生命保険の個人活用

沢山の方の確定申告をしていると、年間で何百万円も個人で生命保険を支払っている事例が見られます。本当にそんなに保険が必要でしょうか?

独身時代、結婚、子供の誕生、自宅の購入、子供が独立後、老後、それぞれのライフプランの段階によって生活に必要な金額は変化します。例えば子供が誕生してから独立するまではある程度の保障も必要ですし、住宅の借入金の返済についてもある程度計画が必要です。

住宅を購入するのなら本来25歳位で住宅を購入しないと定年退職時(60歳)までに借入金が完納できません。最近では晩婚化が進み40歳を超えてから住宅を購入するケースも見受けられます。退職時までに住宅借入金が返済できない場合には、その分のキャッシュも必要になります。

ですから、必要な保険金の額はその方の生活スタイルや借入金の有無などによって違ってきます。

相続税の観点からみると保険金の非課税枠を活用するのが良いと思います。現金や預金で財産を残すと丸々相続税の対象となりますが、保険金は非課税枠があるからです。保険金の非課税枠は相続人1人当たり500万円です。配偶者と子供2人の場合、相続人が3人ですので、500万円×3人=1,500万円までは税金がかかりません。

また、死亡退職金についても相続人1人当たり500万円まで非課税なので、その個人がオーナー企業をお持ちの時は、法人に保険料を支払ってもらい、死亡時に死亡退職金の現金がなくて死亡退職金が支払えないといったことも回避することができます。

会社を経営されている方は個人で支払う保険金と法人で支払う保険金のバランスを考えることにより、個人も法人もベストな方法というのが必ずあります。ですから、ライフスタイルの変化によって保険を見直す必要があるのです。