医療法人における基金の返還

前回カテゴリー”医療法人”でお話しました基金ですが、定款の定めにより返還することができます。定款にどう書かれているのかがポイントになりますが、殆んどの場合、モデル定款と同様と思われますので、定款がモデル定款と同じだったということを前提にお話しします。

貸借対照表上の簿価純資産額(純資産の部)が下記の合計額を超える場合にのみその超過額を返還額の限度額として、基金の返還をすることができます。

①基金(代替基金も含む)
②資本剰余金
③資産につき時価を基準として評価を行ったことにより増加した貸借対照表上の純資産額

例えば、帳簿純資産額(純資産の部)が20,000千円で基金が10,000千円、代替基金が2,000千円、資本剰余金と時価評価額の増加が0円とした場合、20,000千円-(10,000千円+2,000千円)=8,000千円なので8,000千円以下の返還なら行うことができます。基金のうち半分の5,000千円を返還することとした場合の仕訳は下記の通りとなります。

(借方)基金         5,000千円  (貸方)現金預金  5,000千円
(借方)繰越利益剰余金 5,000千円  (貸方)代替基金  5,000千円