2022年 映画鑑賞

カテゴリー映画の12月は今年観て良かった映画BEST3を発表しています。今年もそんなに沢山の映画は観られませんでした。今年観た24本の中からの私の中のBEST3です。

第1位:トップガン・マーベリック
この映画は誰もが異議がないと思います。私も同じ映画を何回も観る事はないのですが、この映画は2回観てしまいました。2022年6月30日のブログに記載しています。もう1回観たいと思う映画です。

第2位:アバターウェイ・オブ・ウォーター
先週末に観たばかりの映画です。3Dで観ました。綺麗な映像美は勿論ですが、この映画を観て一番感じた事は人間は愚かだという事。他の生き物より少し頭が良いからといって、傲慢かつ平気で自然を破壊し暴力に訴え殺し合いをします。人間はもっとも弱い生物なのにです。人間以外の生物は皆自然と共存し、助け合いながら生きています。それを観てしまうと人間の傲慢さと浅はかさがとても目に付きます。前作品は森の中の背景で森の美しさにもうっとりしましたが、今回の作品は海の作品です。これもまた美しく、是非、3DやIMAXで観たい映画です。

第3位:コンフィデンスマンJP英雄編
3位は迷いました。ドライブマイカー、ベイビーブローカー、ジェラシックワールド、SING、アキラとあきら、沈黙のパレードと色々ありますが、見終わった時に一番スッキリするコンフィデンスマンJPにしました。この映画も2022.1.25に感想を書きましたが、まぁ騙されると覚悟して観た方が楽しめます。こんな作品を作ってしまって続編はどうなってしまうの?という映画でした。

今年も一年ブログを読んで下さりありがとうございました!
良い年をお迎えくださいませ。

税理士法改正

税理士法が改正されました。まず、2カ所事務所の問題。税理士は登録した事務所でしか税理士業務を行う事ができないものとされていました。ところがコロナ禍になり、世間ではテレワークが進みます。では、税理士がコロナ禍で事務所ではなく自宅で税理士業務をしてはいけないのか?という問題がありました。これについては、自宅に税理士事務所という外部表示がなく、名刺等やウェブサイトにもそういった記載が無い場合は、2カ所事務所にならないということになりました。これは最近の働き方を考えれば当然の改正と言えます。

次に税理士試験の受験資格の緩和です。税理士試験をしようとする時は大学の法律学または経済学に関する科目の履修をするか、日商簿記1級の合格(全経簿記上級でも可)が必要でした。それが会計学科目(簿記論・財務諸表論)に限り税理士試験の受験要件を撤廃しました。また、税法科目については法律学・経済学だけではなく社会科学に属する科目の履修でも可能となりました。私の意見としては税法科目は会計科目2科目合格者であれば受験できるということにしてほしかったです。

そして元税理士に対する懲戒処分です。今までは税理士法違反行為等があった場合の税理士に対する懲戒処分は現に税理士であることが要件になっていました。ですから本人が懲戒処分を受けそうだと思ったら税理士登録を抹消して、懲戒処分を受けずに、ほとぼりが冷めた頃に再登録をする不届き者が居たのです。ですからニュースでは税理士が犯罪をおかすと元税理士という名称が頻繁に出ていたのです。それが税理士登録を抹消したとしても(登録をしていたら)懲戒処分を受けるべきであったことについて決定をすることができるようになりました。懲戒処分は業務禁止処分や業務停止処分を受けますから、一定の期間再登録できないこととなります。これは当然と言えば当然ですね。世の中には違法まがいの脱税方法を堂々と指南する税理士もいますから、脱税と節税ははっきり違う事を認識する必要があります。その他の改正もありますが、ここに書いた3つが大きな改正となります。

電子処方箋の運用

来年1月から電子処方箋が始まります。利用申請は既に始まっています。よく顧問先に聞かれる点を何点かお伝えします。まず、電子処方箋が始まるのは院外処方箋のみですので、院内処方やリフィル処方箋などは対象外になります。院内処方なら対応はいらないか?という質問も受けますが、他の医療機関等の処方履歴や重複投薬等がチェックできるので導入も検討すると良いと思います。あと、患者さんがマイナンバーカードでないと使えないか?という質問も受けますが、マイナンバーカードだけではなく健康保険証でも電子処方箋を選択できます。

