもいます。つまり、どちらの世界にも共存派と攻撃派がいるのです。

攻撃派が取った行動が相手側に全体の裏切りとして映ります。何ともやり切れない感じです。。シーザーの息子も人間でいう中二症状のような反抗期があり攻撃派に付きそうになったり、猿の世界も人間の世界に似ています。

ある時シーザーが言います。「エイプ(猿)は人間より上だと思っていた。(何故ならエイプはエイプを殺さないから)でも、エイプは人間並みに成り下がってしまった(何故ならエイプなのにエイプを殺すようになったから)」という言葉が特に印象的でした。この映画の人間と猿の世界は、どこかの国と国にも置き換えられると思います。何故人間は人間を殺すのでしょう。何とも考えさせられる映画でした。

事業用の預金管理(決済性預金)

法人でも個人事業でも事業を始めると必ず預金口座を持つと思います。預金保険制度ってご存知ですか?元本1,000万円とその利息について例え銀行が潰れたとしても保護してくれる制度です。これは個人だけではなく、法人も元本1,000万円とその利息しか保護の対象になりません。1つの金融機関ごとなので、同じ銀行の違う支店に1,000万円ずつ入れていたとしても、それは名寄せされ、つまり、同一銀行なら支店合計で1,000万円までとなります。

個人レベルで1,000万円なら兎も角、法人でも1,000万円です。その対策としていくつかの銀行に分けておくということも必要ですが、だからといって10行も20行も取引するわけにはいきません。そこでお勧めなのが、「決済性預金」の開設です。決済性預金は全額預金保護の対象になります。決済性預金は取引銀行に言えばすぐに作ってくれます。特徴としては、①無利息(利息が残高に関わらず1円もつかない)②要求払い(いつでも払戻を請求できる)③決済サービス(電気代などの自動引落や社会保険診療報酬の受取などの決済にかかるサービスが利用できる)の3要件を満たすものをいいます。

病院などの預金は社会保険診療報酬の受取口座などは億単位の預金があることも良くあります。1%に満たないわずかな利息を受け取るより全額元本保証してもらった方がよっぽど安心ですね。事業口座で残高が常に1,000万円を超えるような場合、検討してみる価値があります。

是非おためしあれ。

中古物件の住宅ローン減税

中古住宅を購入し自分好みにリノベーションをするのが流行っていますね。新築物件で合計所得金額が3,000万円以下だと住宅ローン減税ができますが、中古だとどうなのでしょう?と質問を受けるようになりました。

中古物件ですと原則築20年(耐火建築物25年)までとなりますが、「耐震基準又は経過年数基準に適合するもの」又は「適合しないけれど耐震改修工事の申請等をして耐震改修工事を行い基準に適合すれば」住宅ローン減税の対象になります。この場合、耐震基準に適合することとなったことにつき一定の証明を受けることになるのですが、この一定の証明って具体的には何でしょう?

これを比較的簡単に取得する方法として「既存住宅売買瑕疵保険」に加入する方法があります。この保険は中古住宅の検査と保証がセットになった保険です。特徴としては中古物件の性能や状態を検査機関が調べてくれるのです。問題がなければ保険に入れます。問題があればその部分を修繕し、再検査を受けて合格し保険に入れば、築年数に関わらず住宅ローン減税の対象になります。

購入前に検査をするには売主の承諾が必要ですが、本気で購入したいのであればこの検査機関に調査してもらえば、住んでからも安心ですし、住宅ローン減税もできるので一石二鳥ですね。中古物件を購入する際は耐震基準がどうなっているのか確認する必要がありますね。

認定医療法人移行手引き

厚生労働省より認定医療法人への移行のための手引書が発表されました。名称は[「持分なし医療法人」への移行に関する手引書]です。

持分なし手引き.pdf
44ページもあるので上記添付しておきます。この手引書に従って処理すれば認定医療法人に移行して最終形として持分なし医療法人に移行することになります。
「移行計画認定申請書(附則様式第1)」「移行計画(附則様式第2)」「出資者名簿(附則様式第3)」「事務担当者連絡先(別紙1)」「移行計画変更認定申請書(附則様式第4)」「実施状況報告書(附則様式第5)」「出資持分の状況報告書(附則様式第6)」「定款例」「出資持分の放棄申出書(附則様式第7)」などの様式および記載例も載っています。そんなに難しい感じではありません。41ページに質疑応答集が載っていますが、ここは熟読しておくことをお勧めします。ただ、Q4,Q5については、何となく同族1/3要件を満たせば医療法人のみなし贈与が課税されないような誤解を与えるQ&Aだと思います。同族1/3要件を満たしても規模要件を満たさなければ、医療法人に対してみなし贈与税はかかりますので要注意です。

HEROから学ぶこと

ドラマHEROが9月で終わりました。久利生検事は中卒で多少ぐれていた時、警察沙汰になりその時担当してくれた検事に救われたことから検事になりました。最終回で久利生検事に事務官が聞きます。「検事になって良かったですか?」久利生検事は答えます。「うん。どんなことがあっても、ブレずにいられるから・・・」

検事と税理士は仕事は違いますが、法律に携わる仕事という面で共通しています。法律が基準となっていつも正しい方にブレずに仕事をしているんですね。私も頑張ろうと思いました。

法律(税法)はよく難しいといわれますが、法律の前に常識が必ず存在します。だから法律(税法)では決まっていなくても、それってどうなの?と常識的に考えておかしいと思うことは後付けで法律(税法)が決まっていくという歴史があります。

ただ、形式的に法律(税法)が決まっていたとしても、それが常識的に考えておかしいと思うことは、私たち税理士は声をあげておかしいと言っていかないといけないのだと思います。それが私たち税理士の存在意義であり、税務のプロとしての使命なのです。常識という基準の基に税法があるということをブレずに判断していきたいと思います。

コンサルタントというもの14

未熟だけれど挑戦し続ける姿が人を育てる

赤坂の料亭のおかみさん、当時、若いベンチャー起業家を育てるということで、昼間料亭を開放してくれた。そこで20代のベンチャー企業の経営者が集まって勉強をしていた。このおかみさんは、政治家達がお母さんと呼ぶような神がかった人。

初対面「あんたは何をしたいの?」とある人に聞いてきた。「人を育てたい」と答えた。おかみさんに「あんたには無理よ。」と言われ「それでも人を育てる」と言った。するとおかみさん「じゃあ聞くけど、あんた何者?神?あんたみたいな未熟者にどうして立派な人が育てられるの?」そう言われて”このおかみさんについていこう”と決意。本を読む宿題を出され、読んで感想を言っても「読んでないでしょ」と否定され続ける。1冊の本に半年間通った。そして最後に出入り禁止を言い渡される。

「もうわかったでしょ」と。おかみさんからひたすら否定され続けても半年間通い続けた。「そのあきらめないでやり続ける姿を人に見せなさい。その姿が人を育てるのよ」と教えられた。自分の生き方が人を育てる。未熟者でも夢を持って困難に挑む姿、何度も壁に登って落ちていく姿、それでも絶対にあきらめない姿が人を育てるんだ。人を育てるっていうのは、自分が絶対にあきらめない、という姿なんだ。それに気づき迷いが全てなくなった。

テクニックや手法を勉強することはもちろん必要、でも勉強したことをただ与えるだけでは成長しない。相手にとって今必要な一歩を踏み出す勇気を与える。相手に的確な言葉を伝えるために知識や経験は積んだほうがいい。ただ正解はない。だからいろいろ試すしかない。そう「見本・信頼・支援」を積み上げてゆくしかない。