匠の技

8月1日、東京国際フォーラムで開催された「ものづくり・匠の技の祭典」に足を運びました。もともとは顧問先の奥様がステージで発表されるとのことで応援に伺ったのですが、会場には想像以上に多彩な催しが用意されており、一日を通して大いに楽しむことができました。会場は伝統工芸、伝統文化、職業訓練、食、衣、住、工業といったテーマごとにエリア分けされており、それぞれでさまざまな体験プログラムが実施されていました。多くは無料または手頃な料金で参加でき、子どもから大人まで楽しめる内容となっていました。

私自身もいくつかの体験に参加しました。きんちゃく袋づくりでは手仕事の奥深さを感じ、消防栓の使い方講習では普段触れることのない設備について学ぶことができました。また、苔玉づくりに挑戦したり、プロから「絶対に取れにくいボタンの付け方」を教わったりと、実生活に役立つ知識も数多く得ることができました。どのブースでも職人や技術者の方々が丁寧に説明してくださり、その確かな技術と長年培われた経験に驚かされるばかりでした。

近年は機械化やデジタル化が進んでいますが、人の手によって受け継がれてきた技術や知恵には大きな価値があります。こうした祭典は、普段触れる機会の少ない匠の技を身近に感じられる貴重な場だと感じました。日本が誇る伝統や技術を次の世代へ語り継ぎ、未来へつないでいくことの大切さを改めて実感した一日でした。

ヴィックスヴェポラップ

アニメ『ちいかわ』にも登場することで知られる「ヴイックス ヴェポラッブ」ですが、大正製薬による販売が2025年9月30日で終了すると発表されたときは、「もう二度と買えなくなるのではないか」と心配になりました。ところが、その後、製造販売業務はイワキ株式会社が引き継ぎ、販売総代理店としてマルマンH&Bが担当することとなり、2026年4月頃から再び出荷されることが分かりました。今回の販売終了は、商品そのものがなくなるわけではなく、日本国内で販売を行っていた大正製薬と「ヴイックス」ブランドを保有するP&Gとのライセンス契約が満了したことによるものでした。大正製薬は販売を終了しますが、新たなパートナーのもとで国内販売が継続されることになったのです。発表を聞いたときは、「これはバーバリーが日本のライセンス契約終了によって三陽商会から離れたときと同じ流れなのか」と少し寂しい気持ちになりました。しかし結果的には販売が継続されることになり、長年の愛用者としては本当に安心しました。

ヴイックス ヴェポラッブは、胸や喉に塗ることで鼻づまりやくしゃみなどの風邪症状を和らげる商品です。幼い頃に親に塗ってもらった記憶がある方も多いのではないでしょうか。私にとっても代わりのきかない存在であり、これからも店頭で購入できることを素直にうれしく思います。それにしても、ライセンス契約というものは本当に怖いものです。税理士という仕事柄、会社の価値というと売上や利益に目が向きがちですが、実際には「ブランド」という目に見えない資産が非常に大きな価値を持っています。どれほど有名な商品であっても、自社でブランドを保有していなければ、契約が終了した瞬間に販売できなくなってしまうことがあります。

消費者から見れば「ずっとそこにある商品」でも、企業側から見れば契約によって成り立っている商品は少なくありません。今回のヴイックス ヴェポラッブの件は、ブランドやライセンスといった無形資産の価値の大きさを改めて感じさせる出来事でした。商品が残るかどうかは、工場や設備ではなく、一枚の契約書で決まることがある――。そう考えると、ライセンス契約の世界はなかなか奥が深く、そして少し怖いものだと思いました。

社会比較説

社会比較説とは、心理学者の レオン・フェスティンガー が1954年に提唱した理論で、「人は自分の能力や意見が正しいかどうかを判断するために、他人と比較する」という考え方です。例えば、テストで80点を取ったとしても、その点数だけでは良いのか悪いのか分かりません。しかし、クラス平均が60点なら「よくできた」と感じ、平均が90点なら「できなかった」と感じます。このように、人は絶対的な基準だけでなく、周囲との比較によって自己評価を行います。社会比較には大きく二つの種類があります。

