最低賃金の計算方法

10月から各都道府県の最低賃金が過去最高に引き上げられています。50円~59円の引き上げで過去最高の引上げ幅になっています。東京はとうとう1,163円になってしまいました。時給計算のアルバイトの方は分かりやすいですが、日給の方や月給の方は最低賃金に抵触しないか計算しなくれはなりません。まず内容ですが、毎月支払われている基本給や諸手当の部分の金額が対象となります。皆勤手当てや通勤手当、家族手当は入りません。日給の場合は簡単です。日給の金額を1日の所定労働時間で割った金額が最低賃金以上になっているかどうかを確認します。

月給の場合は少し複雑になります。例えば、基本給180,000円職務手当15,000円年間所定労働日数が255日の場合は下記のように計算します。
①180,000円+15,000=195,000円
②一日の所定労働時間8時間×255日÷12カ月=170時間
③①÷②≒1,147円
これが東京都であれば最低賃金1,163円を下回っていますから給与改定する必要があります。ご注意下さい。都道府県別最低賃金は下記の通り
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/index.html

選挙で誰に投票するか

選挙で誰に投票するかは若い世代は特に迷うと思います。今回、10問に答えるだけであなたに合う政党を判定しますというサイトがあって(もう閉じられているのでアクセスできません)そこで様々な問いを5段階に評価して、その考えと自分の考えの合致度をAIで判定し、どの党が自分に合っているのかをパーセント形式で判定してくれます。

判定としては、3段階目である真ん中が中立、1は強くそう思う。2はややそう思う。4はややそう思わない。5は強くそう思わない。のような5段階評価です。質問の内容もかなり明確になっており、政治献金を廃止すべきか?とか高齢者の医療費負担をあげるべきか?など明確です。判定結果は完全一致であれば〇〇党100%と出ますが、完全一致でない場合は〇〇党60%△△党35%□□党5%などと判定されます。

なかなか面白い判定でした。そのような判定表を使えば若者でも自分の考えに近い政党に票を入れられるのではと思いました。選挙カーに乗ってやたら自分の名前を連呼する政治家がいますが、あれはただの騒音です。政治家ならどんな信念をもっているのか皆に訴える必要があります。例えば各種メディアが先ほどの質問票などを各政党に渡し、それぞれ記載してもらい比較表を作って公開するのも良いかもしれません。耳障りの良いことを言って(例えば消費税廃止など)その財源を他のどこから確保するのかが言えない政党が多すぎます。国が運営するなら財源の減少はそれに代わる確保も必要になります。その両方を述べてこそ政治家だと思います。

2024公開研

毎年行われている全国の税理士が集まって研修をする公開研(公開研究討論会)が10月18日福岡のホテルオークラで行われました。全国から税理士が900人くらい参加します。今回のテーマは「税はいかにあるべきか~格差から税の正義を考える~」「税務コンプライアンスを考える~納税者のためにできること~」「消費税制の未来へ提言~EUのVAT、ニュージーランドのGST、消費税の比較を通じて~」の3テーマでした。1つ目と2つ目についてはどちらかというと倫理的で哲学的な研究テーマでした。

3つ目のテーマについては、EUのVAT(日本でいう消費税)やニュージーランドのGST(日本でいう消費税)を紹介し、日本の消費税と比較して論じていました。VATは世界に先駆けて1954年に導入されました。ニュージーランドのGSTは日本と同時期に導入されましたが、単一税率で課税ベースが広く非課税項目が少ない日本よりシンプルです。日本は8%と10%で複数税率ですし、非課税項目も多い、簡易課税はあるものの内容は全然簡易ではなく難解、原則課税はもっと複雑と極めて難解な税金になっています。シンプルが一番ですが、日本人特有の機密さが裏目に出ているような気がします。全体を通じて税金はどうあるべきかを考えさせられました。

FORTH(フォース)

厚生労働省が面白いHPを立ち上げました。それがこちらです。https://www.forth.go.jp/news/20190917.html

最近やっと海外に行く方が増えてきたような気がします。コロナ禍から見えないウィルスに対する関心も深まってきています。そこで厚生労働省が海外に行かれる方に向けてこんなホームページを立ち上げたのです。これを見るとどの地域でどんな病気がはやっているのかが分かります。予防接種がある場合はその接種も促します。ホームページの構成も見やすく有意義な情報です。海外に行かれる方はこちらで一度チェックして出かけることをお勧めします。

デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか

大共感の本でした。日本は結婚しても家事・育児の大半は女性が担います。でもデンマークでは男性も女性も正社員で働くのが当たり前で、家事や育児はほぼ半々で行います。どちらかに荷重が集中することはありません。ですから夫婦は運命共同体で協力体制が出来上がります。男性も積極的に家事・育児に参加するし、むしろ参加したいとさえ思っています。女性も正社員で働くのが当たり前で、男性に養ってもらおうなどという考えは微塵もありません。女性も仕事にやりがいを見出しており家庭も仕事も大事です。

ジェンダー不平等指数(DII)という数値があり、値は0(女性と男性が完全に平等な状態)~1(全ての側面において、男女の一方が他方より不利な状態:ほとんど女性が不利)で表しますが、デンマークは0.009で世界一不平等でない国です。ちなみに日本は0.078でまだまだデンマークの足元にも及びません。デンマークでは15時から16時くらいになると帰る準備をして帰ります。日本のように上司が帰らないから帰りづらいということもありません。それが当たり前なのです。なんのためにそんなに早く帰るのか。それは家族との時間を大事にしているからです。早く帰り家族全員で一緒にご飯を食べて、もし、仕事が終わっていなかったら子供が寝てから仕事をします。

みんな仕事が大好きで、でも家庭の方がもっと大事という感じです。仕事ではほとんどの人が会議に積極的に参加します。上下関係はあまり関係ありません。仕事上の反対意見もありますが、それは仕事の内容であって人格を否定しているわけではないので、反対意見でもお互いを尊重します。素晴らしいの一言でした。日本もそんな風になれば大人になっても楽しいし、結婚もしたいし、子供も育てたいと思う人が増えるような気がします。この本での働き方、そしてデンマーク人の考え方は私の理想とするものでした。だから私は日本では働きづらいと思っているのだと思います。だからと言って国家資格なのでこの国で仕事をするしかないのですが・・・価値観というものを見直すきっかけになる本です。

傲慢と善良

辻村深月氏の小説を映画化したものです。小説は読んでいませんが、細部の細かいこころの感じ方や揺れ動くこころなど見事に表現していました。誰もが結婚適齢期にここに出てくる誰かと似た感情を抱くのではないでしょうか?本の題名である「傲慢と善良」は誰のこころにも両方存在するもので、これにはとても共感しました。人は傲慢であり、善良でもある。とても意を得た表現です。

疲れた時にぼーっと見る映画ではなく、ぼーっと見ていると繊細なこころを見逃し、何だかあまり面白くない映画だと感じるかもしれません。繊細なこころの動きを逃さないように見るとこの映画の良さが伝わってきます。人が持っている繊細な感情を理解できれば面白い映画だと思います。特に誰のこころにもある傲慢さと善良さを考えるのには問題提起という意味でとても良い映画でした。