電子処方箋を利用するには、システム改修の他にオンライン資格確認の導入と電子署名が付与できる手段の導入(HPKIカード)が必要です。HPKIカードの取得にかかる費用は補助の対象外ですが、電子署名をするためのカードリーダーなどは補助対象となっています。補助対象となる費用としては、上記カードリーダー等の購入のほか、電子処方箋管理サービス導入に必要なレセコン及び電子カルテシステムをお持ちの場合は改修費用(ネットワーク設備費用も)、電子処方箋管理サービスを導入する際の実地指導等の費用などです。導入に向けて準備を進める時期です。詳しい内容は厚生労働省の下記のサイトへ⇒https://www.mhlw.go.jp/stf/denshishohousen.html

22世紀の民主主義

私はブログを書くとき、政治の事と、宗教の事は書くまいと思っていました。人の考えは様々だからです。でもこの本は政治の問題にズバリ切り込んでいます。著者の成田氏が日本は高齢者が多く、若者が少ないので、いくら若者の投票率が高くなったとしてもシルバー民主主義は変えられないと言っていた時に、若者の部類には分類されなくても未来の事を考えている若者でない大人もいるぞ!と思っていましたが、その事もちゃんと書かれていました。大人の中にも未来のための政策を望んでいる人もいますが、今の選挙制度では高齢者を敵に回すと勝てない(これは確か)だから、どうしても高齢者優遇政策になりやすい。それを打破するために、どうしらたいいかという案があれこれ書かれています。

例えば1人の政治家がいてこの考えは自分の考え方に合致するけど、この部分は違うという場合、どうしたら自分の思考を政治に反映させられるのかは難しい問題です。私の考える政治の優先順序は、環境保護と少子化対策です。私はこれが一番重要だと思っています。だからそこを頑張ってやってくれる人が政治家になってくれたらと常日頃から思っていましたが、成田氏が考える選挙はもっと先を行っていてアルゴリズムによる民主主義です。政治家はいらないとまで言っています。様々なビックデータから民意を拾いアルゴリズムによって政策を行うというもの。色々意見を言っている途中で、でもこのような弊害があるぞ!とかこのような事例は?と疑問が湧くと次の章でその答えとなる記述があります。まるで私の質問に答えるようなこの本は読み終えた時すっかりファンになってしまいました。成田氏は日本を捨てて海外に行ってしまったと思っていましたが、そうではなく、本当にこの国を思い、変えていく様々な提言をしています。

私の職業として気になったのは税金の負荷割合や税率等も最適化したアルゴリズムで行うというものです。様々なその時々の要因をアルゴリズムで拾って、この位の税収が必要だから、この税金をこの位上げて、この税金は下げてなどをアルゴリズムで出して最適化を決定するというものでした。誰だって税金が上がるのは嫌ですが、でも国債だけには頼れないのです。日本が債務過多になり破綻しないためにも、税収は必要です。コンピュータによる最適化を試験的に行っている国もあり、その効果も報告しています。とても興味深い試みでした。この本は多くの人に読んでもらいたい本でした。政治の事はブログには書かないと言っていた自分が恥ずかしくなるくらい実直にしかも確信を突いています。反対意見が頭によぎるとまるで聞こえていたかのように、その説明をし出すので、本の中で討論しているようで楽しめました。成田氏は本の中で、本の内容はいくらでも許可なくパクってもOK。反論も大歓迎と言っています。是非読んでみる事をおすすめします。

ポイント値引きと消費税

ポイント制度を利用する店舗は多く、ECサイトビジネスなどでもポイント制度を利用する業者が多くなっています。一部ポイントを利用して支払った場合、消費税の扱いはどうなるのでしょうか?ポイントを値引きとしているか。ポイントを現金等価物と捉えるかによって経理のやり方が違います。

