マリカの永い夜・バリ夢日記

この本は2本の小説から成り立っています。1本は「マリカの永い夜」マリカという多重人格の少女とその専属女性医師の物語。マリカの別人格は何人かいてそれぞれ役割があったけれど、10年かけてマリカの中に統合していきました。最後に残った少年の人格のオレンジと一緒に女性医師がバリ島に旅に行く話です。オレンジは以前からバリ島に行きたがっていました。その旅を通して、マリカがマリカだけになるまでの旅の物語です。

多重人格の本は何本も読んだことがあります。その多くは辛い事からの逃避。つまり生きるための防衛反応でした。この本もそうでしたが、私は多重人格者を見た事はありませんが、こんなに本が出ている以上世の中には結構な数の多重人格者がいるのだと思います。専属女性医師ジュンコ先生の目線で書かれた医師としてだけではなく、半分身内のように長期間診ている優しい物語でした。

もう一つの物語は「バリ夢日記」です。これは吉本ばなな氏が小説を書くための取材としてバリ島を旅した時の物語。吉本ばなな氏の他にも写真家、コーディネーター通訳、画家、編集者、吉本ばななの事務所スタッフで旅をします。小説を書くのって大変なんだなと思う内容でした。(旅はかなり楽しんでいましたが・・・)こういった小説は読んだことないので為になりました。この本は表紙だけではなく、本の途中で絵や写真が散りばめられており、それを観るのも楽しかったです。

マスカレード・ナイト

マスカレード・ナイトはマスカレード・ホテルの続編の映画です。両方とも東野圭吾氏の小説を映画化してものです。小説のミステリー映画化は面白いと相場は決まっているのですが、今回も面白かったです。年越しにホテルで開催される仮面パーティの参加者500人が全て容疑者です。

潜入捜査官の新田は客は皆容疑者だと思え!を信条に行動します。ホテルマンの山﨑はお客様の言っていることは絶対でお客様を信じて行動します。この2人の立場の違いが絶妙で正反対な思考ですが、これが良い相乗効果を生み出します。

最初お互いをあまりの考え方の違いからウザイと思っていましたが、最後はお互いをその道のプロとして認めあったのも良かったです。これから年末にかけてこんな映画も良いですね。それにしてもここまで怪しい人々が揃ったパーティも珍しいです。映画館は1席空けて座れる感じでした。

資格に伴う法律

国家資格はそれに伴う法律が存在します。それが何とも古臭いです。だからお堅い仕事と言われるのだと思いますが、やってはいけないことが多すぎます。例えば税理士でいうと2か所事務所の禁止。事務所を持つ税理士が税理士独占業務を事務所以外の場所でやってはいけないのです。在宅ワークが普通になっている今どうなんでしょう?という法律です。

ですから税理士法の改正も今検討しています。私見ですが、試験を受けるのに学力基準は必要ないと思います。税理士試験を受けるには大学の経済学部もしくは法学部で2年以上学んだ人、もしくは日商簿記1級以上でないと受けることができませんが、実力がある人は何歳でも中卒でも弁護士のように受けられるようにすればいいと思います。いつか、15歳で受かったとかいう人が現れてくれればそれはそれで税理士として良い宣伝になると思うからです。

行政書士はもっと古臭いです。なんと今どき3連複写の手書きの請求書・領収書を発行しなければならないというものです。しかもその3連複写の伝票は行政書士会から購入し、連番を振って、間違えた時には✖を付けて保管までしなければなりません。今どき手書きの請求書や領収書ってどうなんでしょう?昭和かよと思ってしまいます。パソコンなら1分でできる請求書も手書きなので10分くらいかかります。行政書士業務は元々薄利なのにどうなんだろうと思います。お堅い仕事でもよいかと思いますが、そのお堅さは堅実さであって、時代に合わないくらい古臭いのは考えものです。時代に則した改革が必要です。

令和4年度税制改正要望書

各省庁から来年(令和4年度)の税制改正についての要望書が提出されました。それが以下となります。https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2022/request/index.htm

これを踏まえて来年の税制改正大綱が完成するわけで、年末に国としての税制改正大綱が決まり来年3月の国会を経て4月から施行となるのが通常のパターンです。今年秋には東京税理士会はもう令和5年度の税制改正要望を出していきます。

税制改正要望書をじっくり読むと未来の税務が見えてきます。要望は必ず通るわけではありませんが、各省庁の考えが良く分かります。事業を営む者にとって、経営マネジメント力も大事ですが、こういった未来の税制を読むことで事業転換していくことも重要かと思います。中小企業の方は財務省や経済産業省の要望書だけでも見ておくと参考になります。また、医療法人についてはさらに厚生労働省の要望書を見ることをお勧めします。この国がどういう方向に行こうとしているのか少し分かります。

