医療戦略の本質


マイケル・E・ポーターとエリザベス・オルムステッド・ティスバーグが著者です。

まえがきで、ちょっと耳が痛いまた、ドキッとする提言をしている。

そもそも医療では、「マネジメント」という言葉の評価は低く、「ビジネス」に至っては禁句に近い。また、医療機関の「戦略」に関する文献は皆無に等しい。つまり、多くの医師たちは「競争」という概念をまるで信用していないのである。彼らは「競争」を「値下げ」と同義と考え、「競争」は身勝手な行動を助長し、診療をないがしろにする厄介者だと教え込まれている。

というものです。第1章では医療の問題点を述べ、第2章では根本的な原因を探っている。第3章は改革はなぜ失敗したのかで、第4章は医療の価値を向上させる原則、第5章は、医療提供者の取るべき戦略、第6章は、保険者の取るべき戦略、第7章は、医療メーカー、消費者、雇用者の取る戦略、第8章は、政府の取るべき戦略、そして、付録として事例が2件掲載されている。

アメリカの制度を中心に書いている部分もあるので、日本との違いを感じる部分もあるが、第4章と第5章は医療法人の関係者に読んでもらいたい部分です。