麒麟の翼

東野圭吾氏の小説を映画化したものです。小説を映画化したものは、かなりの頻度で観ていますが、大体期待が大きすぎて、感想はいまいちというものが多いような気がします。ところがこの映画はとても良かったです。

日本橋にある麒麟像をご存じでしょうか?ALWAYSにも出てきましたが、日本橋にある架空の生物の麒麟に翼がついている橋の上にある像です。東海道、日光街道、奥州街道、中山道、甲州街道の五街道の起点として日本橋があり、その起点の象徴として麒麟がいる。ここから羽ばたくという意味で麒麟には翼がついているらしいです。

何故男は瀕死の重傷を負いながら麒麟の翼像まで歩いてきたのか?という謎から物語はスタートします。この映画は何の情報も入れないで観に行った方がいいのでストーリーは言いませんが、様々なところにメッセージが隠れています。それを感じることが出来ればかなり楽しめます。

先生が生徒のためにと思ってした嘘が3年後に大きな津波となってやってくるというのが軸になっています。企業のコンプライアンスの問題や男女愛、親子愛なども盛り込んでいます。私が一番強く感じたメッセージは、始めは傷つきたくなくてついた嘘が時の経過とともに大きくなってしまうということ・・・

辛いかもしれないけど、その場で解決しなければもっと大きな傷になることが世の中には多いんだなぁと実感したことです。企業のコンプライアンスもそう・・・人はもっと強くならなくてはいけないとつくずく思いました。