ザ・ファイター

アカデミー賞でクリスチャン・ベールが助演男優賞を、メリッサ・レオが助演女優賞をとったことで、有名になりました。

異父兄弟の兄と弟のボクサーとしての軌跡を描いた実話です。兄と弟はタイプの違うボクサーでどちらかというと兄の方が活躍していました。しかし、兄はドラックに手を染め犯罪を犯し禁固刑になります。弟をボクサーとして育てたのは兄です。母はマネージャーをしています。主人公の弟は兄との絆や母をはじめとする家族の絆、そして恋人との絆のバランスをとろうとしますが、それぞれ敵対していて、うまくいきません。それでもボクシングを続け、出所した兄の協力も得ながら世界チャンピオンになるという話です。

恋人は母をはじめとする家族や兄がいけないから弟は勝てないと判断し、家族や兄から遠ざけようとします。母はそれに気付き家族と一緒に恋人に敵対心を燃やします。兄は自堕落な生活をして、弟の恋人からも嫌われていますが、弟のことは一番理解しています。弟の恋人を説得し、トレーナーを連れ戻し、弟のために環境を整えます。弟も恋人と約束したものの兄の存在は不可欠だと悟り、恋人に理解してもらいます。

いろいろな人間関係に収拾がついたとき、集中してボクシングを練習できる環境になり、世界チャンピオンになります。

主人公からすれば、ボクシングに兄のアドバイスは必須であり、家族も大事。でも、恋人も大事なのです。どれをとるかではなく、全体がうまくいくのがベストです。その手助けを兄がやってくれます。不器用な人々が不器用ながらも一生懸命生きているというのを実感できた映画でした。