例を見てください。左は値引きとしている場合ですが、この場合、消耗品費(お茶)530円(8%)と事務用品費(文房具)539円(10%)/現金 1,069円となります。次にポイントを現金等価物として扱っている場合は、消耗品費(お茶)540円(8%)と事務用品費(文房具)550円/現金 1,069円と雑収入(消費税不課税取引)21円となります。

面倒なのは、購入先によってどちらの方法を採用しているのか見なければならない点です。購入側がつまり経理担当者が1件1件確認しなければならず、例示のようにレシートを貰える場合はまだ良いですが、ECサイトなどで購入した場合、それを判断するのが大変な事例もあるかと思います。来年10月からインボイス制度が始まりますが、ますます面倒になると思います。

事例は購入側の処理ですが、売上側はもっと重大な問題を抱えています。この場合、値引きと捉える場合と現金等価物と捉える場合では、預かり消費税が変わってきます。同じような取引なのに経理処理の仕方で消費税が変わるというのはどうなんでしょう?と思います。システム的にも消費税が安くなる値引きタイプを構築する方が難しいかと思います。そうするとシステム構築にお金をかけられる企業は消費税が安くなって、値引きタイプのシステムを構築できない企業は消費税が高くなります。課税の公平の見地からもそんな税制で良いのか?と思います。電子化=簡単で便利になると良いのですが、電子化=面倒な作業が増えるというのでは電子化も進まないし、時代に逆行しているような気がします。

デジタル改革関連法案

デジタル庁が設置されて昨年施行されたデジタル改革関連法は6つの法律で構成されています。その法律は、①デジタル庁設置法、②デジタル社会形成基本法、③デジタル社会形成整備法、④公金受取口座登録法、⑤預貯金口座管理法、⑥自治体システム標準化法です。この中で今のところ税務に関連してくるのは、公金受取口座登録法と預貯金口座管理法です。

公金受取口座登録法はコロナの給付金を国民に支払った時に、各々の口座を市役所が把握していなかったことからスムーズな入金が確保されず入金されるまで何ヶ月もかかった人などもいたことから発足しました。登録はマイナポータルや金融機関の窓口でも申請可能です。登録されると行政機関から講座情報の提供が求められます。

預貯金口座管理法は、マイナンバーによって複数の預貯金口座の所在を確認できる仕組みを作るもので、相続時などに預貯金口座の所在を行政が確認できる仕組みです。金融機関は預貯金者に対してマイナンバーでの口座管理を希望するかどうかを確認することになっています。2018年から預貯金口座のマイナンバーの紐づけはできていますが、希望するかどうかの確認は今までなかったので、今後は確認が義務化されたことで口座とマイナンバーの紐づけを選択するかどうかの判断が必要になります。

同志少女よ、敵を撃て

今年の本屋大賞を受賞した作品です。1943年前後のドイツ(ヒトラー時代)・ソ連(スターリン時代)戦争が舞台です。一家皆殺しにされたソ連の少女が狙撃兵になるまでと、なった後の事が書かれています。女性ばかりの狙撃兵のチームですが、狙撃兵になるまでの訓練期間の訓練内容がリアルです。また、実際に狙撃兵になってからの戦闘シーンは手に汗握る描写と息つく暇のない判断の繰り返しでとても臨場感があり本の中の世界に引き込まれて行きます。

戦争は女性の世界ではなく、どちらかというと男性主体で動きます。その中で女性として戦っている彼女らを見て同じ女性としてとても共感する部分も多く、また、普通の女の子だった彼女たちが逞しくなっていく(ならざるを得なかった)状況、選択の余地のない状況、それでも彼女たちは何故戦うのかという問いを自らに課して戦うのです。全ての女性のためにという女の子の決意からは並々ならぬ心情を感じ、敵味方関係なく女性を守るシーンでは心が揺さぶられました。

戦争が終わった30年後もエピローグで書かれるのですが、100人以上の敵を狙撃した彼女らは英雄でもあり魔女でもありという扱いです。田舎の町で静かに暮らしますが、戦争が終わり、静かな世の中になっても彼女たちからは戦争の記憶は無くなることなく、最後の最後で、戦争って何なんだろうという虚しさで目頭が熱くなりました。いやぁ、この本は戦争を知らない私たち、そして特に女性にはお勧めしたい本です。