困難な成熟?この本を目にした時、どういう事??という疑問が生じました。以前読んだ「たのしい不便」を手にした時と同じような感覚です。どうしても気になってしまい買ってしまいました。
この本は物事を考える際の本質が何なのかと考えるのに役立ちます。読んでいると、そうか。そういわれてみるとそうだな。と納得できます。自分が今まで過ごしていた当たり前の基礎事項が、このような考えがあるのかと非常に勉強になります。
例えば、表象の非対称性。正義と悪者の表現ですが、大抵、正義は個体性豊かに描かれ、悪者は個体識別できないように平べったく記号的に描かれます。悪者側についても個人史的な精査を行った場合、悪者側の主観的な正当性というのが生まれてしまいます。ですから、正義には個体性豊かで悪者は記号的に描かれ表象の非対称性がおこるのだそうです。
他には、労働とは何か?ということ。生物は消費からはじまりました。生物が生きてこれたのは、自然界からの圧倒的な贈与があったからです。人間の消費する量が自然からの贈与分を超えたから、人間はこれを制御する必要がありました。それが労働です。仕事でもモノを作り出す部門と管理部門があります。実際にモノを作り出す部門よりなぜか何も仕事をしないで管理する部門の方が給料が高かったりします。それは仕事の本質が制御だからだそうです。
どうですか?かなり新鮮な考え方ですよね。その他にも様々なメッセージが書かれています。物事の本質を見るためのヒントになるのではないでしょうか。