一つは「上方比較」で、自分より優れた人と比較することです。優秀な同僚や成功している経営者を見て刺激を受け、「自分も頑張ろう」と成長の原動力になる一方、劣等感や嫉妬を生むこともあります。もう一つは「下方比較」で、自分より不利な立場の人と比較することです。「自分はまだ恵まれている」と安心感を得られますが、向上心を失う場合もあります。

この理論は職場や学校、さらにはSNSの普及によってますます重要になっています。SNSでは他人の成功や華やかな生活が目に入りやすく、無意識に上方比較を繰り返してしまうため、自己肯定感の低下につながることがあります。社会比較説のポイントは、「人は自分自身を客観的に評価しているつもりでも、実際には周囲との比較によって大きく影響を受けている」という点です。そのため、他人との比較だけでなく、過去の自分との比較を重視することが、健全な自己評価につながると考えられています。

アイヒマン実験

「アイヒマン実験」と呼ばれるものは、心理学者 スタンリー・ミルグラム が行った「服従実験」を指します。背景には、ナチス・ドイツの官僚だった アドルフ・アイヒマン が「自分は命令に従っただけ」と主張した裁判がありました。

実験では、被験者は「学習実験」と説明され、別室の相手が問題を間違えるたびに電気ショックを与える役を任されます。実際にはショックは偽物で相手もサクラですが、被験者は本物だと思わされていました。相手が「苦しい」「やめてくれ」と叫んでも、白衣の実験者が「続けてください」と指示すると、多くの人が最大電圧まで従いました。

この結果は、残酷な行為をするのは特別な悪人だけではなく、普通の人でも権威や組織の圧力の中では判断停止し、命令に従ってしまう可能性があることを示しました。企業不祥事や軍隊、学校でのいじめなどにも通じる心理として知られています。人は権威に服従し、自分はそれに従っただけと言い訳します。自分を確かに持っていないとそういった沼に入ることになります。注意しましょう。

5つの社会的勢力

社会心理学における「5つの社会的勢力」とは、他者に影響を与え、行動を変化させる力の源泉を示したもので、ジョン・R・フレンチとバートラム・レイヴンによって提唱されました。人がなぜ服従や同調をするのかを理解する重要な理論です。
①「報酬勢力」です。これは、報酬を与える力に基づく影響力です。例えば上司が昇進やボーナスを与える権限を持つ場合、部下はその期待から指示に従いやすくなります。日常でも「従えば得をする」という状況では、人は自発的に行動を変えます。
②「強制勢力(罰勢力)」です。罰や不利益を与える力による影響です。叱責、降格、排除などの恐れがあると、人はそれを回避するために従います。学校の規則や職場の評価制度などが典型例で、恐怖や不安が服従を強めます。
③「正当勢力」です。役職や立場など、社会的に認められた権限に基づく影響力です。上司や教師、警察官などに対して「従うべきだ」と感じるのは、この力によります。これは社会秩序を維持する上で不可欠ですが、過度になると盲目的服従を招くこともあります。
④「準拠勢力(参照勢力)」です。相手に対する好意や憧れ、同一視から生じる影響力です。例えば人気のあるリーダーや有名人の言動を真似るのはこの一例です。アルバート・バンデューラの社会的学習理論とも関連し、モデルとなる人物への共感が行動を変えます。
⑤「専門勢力」です。専門知識や経験に基づく影響力です。医師や弁護士、技術者などの意見に従うのは、その分野の知識があると信頼されているためです。専門性への信頼は合理的判断の一部ですが、過信すると批判的思考が弱まることもあります。
これら5つの社会的勢力は、単独で働く場合もあれば複合的に作用することも多く、私たちの日常の意思決定や対人関係に深く関わっています。人が服従する背景には、これらの力が状況に応じて働いています。世の中でこんなに詐欺被害が多く報道されているのに出来心で犯罪を犯してしまう人が後を絶ちません。上記のような社会的勢力が加わり、何か言い訳をして犯罪に手を染めます。論理を理解して間違った道に進まないように自分で制御する必要があります。

ホーソン効果の活用

ホーソン効果とは「人は自分が観察されている・注目されていると感じると、それだけで行動や成果が変化する」という心理的現象です。この概念は、1920年代にアメリカのウェスタン・エレクトリックのホーソン工場で行われた実験(いわゆるホーソン実験)から知られるようになりました。当初は照明の明るさと作業効率の関係を調べていましたが、明るくしても暗くしても生産性が向上するという結果が出ました。これは環境条件よりも「注目されている」という意識が影響したと解釈されました。観察されていると意識が高まり、注目されているとやる気が増したりしてその結果一時的に成果があがります。

