相棒-劇場版Ⅱ

杉下右京は警視庁特命係係長の警部です。神戸尊は右京の部下で同じく特命係の刑事で警部補です。右京は組織内のしがらみとか上下関係とか利害関係を全く考慮せず、独自の正義の判断で己の進むべき道を突っ走ります。

こんな風に生きたいけど、もの凄いエネルギーが必要だなぁ。。この映画を見た正直な感想です。組織論的に見れば、右京は周りの人の感情や思いを全く汲み取らず、自分の信じる正義のみで突き進むので組織にとって異質であり、危ない存在です。周りの人との調和も取れないので出世もしません。

なぜ、この映画が支持されるのか。そう考えた時、組織の中で調和を取りながら生きていくのは大変な事だけど、自分は正しい道を歩みたいという願望が人々の心にあるからだと思います。右京さんみたいに直球ストレートでガンガンいくのは無理だけど、何とか正しい方向へ進みたいという願望があります。

この映画では警視庁の内部という自らが在籍している組織内で起っているので通常であれば、悩んだりするのでしょうが、右京さんは全く怯みません。正義感の塊のような生き方に共感する人がこの映画を支持しています。実際には組織の調和と正義のバランスを取るのはとても難しい問題です。

この映画のように分かりやすい正義なら良いのですが、現実の世界には何が正しくて何が正義なのかが微妙な事柄が沢山あります。この映画でも小野田官房長官が「何が正義かなんてその人の立場や環境によって違うんだよ。君の正義が正義とは限らない」と言ったその言葉が一番印象に残りました。