経営者になる経営者を育てる


経営者にとって必要なスキルは何かということについて書かれた本です。筆者は科学系スキルとアート系スキルが必要と言っています。

科学系スキルは「マネジメント知識」と「ロジカル・シンキング(論理的思考)」です。アート系スキルは「強烈な意志」「勇気」「インサイト」「しつこさ」「ソフトな統率力」だと言っています。そしてこれらは持って生まれたものではなく、体験を通じて習得できると言っています。以下、これらのスキルを一言でいうと、

マネジメント知識・・・いわゆるビジネス・スクールで学ぶ一連の知識で、戦略、マーケティング、経済学、会計、財務、オペレーション、人事組織、組織行動論などのことです。
ロジカル・シンキング・・・事象を論理的に個別要素に分解する力、因果関係や定量的理解、積み上げ統合する力などを言います。
強烈な意志・・・事業において何が何でも結果を出すという意志でこれは必要条件だという。この源泉となるものは高志と責任感です。
勇気・・・捨てる勇気、決断する勇気、やめる勇気、変える勇気、情を捨てて人を切る勇気だそうです。
インサイト・・・洞察力、発想、ひらめきなどを言うがロジカル・シンキングでは気がつかない本質や視点、切り口を思いつく力のことです。
しつこさ・・・考えるしつこさや実行するしつこさで、一言で言えば粘り強さです。
ソフトな統率力・・・夢を掲げる能力、夢を共有する能力、経営者の人間的魅力をさらに掘り下げてみている。

これをここまで読むと経営者は大変だなぁと思います。でも最後の方になって安心する流れになっています。これらは天賦の才能ではなく努力や経験、習慣によって習得することができるというものです。習得する技法もご丁寧に書かれています。