ただ、ホーソン効果は一時的な改善であることが多く、本質的な改善ではないので本質的改善が必要な場合は別のアプローチで対応する必要があります。ホーソン効果で良い効果が出るのは例えば受験生が勉強をしなくてはいけないと分かっているのになかなかやる気が出来ない場合、自分の部屋ではなく、親が見ているリビングで勉強するとか、皆が勉強している図書館で勉強したりすると効果が上がります。誰かに見られていると思うとやる気が出ますよね。最近ではただひたすら勉強をしている動画をあげている人もいます。それを流しっぱなしにして自分も勉強することで自分も頑張れるという事も流行っているようです。是非お試しあれ

バランス理論

バランス理論とは、広告やマーケティング、人間関係の分析など幅広い分野で応用されている理論で、主に社会心理学者ハイダーによって提唱された対人関係の安定性を説明する理論です。人は自分(P)、他者(O)、対象(X)の三者関係において、感情や評価の整合性が取れている「バランスのとれた状態」を好むとされます。例えば、自分が好意を持つ人が同じ対象を好んでいれば関係は安定しますが、自分は好きでも相手がその対象を嫌っている場合、不均衡が生じ不快感を覚えます。この不均衡を解消するために、人はそれを解消しようとする傾向があります。

例えば、自分の意見を変えて相手に合わせる、相手との関係性を見直す、あるいは対象に対する評価を変えるなどの方法が取られます。つまり、人間は無意識のうちに「心理的な整合性」を保とうと行動するのです。つまり、人間関係や価値観は、心理的な一貫性を保つ方向へ自然と調整されるという考え方です。この理論は単純化されたモデルであり、現実の複雑な感情や状況をすべて説明できるわけではありません。それでも、人がなぜ意見を変えたり関係を調整したりするのかを理解する上で、非常に基本的で重要な考え方です。

通勤の労災

業務内のけがはもちろんのこと、通勤時のけがなども労災の対象になります。勤務の帰りに映画館に立ち寄り映画を観た後の帰宅中にケガをした場合は労災の適用になりませんが、日用品の購入や通院、親の介護などの立ち寄りは立ち寄り場所でのケガは労災になりませんが、そこから通常の通勤経路後に起こったケガは労災の対象になります。最近はダブルワークをする人も増えています。ダブルワークでA会社からB会社に移動中にケガをした場合はどうでしょうか?その場合、向かう会社、この場合はBの会社の労災が降りることになります。お気を付けあそばせ。

クリスマスリース

12月は忙しいのです。年末調整もありますし、バタバタします。そんな時、お客様が来訪されこんなものを頂きました。クリスマスリースです。リースの中に鹿ちゃんまでいます。しかもお客様の手作りです。忙しくて心がザワザワする師走ですが、ひととき穏やかな心になりました。あまりにも嬉しかったのでブログにも登場です。早速会議室に飾らせていただきました。ありがとうございました(^^♪

カテドラル効果

アメリカで行われた実験で、天井が高い空間にいると抽象的で創造的な思考が働きやすく、天井が低い空間にいると具体的で論理的な思考が働きやすくなるそうです。天井が3Mの部屋と、2.4Mの部屋に被験者を入れて、創造的な問題や分析的な課題を解いてもらった結果明確な傾向さが出たのです。天井が高い空間は自由さが上がり、創造性や抽象的・発想型の思考に向いているため、発明や企画、ブレストなどに向きます。逆に天井が低い空間は集中力が上がり、注意力や分析的・細部重視な思考に向いているため、事務作業や検証・計算などに向きます。

これらを利用して、仕事では企画などは高い天井、事務作業などは低めの天井で集中する。勉強ではクリエイティブな勉強はカフェや吹き抜けなどの開放的な場所で行い、計算や試験勉強では図書館の小部屋や狭い空間で行うと効果的かもしれません。在宅で天井高が一定でも、上方向に抜け感を出す(例えば窓に向かうような位置にするとか照明で高さを演出する)ようにすると高い天井の効果を得られますし、パーソナルブースや壁に向いたり照明を低めに設定すると低い天井の効果を得られるようです。是非お試しあれ。