帝国ホテルのコロナ戦略

コロナ禍において様々な業種が赤字に転落していますが、その中でも最も厳しい業界は旅行業です。飲食も厳しいと言われていますが、飲食は業界一助成金が充実しています。それに比べて旅行業は一般の赤字企業並みの助成金しかもらえないからです。天下の帝国ホテルも例外ではなく、コロナになってから予約数が1桁という日々もあり、従業員2500人のうち8割が自宅待機をする事態になっていました。

そこで社長は就任して初めて全社員にメールをしました。東日本大震災の時、上からの指示がないのに、多くの帰宅困難者をスタッフが受け入れていた姿を見ていたからです。みんなの意見が欲しい。どんなに些細なことでもいいからアイディアをメールしてほしいと・・・集まったメールは5700通ほどでそれを全て実行することにしました。貰ったメールを時間的にすぐできるものを短期・準備に時間がかかりそうなものを長期・その間を中期と分けて一つ一つ実行しました。

新聞でも有名になったのでご存じの方も多いと思いますが、1か月のアパートメント契約もその一つです。つまりホテルに1か月住んでみるというコンセプトです。帝国ホテルの様々なサービスを受けることができます。フィットネスセンター、プール、サウナも無料、ロビーでのコーヒー紅茶が無料、駐車場も無料、ビジネスラウンジやミーティングルームの使用も無料です。これが1番安いレギュラーフロアで定員1~2名で30日連泊36万円です。帝国ホテルの様々なサービスを受けられてこの価格だとやる人も多いかと思いましたが、実際すぐソールドアウトになっていました。ピンチをチャンスに変えた良い事例です。

一時的・臨時的診療所

最近コロナ検査やワクチン接種などで医療法人が、本院とは別に施設を設置して診療行為をしているのは医療法的に問題ないのですか?と医療法に詳しい顧問先様から質問がありました。そうです。本来医療行為を行う病院又はクリニックを営む医療法人は、今ある診療所と別の施設を設置する場合は「医療法人定款変更認可申請」をしないと医療行為を行うことはできません。また、通常診療所開設の場合、大体申請して認可まで4ヶ月くらいかかります。

原則はそうなのです。ただ、現在特例措置が出ています。そんなことをしていたらコロナウィルスが蔓延して救える命も救えなくなるからです。今は都道府県知事に報告し認められた場合には定款変更認可申請を省略して、設置することができます。また、報告も適正な時期に事後報告で良いことになっています。ただ、この取り扱いはあくまでも一時的・臨時的な施設であって、常態化する場合には定款変更認可申請が必要になります。詳しくはこちら↓

01-11)【日医協議後てにをは修正+別添追記(再セット)】(事務連絡)新型コロナウイルスワクチンに係る医療法上の取扱いについて(その5))

ガス止まる

私の住んでいる地域で8月21日から8月26日まで東京ガスが止まりました。近所の道路(1か所ではなく沢山の箇所)で穴が掘られて原因を調べていました。初め2~3日で復旧する予定でしたが、予想より広い範囲でガス管に水や土砂が流れ込み6500戸全て復旧したのは27日でした。都市ガスはプロパンガスなどに比べると置き場所も確保しなくて良いしトラブルも少ないと思っていましたが、実際にトラブルが起こると、かなり広範囲に影響し、時間もかかるということが分かりました。

災害時の行動についてはMBAの授業でもかなりやったのですが、実際にやってみると人の経験や情報が役に立ちます。うちはガスコンロで給湯器(お風呂系)もガスです。床暖房もガスですが今の時期は使いません。実際に何をしたのかというと、一番考えたのはお風呂です。1日目と2日目はあとちょっとの辛抱ということで水シャワーで過ごしました。3日目は復旧が遅れているという情報が入り、仕事終わって事務所のマンションの集合風呂に入ってから帰りました。4日目は新宿区の銭湯と文京区の一部の銭湯が無料開放されたということで竹の湯に行きました。ただ、とても混んでいたのでこれは何日も行けないと判断し、5日目はライザップのシャワーで済ませます。うちは6日目に復旧したので6日目から自宅風呂に入れました。

もう一つ困ったのは食事です。ガスコンロが使えないためろくなものが食べられないということでした。1日目2日目はコンビニなどで買いましたが近所のコンビニも品薄状態になり、3日目4日目はデパ地下で買い物。5日はデパ地下が空いている時間に帰れなかったので文京区で提供している非常食を食べました。サトウのごはん的なごはんに冷たくても美味しい野菜カレー。こちら辛くもなくだからといってお子様向けの星の王子様的なものではなく、とても美味しかったです。お湯を入れるだけのわかめご飯はあまりおいしくなかったかな。その他にクラッカーも食べましたがこちらも普通のクラッカーより美味しかった。なんか文京区に住んでいて良かったと思った場面でした。今回は電気が使えて水が出たのがまだ良かったです。災害時のあれこれを考える良い機会になりました。